第44号トップ

もくじ

巻頭言

令和3年度 第37回 文化祭

令和3年度江戸川区各部意見交換会報告

   T 防災関係意見交換会

   U 福祉部懇談会

   V 広報課・区議会事務局意見交換会

   W 区立図書館意見交換会

   X 区内施設・環境整備・教育委員会意見交換会

   Y 土木部・区内三警察署意見交換会

東京2020パラリンピック聖火リレー 臨海公園につなぎ点火

松本理事長 旭日単光章受章

令和3年度 会員懇談会

中央図書館より

   福耳通信

ドキドキのポニーランド乗馬体験

   一言インタビュー

日帰りバスハイクを楽しみました!

故 渡邊 登様・テイ子様ご夫妻を偲ぶ

月例会報告

 好きに生かさせてもらった私の人生

都盲大会&城東ブロックコンサートに行って来ました!

城東ブロック・家庭生活訓練報告

暮らしのア・ラ・カ・ル・ト

えどもう歌壇

編集後記




巻頭言


                             窪田 あずさ


 暑い夏も過ぎ、爽やかな初秋を経て、晩秋を迎える頃となりました。
 2021年の夏から初秋にかけての話題といいますと、何といっても『東京 2020オリンピック』及び『パラリンピック』なのではないでしょうか。オリンピックでは、日本選手が大活躍しましたし、パラリンピックでは、ゴールボールで日本女子選手団が銅メダルを獲得しました。様々な競技で手に汗握り応援した方や、選手の姿に感動を覚えた方も多くいらしたことと思います。

 また、パラリンピックでは、江戸川区の推薦を受けて、松本理事長が聖火ランナーを務めました。詳細は本号内にて、松本理事長が詳しく体験記を書いておりますので、ご覧ください。

 江視協ではコロナ禍の中でも状況を加味しながら、各部会を開き、月例会や会員懇談会、日帰りバスハイクを行い、11月23日には松江コミュニティ会館で文化祭を開催いたします。また、江視協サポートも徐々に軌道に乗りつつありますが、引き続き会員の皆様方のご協力を賜りたく存じますので、宜しくお願いいたします。

 その中で、私もこの度、広報部長の任命を受け、皆様方のお力を頂きながら、お役に立てるよう心を尽くして参ります。
 本号では、江戸川区との意見交換会の報告、松本理事長聖火ランナーのお話、日帰りバスハイクの様子、生活に役立つ情報コーナーなどなど、盛りだくさんに収めました。この『アイネット44号』が情報ツールとしてお役に立てたなら幸いです。




NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会


令和3年度 第37回 文化祭




主催 : NPO法人 江戸川区視覚障害者福祉協会
後援 : 江戸川区社会福祉協議会
協力 : 音訳百舌の会・音訳ボランティア風の会
     江戸川点訳メイト・出前ボランティア活動部会
     在宅福祉グループ・デイジー江戸川・アイフレンズ江戸川

日時 : 令和3年11月23日(火・祝日) 午後1時〜4時
会場 : 区立松江コミュニティ会館 1階ホール
     〒132-0025 江戸川区松江7-5-12  電話 (03)5662-5320
受付 : 午後12時30分より(1階ホール前)


《プログラム》

【第一部】 式典                     (13:00〜13:40)
  司会  藤原美子
※ 区歌斉唱  … 全員

1.開会の辞  … 冨澤 豊 2.理事長挨拶 … 松本俊吾
3.斉藤 猛 江戸川区長祝辞
4.福本光浩 区議会議長祝辞
5.来賓祝辞
6.来賓紹介と祝電披露 … 齋藤明香

【第二部】 朗読と短歌披露                (13:50〜14:20)
  司会  成田貴美代
1.朗読二題
  @ 音訳ボランティア風の会
    書 名 … 「人生は七転び八起き」
    著 者 … 内海桂子
    朗読者 … 荒 雅恵

  A 音訳百舌の会
    書 名 … 「わすれられないおくりもの」
    著 者 … スーザン・バーレイ(小川仁央訳)
    朗読者 … 阿萬愛恵

2.短歌発表
    披 講 … 斉藤久枝(音訳百舌の会)

【第三部】 クラブ発表                  (14:30〜15:50)
   司会  成田貴美代

1.フォークダンス・カトレア
   演 目 … 世界はひとつ  ビリーブ  河内男節
   指 導 … 高津容子先生

2.民踊・若竹
   演 目 … 米節  庄内おばこ
   三味線 … 丸山益平先生
   お囃子 … 小松啓子先生

3.コーラス・若草
   曲 目 … 紅葉  浜千鳥  リンゴの唄
   ピアノ … 須賀妙子先生

4.社交ダンス・ドリーム
   演 目 … 魅惑の社交ダンス・お楽しみのエトセトラ
   指 導 … 山本真未先生・池田定道他有志

5.閉会の辞 … 城谷直人             (15:50〜16:00)


   ※ 1階ホール前に会員の生け花を展示。




令和3年度江戸川区各部意見交換会報告




 コロナウイルス感染症の終息が見込めない中、令和3年度も恒例の江戸川区との各部意見交換会が開かれました。8月3日には防災と福祉部、8月27日には広報課・図書館・生活振興部・都市開発部等との意見交換会が開かれました。土木部・三警察署意見交換会は、東京オリンピック、パラリンピックの警備等で警察署の対応が出来ず、9月10日に延期されました。本報告から区内視覚障害者の状況を読み取る事が出来れば、江戸川区の福祉の現況が見えてくるのではないでしょうか。


T 防災関係意見交換会                  成田 貴美代

 日時・会場 … 8月3日(火) 14:00〜15:00 区役所4階 第5委員会室
 区出席者  … 本多防災危機管理課長・山田地域防災課長
         江道寺防災危機管理課計画係長
         河本障害者福祉課長・三田障害者福祉課計画調整係長

 本会出席者 … 松本・藤原・成田・城谷・橋谷・山口・柳田・吉田(相談室)


 暑い夏の日の午後、江戸川視障協、危機管理部との意見交換会が実施されました。それぞれの自己紹介、松本理事長・本多課長の挨拶を終え意見交換は始まりました。


Q:江戸川区における水害対策について。
Q(松本):気象庁の避難勧告が変わったが、どう変わったのか?
A(本多):今まで避難指示・勧告と分かれていたが、分かりづらいと言う事で、避難勧告がなくなった。レベル3になると高齢者等の避難開始となり、レベル4になると避難指示になる。皆さん安全な所へ避難して下さいという事。レベル5は、発災が迫っている、避難して頂きたいと言う事。また台風が大きいと判断した場合には、広域避難をお願いする。3日前からは情報発信する。台風が小さい場合は、指定の場所に避難したり、高い所に住んでいる方は在宅避難。台風の規模によって、2通りの避難になる。

Q(城谷):実際のところ、避難される方が人口70万に対し何パーセントくらいあれば足りるのかという考えをどう進めているのか教えて頂きたい。
A(本多):避難所を増やそうと、ホテルやいろいろ協定を結び確保しているところ。多少でもそういった取り組みを継続している。

Q(松本):障害者が二次避難所に行った時、専門的な支援員はいるのか?
A(山田):一次避難所の小・中学校に避難されてきた方の状況によって、二次避難所に移って頂く。その案内をするのは、避難所に携わるブレーン。
A(本多):昨年度から、二次避難所には、ある程度登録された方が避難するように変えている。1500人の規模で作られ、要介護認定を受けた方・身体障害者の方等を対象にやらせて頂こうとしている。障害者の方達に対しては、配慮しなければいけない避難所ごとに、マニュアルに挟み込んで知って貰うという事もしている。個別避難計画というのを福祉部でやり始めた。

Q(城谷):マニュアルだが、例えば視覚障害者に対してどのような配慮がされているか、可能ならば聞かせてほしい。
A(河本):私達が自己満足で作っても仕方ないので、当事者個々に変更する事は可能だが、タイミングがある。

Q(城谷):承知頂いていると思うが、小学校などに避難した時、トイレの場所がわからないなどある。ちょっとした事だが聞いてみた。
A(河本):周囲の状況を知る事が難しいため、避難所の案内で、目印で、特にトイレの場所や配給場所を案内して確認して貰うというのも書かれている。

Q(藤原):視覚障害者の皆さんが知りたいと思う事で、是非教えて貰いたい。
A(本多):内容は区のホームページにも掲載している。

Q:東京湾直下型地震災害における視覚障害者支援策について。
Q(松本):視覚障害者を対象とした防災訓練の実施について検討してほしい。
A(山田):毎年行われている河川敷での総合訓練は、初動体制を目的にしているもので、状況による。訓練については地域の皆さんと繋がりを持って頂くのが、災害時に対して有効だと考えている。

Q(松本):視覚障害者などの名簿についての見解は?
A(河本):災害弱者という意味合いでは、訪問調査を実施し把握しており、会長から頂いた名簿については、災害名簿に投入させるという事はない。

Q(城谷):名簿が区役所の方では出来ている、実際に災害があって取り残されていた時に、安否確認は取らないというように聞こえたが、安否確認は誰がしてくれるのか? 消防の方が家に来てくれるのかどうか?
A(河本):障害者の方が区に3万2千人いる。重度の方から支援していくようになる。自助共助の面から、公助の部分で気を付けて行かねばならないと思う。

Q(城谷):災害の時には名簿は消防署の方に行くのか? 自助共助もわかるが、実際どうなのか?
A(本多):我々の作った名簿になるが、実際の時には消防署に渡す様にしている。

Q:防災無線のアナウンスが聞き取りにくい。スピーカーは回転式か?
A(本多):スピーカーの大きさや連絡の範囲を考え、一番良い設置をしているが、建物の裏側だったり、天候によったり、雲が低かったり、反響して聞きづらかったりしている。なかなか解決が出来ない。その中で、FMえどがわやJ:COMも一緒に流しているので、活用して頂きたい。何を言ったかわからないという時には、内容を確認できる電話があり、24時間聞く事が出来る。(03-3652-1284)
  スピーカーは固定式。もう一つ、北小岩の福祉作業所でFMラジオを販売している。1万3千円程で少し高いが、そこでしか販売していない。放送を聞いている時に防災無線が入ったら、自動的に割り込んで聞く事が出来る。

Q:視覚障害者に配布したヘルプカードによる救援策は?
Q(松本):災害があった時には、有効的に活用してほしい。
A(河本):個人情報を書き、それを提示し支援を求める形にして頂ければと思う。

Q:えどがわボランティアセンター主催の防災避難訓練の参加について。
A(ボランティアセンター回答):コロナなどで、昨年も実施出来ない状態だが、実施が決まった場合には、ご意見を参考に伺っていきたいと思う。

Q:本会生活サポート支援員の避難所の介護者としての登録は?
Q(松本):避難生活が長く続いた時、支援員の協力があれば円滑に行くと思う。
A(本多):その方々も被災する可能性もあり、事前登録は難しいと思う。いろいろな方から援助頂けるのはとても有難いと思う。

Q:障害者福祉課と本会との災害時の携帯電話による連絡方式について検討は?
A(河本):情報が氾濫すると、個別なところからの電話を受けられるかどうかは、難しい事と思う。団体としてはどうかなと思うところ。

Q(城谷):区のホームページから見て下さいと言われるが、すごく大変で探すだけでも時間がかかる。PDFも読めるのと読めないのがあり、書いてあるから見て下さいと言うのは難しい部分があるという事を理解して頂きたい。
A(本多):先程申し上げたのは、公開しているか、いないかについての事で、見なさいと言っている訳ではない。意味はよくわかった。

※ 毎年の区関係者との意見交換会、コロナ渦の時でも実施され、とても有意義でした。実際に災害が起きた時、思うように行動出来るかは疑問ですが、自助・共助を意識して考えて行きたいと思います。




U 福祉部懇談会                      松本 俊吾

 日時・会場 … 8月3日(火) 15:00〜16:30 区役所4階 第5委員会室
 区出席者  … 河本障害者福祉課長・山脇身体障害者相談係長・
         高橋庶務係長・三田計画調整係長
 本会出席者 … Tに同じ


 東京五輪の金メダルラッシュで皆さん意気高揚の中、毎年ご出席いただいている森福祉部長が忌引きにより欠席され、河本障害者福祉課長と3係長との懇談会での意見交換が行なわれました。


1. 計画相談支援事業への支援
Q(松本):本年5月1日に指定特定相談支援事業所「江視協サポート」を開設し、3ヵ月を経過。ガイドヘルプ事業は昨年度同様、外出制限等で派遣実績は2割減で推移し、このまま令和3年度実績が伸び悩むと、相談支援事業の赤字を見込めば、本会の運営は厳しい状況に至るので、引き続き支援をお願いしたい。

2. 同行援護支給量の弾力的な運用について。
Q(松本):同行援護支給量は、50時間を超えては認めないのか。
A(山脇):江戸川区では50時間と決めさせて頂いている。国は状況により支給量を決めて良いことになっている。個別に支給量の時間を決めるのは難しい。50時間は、総合支援法施行当初に基準として定めたものだと思う。その後、身体介護有り無しで変わってきた。現在の単価では支給量は低くなる。

Q(松本):必用に応じ支給量を出してほしい。
A(山脇):役員に対して公共性の高い外出については増量を認めている。

Q(藤原):平等性と言うが、障害者間の平等と、健常者間との平等は意味が異なる。平等性の内容が異なる。視覚障害者は外出したくてもガイドヘルパーの介助がなければ外出はできない。

Q(松本):10月13日(水)に八王子市で開催される東京都盲人福祉大会、及び本会第37回文化祭は、役員外の会員参加者を昨年同様増量対象として頂きたい。
A(河本):(うなずく)

Q:本会の役員に対する毎月の増量申請を引き続き認めること。役員に対する同行援護の基本支給量の決定は、10月1日付(6月4日、障害者福祉課申合せ事項)で、新任役員の利用実績により増量申請を行う予定。
A(山脇):個人的な外出を除き毎月の増量申請は認めている。

Q(松本):介護保険の院内介助における待ち時間の同行援護利用が可能となったことについて確認したい。
Q(城谷):中抜け時間はガイドは待機でそのまま待つことになる。またトイレの場合はどうなのか。
A(山脇):介護保険非該当であれば障害福祉サービスの通院等介助が利用出来る。介護保険で通院の待ち時間での買物・薬の受け取り等で、同行援護の併用利用を認めている。院内は病院のスタッフでの介助が原則。この間は利用者の自己負担となる。待ち時間内で買物・食事等があった場合は、同行援護を利用して良い事になっている。但し次の診療に向かう場合に、病院側スタッフが対応出来ない際は、障害福祉サービスも介護保険も院内介助について認められている。

3. 本会が令和元年度に開始している意思疎通支援事業(代筆代読)を江戸川区独自の地域支援事業として制度化してほしい。
※ 特に回答はなく、前年度では、実績を積み重ねて評価したいとのことであった。

4. 区内の重度障害者等に対する就労支援とする、通勤通所や職場等における支援が、雇用保険制度と合わせ利用出来るよう検討してほしい。
Q(松本):墨田区が移動支援で自宅開業の視覚障害者に往療の支給量を認可。
A(山脇):墨田区に確認する。(※ 後日の回答…就労の同行援護に関し墨田区に確認したところ、「施術のボランティア活動で行っている事に同行援護を使っている」との事。江戸川区でもこの方式の採用につき話し合いを継続する。)

5. 江戸川区が令和10年度に予定している新区役所(隣接する再開発ビルを含む)移転諸要件。(令和3年2月19日に森福祉部長宛に下記要望を提示。)
@ 令和3年1月現在のタワーホール船堀3階事務所の録音室を含めた床面積(13.2平米)と機能を、再開発ビル移転後もそのまま維持することを要望する。
A 本会は、事務所面積だけでなく、区の広報、区議会だよりの公的録音物を発送する発信拠点として、録音室を有し、視覚障害者に発受をしているので録音室が必要となる。録音機能を持たせたスペースを備えないと収録業務が出来なくなる事から、江戸川区の予算措置で整備して頂ける事が移転の必須要件となる。
B 現在の協議室会議室スペースと、交流スペースの床面積を確保するとともに、現状の交流スペースを倍増することを要望。
A(新庁舎準備室からの回答):新庁舎を含む船堀4丁目の再開発事業は、区域内の土地・建物権利をお持ちの方を対象に説明や意見交換を重ね、現在再開発ビルに準備組合が発足しており、移設計画決定に向け、令和3年度からは設計段階に入る。江戸川区はご案内の通り、再開発ビルの権利床取得を予定しており、今後事業の進捗に合わせて、必用な床面積・機能の取得を含め具体的に検討をおこなう予定である。

Q(松本):これは新庁舎建設準備室に、私が直接聞きに行くことでいいのか。
A(河本):まだ計画がはっきり決まっていない。昨年度各団体から意見を伺っており、これから基本設計に入る。それ以後について、これ以上は答えられない。

Q(松本):船堀駅から新庁舎前までの点字ブロックの整備等について。
A(準備室):令和3年3月に新庁舎建設基本構想計画が策定され、令和3年度から新庁舎は設計の段階に入っている。基本構想の理念は区民活動の拠点「誰にでも優しい新庁舎」を掲げている。基本構想・計画ではバリアフリー機能を備え、利用しやすい機能を備えること等の意見が寄せられている。ご意見を伺いながら設計に取り組んでいく。また新庁舎の中には区民共同スペースを設け、多くの方が利用できるよう検討している。
A(河本):動きがあればその都度伝えることになる。

6. 日常生活用具関連事項
A(山脇):日常生活用具は、都の管轄の物が区に移管され、視覚障害者の皆さんだけでなく、様々な障害者が対象となっている。
Q(松本):新品目を江戸川区独自に選定できないのか。
A(山脇):検討はするが使用目的がずれている品目は認められない。

Q(松本):スマホ等も多く利用するようになったがこれはどうか。
A(山脇):スマホ本体は対象外。

Q(成田):防災ラジオは対象になるのではないか。昨年度に検討中と聞いたが。
A(山脇):今のところ対象とはしていない。

Q(松本):スマホアプリで墨字を読むことができるようになった。日常生活用具に文字読み取り機器として認めて頂くよう要望する。
A(山脇):ソフトについては持ち帰って検討してみる。

Q(成田):パソコンソフトは6年間で認めている。
Q(城谷):カラー診断など新商品も認めてほしい。
A(山脇):検討はできる。拡大読書器も対象範囲を広げている。

Q(松本):障害者協議室の利用に関し、利用日時が重複の際と終了時間はどうか。
A(高橋):バッティングの場合は抽選。コロナ渦なので利用時間は午後8時迄。


※ 懇談項目が多岐にわたり、未解決の問題もありましたが、話し合いの内容がこれからも具体化に進むよう努力したいものです。



V 広報課・区議会事務局意見交換会              井草 恵子


 日時・会場 … 8月27日(金) 14:00〜14:40・区役所4階 第2委員会室
 区出席者  … 田森広報課長・井口編集係長・武井区議会事務局調査係長
         河本障害者福祉課長・三田障害者福祉課計画調整係長
 本会出席者 … 松本・冨澤・藤原・成田・住山・窪田・井草・松田(事務局)


 本会出席者の紹介、松本理事長の挨拶に続いて、意見交換会は始まりました。


☆ 視覚障害者情報提供に関する事項
1. 区内視覚障害者に対する情報提供は、主に、「声の広報えどがわ」、「声の区議会便り」の音声CD版を、音訳2団体(音訳百舌の会・音訳ボランティア風の会)がマスターCDの音訳版を作製し、本会がダビング発送を受託している。

Q(松本):タワーホールや中央図書館の録音室を、今後も従来通り利用できるようにしてほしい。
2. 江戸川区が整備利用しているダビング機器の製造元のシナノケンシ(株)が3年前に製造中止を発表し、新規購入ができない現状。
  「声の広報えどがわ」「声の区議会便り」の高速CDダビング機器(10枚複製・見積書を広報課・障害者福祉課に提出)について、整備を検討してほしい。
A(河本):令和4年度4月までにダビング機器の購入予算を検討。
 ※ 9月22日にダビング機器整備本決まり。

3. 「声の広報えどがわ」「声の区議会便り」のCD版利用者(8月現在)
 「声の広報えどがわ」50名  「声の区議会便り」45名(CD 32 カセット13)
 「声の便りみんなともだち」CD 70名 カセットテープ 23名

Q(松本):カセットテープの録音ダビング機器のメンテナンスが困難。
A(井口):カセットテープの一定な需要があり、いつでもCDに対応できる。

Q(成田):カセットの方が使いやすいという利用者がいるため、無理やりCDはすすめられない。

Q(冨澤):希望者がいるので構わない。

Q(松本):会としては、カセットテープでは発送してない。現在、カセットテープの製造はやっていないので、CDへの切り替えをすすめてほしい。
Q(成田):「声の広報えどがわ」の50名は少ないのでは?
A(井口):令和2年度は62名だった。

4. 「声の広報」「声の区議会便り」1回あたりのダビング発送手数料の引き上げについて。
Q(松本):去年から「声の広報」が月3回から2回になり、音訳ボランティアの件数が減っている。
Q(松本):選挙の立候補者を、予め情報提供してほしい。
A(選管):公示日に立候補者が明らかになるため、それ以前の情報提供は難しい。

Q(松本):CDと共に、点字でも情報提供をしてほしい。

5. 「声の広報えどがわ」に、障害者団体紹介記事のシリーズ形式での掲載継続について。
A:バリアフリーなどの特集記事や、区内の障害者団体を紹介している。

6. 「点字広報えどがわ」のテキスト版について
A:今後も継続。

7. 危機管理部が検討中の災害時二次避難所設置箇所の「広報えどがわ」への掲載について。
A:今後、掲載予定。

※ 視覚障害者は耳からの情報が頼りなので、これからのSNSの普及が楽しみです。




W 区立図書館意見交換会(文化共育部関連)         窪田 あずさ


 日時・会場 … 8月27日(金) 14:40〜15:20・区役所4階 第2委員会室
 区出席者  … 白木文化課長・澤田文化課文化振興係長
         谷一中央図書館長・中川視覚障害者担当職員
         河本障害者福祉課長・三田障害者福祉課計画調整係長
 本会出席者 … Vに同じ


 視覚障害者にとり、図書館が情報媒体としての役割は大きく、年に一度の区役所との意見交換会は、大変に意義のあるものですという、松本理事長の挨拶で、区役所との意見交換会がはじまりました。

Q:「広報えどがわ」「声の区議会だより」の音声CD作製について、中央図書館のボランティア作業室・対面朗読室の利用が、コロナ感染症の緊急事態宣言下にあっても利用制限をしないようにしてほしい。
A:公共図書館は運用指示に基づき、1回の利用を2時間以内としているが、「広報」「区議会だより」の作製は生活に必要な情報であり、この制約を撤廃している。例年通り希望の日程で作業を行えるようにしていく。

Q:同様に本会のITスマホ教室・講習会についても、対面朗読室の利用制限をしないようお願いしたい。
A:原則は2時間だが、必要に応じて個別の相談に対応している。事前連絡、または当日1階カウンターに申し出れば、空室時の延長は可能である。

Q:中央図書館の対面朗読室の令和2年度と3年度の利用状況は。
A:2年度…対面朗読室使用33回 講習会など含め全体総数106回
  3年度…対面朗読室使用23回 IT教室含め全体総数58回 (8月27日現在)

Q:視覚障害者が中央図書館を円滑に利用できるよう、職員の配置、スマホ講習会等の支援、情報周辺機器の整備を、これまで通りお願いしたい。
A:職員に関しては、昨年同様5人配置し、IT関連についてもこれまで同様に支援していく。また、情報周辺機器はバージョンアップを行っている。

Q:視覚障害者への図書貸し出しサービスについてHPによる情報提供、メールによる情報配信を行ってほしい。
A:HPは図書館のものを参照してもらいたい。メールについては、検討していないが、貸出希望の図書があれば、図書館に問い合わせてほしい。

Q:サピエ図書館の利用など、新着図書目録について、広報課とも協議し、情報提供が円滑に行えるようにしてほしい。
A:サピエ図書はリクエストを受けた際に積極的に活用しており、メールでの情報提供は検討中である。

Q:区内図書館所蔵のカセットテープ図書のCD化を早期に行うとともに、デイジー新刊書の紹介を、区広報誌などでPRしてほしい。
A:カセットテープは、デイジー化がほぼ終了。PRについては方法も含め検討中。

Q:「アイネット」に図書館だより「福耳通信」の原稿を引き続き掲載してほしい。
A:今後も継続して掲載していく。

Q:国立国会図書館等の図書掲載情報の提供について、「合理的配慮」の理念に基づき、便宜を図ってほしい。
A:承知した。

Q:図書館サービスに関わる要件が生じた時には、必要に応じて意見交換ができるよう図ってほしい。
A:図書館サービス利用にあたり、要望や意見をいただければと考えている。

※ 区担当者、及び本会出席者、両方が良好な形で意見を交換しあい、今後の図書館の在り方に期待を抱くことのできる会となりました。




X 区内施設・環境整備・教育委員会意見交換会        窪田 あずさ


 日時・会場 … 8月27日(金) 15:20〜16:00・区役所4階 第2委員会室
 区出席者  … 都市開発部(室井参事・武藤まちづくり調整課長・
         梅原施設課長・近藤施設課事業調整係長)
         文化共育部(白木文化課長・澤田文化課文化振興係長・
         塚田スポーツ振興課長)・生活振興部(永塚地域振興課長)
         教育委員会(関指導主事、小島文化財係長)
         河本障害者福祉課長・三田障害者福祉課計画調整係長
 本会出席者 … Vに同じ


 松本理事長から、タワーホール船堀のエスカレーターの音声案内を7月から機器整備がなされ始まったことに謝意を述べた後、令和4年度に江戸川区支部が幹事区となる都盲協城東ブロック・都委託家庭生活訓練事業の会場事前予約をお願いする事について、挨拶の中で触れました。その後、意見交換に入りました。

1. 城東ブロック・令和4年度主幹事業の会場予約について。
  8月の段階では、2施設の会場利用を何とかしたいとの白木課長の回答があったが、10月に改めて本会に連絡があり、コミュニティプラザ一之江スポーツルームを利用出来ることが内定。関係者のご努力に謝意を申し上げたい。
  各クラブ活動の施設予約も現在活動が円滑に行われていることを報告。

2. 要望のあった音声信号機の設置、及び信号機に繋がる点線ブロックの必要箇所の検証を進めてほしい。(土木部報告参照)
  上記調査に当たっては、エスコートゾーン・音声誘導装置(メロガイド対応)の整備を必要に応じ要望した。

3. 駅ホームにおける安全歩行の確保のため、終日駅員の配置、及び一声掛け運動の継続、歩きスマホの取り締まりなどを、区内鉄道事業者に働きかけてほしい。

4. 令和2年11月に本会会員が東京メトロ東陽町駅にてホームから線路転落死亡事故が発生。「国土交通省報告 ホームドア整備に関するワーキング・グループ」の提言をふまえ、区内各駅ホームドアの早期整備を引き続き働きかけてほしい。
A:小岩駅はホームドアが整備された。京成にも早期整備を要請して行きたい。
  これからも鉄道事業者に働きかけていく。

5. 江戸川区内の史跡文化財等、資料の音訳・点訳を検討して貰いたい。

※ 今年の意見交換会は、総じて区担当者の皆さまが、視覚障害者の活動をより深めていただき、実りの多い話し合いとなりました。




Y 土木部・区内三警察署意見交換会             藤原 美子


 日時・会場   … 9月10日(金) 13:30〜15:30・グリーンパレス(高砂・羽衣)
 江戸川区出席者 … 立原土木部長・田中計画調整課長・中沢施設管理課長
          藤川街路橋梁課長・高橋区画整理課長・佐京保全課長
          環境部(大竹水とみどりの課長・多賀公園整備課長)
          三田障害者福祉課計画調整係長、他職員
          (司会進行:計画調整課計画係 高木)
 警察署出席者  … 小松川警察署交通課 石濱交通規制係長
          葛西警察署交通課  五十嵐交通規制係長
          小岩警察署交通課  市毛交通規制係長
 本会出席者   … 松本・藤原・成田・城谷・井草・窪田・松田(事務局)


 昨年9月に開始された、江戸川区土木部と本会との点字ブロック・音声信号機・エスコートゾーン等に関する合同調査検証会や、現地調査の結果をふまえ、定例の夏季意見交換会が行われました。


☆ 区内三警察署への安全対策諸事項
Q:点字ブロック・音声信号機・エスコートゾーン等の整備について。
A:船堀駅からデニーズには令和3年に音声信号機がついた。エスコートゾーンは追って敷設していく。他は順次検討していく。
(※ これまで要望してきた箇所については、それぞれ整備された順に、アイネット等でお知らせしたいと思います。)

Q:音声信号機は、通りゃんせ型ではなく鳥の鳴き声型・青赤色案内型等、視覚障害者のニーズに対応し設置を検討してほしい。
A:全体に鳥の鳴き声型にするようにしている。

Q:区内の信号機に、視覚障害者のスマホに連動する発信機(日本信号梶jを取り付け、「赤色・青色」と音声で教えるよう整備してほしい。
A:これからに向け最新の情報を取り入れ、検討を進めていきたい。

Q:道路交通法に基づき、区内各駅周辺の違法駐車・駐輪の一層の取り締まりを継続してほしい。
A:違法駐車は取り締まり・注意に力を入れている。駐輪もマナー改善のため朝から取り締まりに努めている。

Q:視覚障害者が安心して移動できるよう、自転車の歩道での暴走や片手運転・違法運転等の取り締まりをお願いする。
A:皆さんが安心して歩けるよう努力している。

☆ 土木部への項目
Q:船堀駅前から船堀3丁目のトヨダビル間の誘導ブロック未整備箇所。
A:9月中に完了する。

Q:7月7日(水)に現地検証した清新町健康サポートセンター前都道と区道接続箇所では、都道・区道の管理域を越えて点字ブロックを改修・整備してほしい。
A:検証し検討する。

Q:区土木部と本会安全対策部の合同調査検証会を継続実施願いたい。
A:11月か12月に、第4回合同調査検証会を予定している。

Q:区内駅前及び繁華街周囲の違法駐車・駐輪の撤去や点字ブロック上の諸物の撤去について、引き続き指導・取り締まりの強化をお願いする。
A:放置自転車は、平成13年には9038台が、令和になり222台となり、引き続き取り締まりを続けていく。

Q:区内の主要な公共施設、区関連施設・各駅周囲・郵便局等周辺の安全確認ブロック・誘導ブロック・階段段端の整備を行って貰いたい。
A:検討していく。

Q:既設の歩道や、花壇植栽箇所の損傷部分の補修、凸凹部・損壊箇所の保守点検保全、速やかな改善補修を行ってほしい。歩車道のマンホール設置箇所の蓋の不具合や水たまり等、雨水の処理等排水溝の整備に万全を期してほしい。
A:出来る所から進めていく。

Q:歩道上の電柱・電話用ケーブル・消火栓等の地下埋設や、交差点付近のポール他諸物の再整理を検討して貰いたい。
A:検討していく。
Q:JR小岩駅南口・瑞江駅南口、篠崎駅京成バス停留所の音声案内装置を都営バス方式に切り替えるよう、京成バス当局に働きかけをお願いしたい。
A:現状維持とのこと。

Q:令和6年度に着工が見込まれる船堀駅前の新区役所並びに隣接する再開発ビルの建設にあたり、点字ブロック・音声信号機・エスコートゾーン・音声誘導装置の整備を図って貰いたい。
A:新庁舎は令和3年3月基本構想ができ設計に入っている。"誰にでも優しい庁舎"を区の理念とし、区民からの意見を取り入れ、誰にでも利用しやすい庁舎をめざしている。新庁舎だけではなく、駅からのアプローチなど、江戸川区全体のユニバーサル化に船堀モデルとして進めていく。

※ 区との土木部合同調査検証会においては、皆様からのどんな小さなことでも日常不便を感じている所をお知らせください。ちなみに北小岩2丁目の蔵前橋通り歩道の敷石の保全・小岩駅南口ロータリー歩道段差の補修保全・一里塚バス停付近の樹木剪定等々、ご協力して頂きました。またこの他に幾つかのご意見を伺っております。順次検証した上、ご要望にそえるように努力したいと思います。小さいながら、皆様のお役に立ちたいと思います。




東京2020 パラリンピック聖火リレー 2021年8月21日 臨海公園につなぎ点火


                               松本 俊吾


 令和3年8月21日の朝は、薄日のもれるまずまずの空模様でした。
 パラリンピックの聖火セレモニーは、聖火リレー関係者や障害者団体・ボランティア等、多くの皆さまのお力添えで、葛西臨海公園の観覧車前広場で、盛大に開かれました。

 江視協は四半世紀にわたり、車いすの障害者と視覚障害者・ベビーカー等利用の健常者が、譲り合って安心・安全に通行できるゼロ段差の歩車道の整備を目指し、江戸川区土木部と連携し、取り組んで参りました。この取り組みは「共生社会」のモデルケースとも言われ、私が聖火ランナーに選ばれることに繋がったと聞いています。

 私は障害者団体のうち視覚障害者を代表し、当会の松田慎吾職員にガイドランナーとして付き添っていただき、葛西臨海公園の会場で点火セレモニーに参加しました。

 私は、22歳の時から57年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックのイベントに身を置くことの緊張感を味わい、無事やり遂げることが何とか出来たという安堵感で一安心と言ったところでしょうか。
 この模様は翌22日の読売新聞に掲載されましたので、点火セレモニーの模様を読み取って下さい。

 東京パラ聖火リレー
                 (8月22日・読売新聞江東版より抜粋)

 東京パラリンピックの聖火リレーは21日、都内で2日目を迎えた。千代田、台東、墨田、江東、江戸川の5区で公道を走る予定だったランナーが都立葛西臨海公園(江戸川区)の特設会場に集まり、グループでゆっくり歩調を合わせて聖火をつないだ。22日は国分寺市でセレモニーが行われる。

宇宙から星出さん応援
 この日の聖火リレーには、宇宙飛行士の金井宣茂さん(44)と大西卓哉さん(45)も登場した。国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の星出彰彦さん(52)も、事前に録画した映像をロボットの液晶画面に流して参加した。
 星出さんはISS内で手を振ったり、宙返りを繰り返したりしていた。「新型コロナの影響で大変な日々が続いており、世界中の皆さんが安心な日々を早く取り戻せるよう、宇宙からお祈りしています」とのコメントを寄せた。

コンセプト「Share Your Light / あなたは、きっと、誰かの光だ。」に基づいて、この大会を契機に共生社会を実現し、人と人、人と社会との、「新しいパートナーシップ」を考えるきっかけとなることを目指し、原則として「はじめて出会う3人」がチームになってリレーを行います。

トーチに記されている点字
『パラリンピックの4つの価値』
勇気   … マイナスの感情に向き合い、乗り越えようとする精神力
強い意志 … 困難があっても諦めず限界を突破しようとする力
インスピレーション … 人の心を揺さぶり、駆り立てる力
公平   … 多様性を認め、創意工夫をすれば、誰もが同じスタートラインに立てることを気付かせる力


 私は午後6時50分頃に、松田さんの介助を受けて、左に白杖、右に桜の花を模したピンク色のステンレス製のトーチを持ち、宇宙飛行士の大西卓哉さん(茨城県つくば市)から聖火を引き継ぎました。
 聖火は最終ランナーによって、特設の聖火台に点火され、潮騒が微かに遠く聞こえる中に、臨海公園の空高く燃え上がりました。
 江戸川区の斉藤猛区長さんからご挨拶がありました。

 24日の開会式に、この火が国立競技場の聖火台に灯ったのでした。準備の段階から当会の多くの皆さま方に心温まるご支援を賜り、有り難うございました。

 ※ それでは聖火ランナーとして一首
トーチの聖火(ひ) 右手に掲げ 駆け足の 晩夏の薄暮 天高く燃ゆ

 宇宙飛行士・大西卓哉さんと聖火をバトンタッチしたことは、いつまでも脳裏に刻まれ忘れることはないでしょう!!




おめでとうございます


松本理事長 旭日単光章受章


 本会の松本俊吾理事長が、秋の叙勲で旭日単光章を受章されました。長年にわたる視覚障害者の福祉向上のための活動や指導力が、今回の受章に繋がりました。おめでとうございます。読売新聞に取り上げられましたので、掲載します。


秋の叙勲 都内419人
                   読売新聞 2021年11月3日(水)

 秋の叙勲の受章者が発表され、都内からは419人が選ばれた。旭日単光章と瑞宝双光章に選ばれた2人に話を聞いた。

旭日単光章 松本俊吾さん 80 元都盲人福祉協会副会長 (江戸川区)
視覚障害者支援に尽力
 江戸川区で長年、鍼灸治療院を営む傍ら、福祉活動に取り組んできた。
 徐々に視力が失われていく「網膜色素変性症」を患い、幼い頃から弱視だった。愛媛県内の高校を卒業した後に上京し、製菓会社などに勤めた。転機は1977年の秋。視覚障害者向けのラジオ番組に出演した鍼灸マッサージ師の話を聞き、「自分もいつかは視力を失う。手に職をつけよう」と決意した。

 翌年4月に国立東京視力障害センター(後の国立障害者リハビリテーションセンター)に入所。本格的にマッサージと鍼灸を学び始め、卒業後、都の福祉協会の仕事に携わるようになった。

 2003年には江戸川区視覚障害者福祉協会を法人化し、障害者の移動を支えるガイドヘルパーの派遣や養成事業を始めた。このサービスは現在、約130人の障害者が利用している。「視力を失うとできないことが増えると思っていたが、周りの人と協力し、様々なことに挑戦できた」と振り返る。

 今夏の東京パラリンピックでは聖火ランナーも務め、宇宙飛行士の大西卓哉さんから聖火を受け取った。「トーチはずしりと重く、普段会えない人とも会うことができた。叙勲に聖火に今年は忘れられない年になった」と笑顔を見せた。




令和3年度 会員懇談会


                               藤原 美子


 去る9月15日(水)、タワーホール船堀・401号室で会員懇談会が開かれました。成田さんの司会進行で、はじめに藤原が開会の宣言をして、松本理事長の講演が始まりました。

・江戸川区意見交換会報告
各部との意見交換会の流れを説明し、会員・利用者のコロナ感染症発生の際の対処法、及び連絡体制についての講演がありました。
 次に、今後の月例会の予定、そして予定されている10月31日のバスハイクの内容、11月23日の文化祭、来年1月15日の新年会のことなどを説明されました。


 休憩後、フリートーキングとなり、会員の方からのお声

・ いろいろなレクリエーションを決める時、もっと平等に知らせて貰ってから決めて頂きたい。役員だけでの決定はいかがなものか?
・ 旅先で地元の視覚障害者の方と交流できる方法はないか?
・ 古くなったカラオケの機器を何とかしてほしい。
・ 行事の時、事務職員の方の役割分担をきちんとし、臨機応変に周りを見て行動してほしい。
・ 江視協サポートの内容は?
・ 時間外に体調が悪くなって要請を願いたい時はどうしたらよいか?
・ アイネット編集委員からのお願いとして、
  「皆様、ご紹介したい便利グッズはありませんか?」


お楽しみコーナー 「たたいて遊ぼう!」
 ペットボトル、カスタネット、ポリバケツ、麺打ち棒などを使って、「花笠音頭」「炭坑節」「ダンシング・ヒーロー」の曲に合わせて、叩いて叩いて楽しみました。
 最後に、住山さんの閉会の辞で会は終了いたしました。
 皆様、お集まり下さいまして、ありがとうございました。
・ 参加者  利用者19名 ガイド18名 単独2名 事務所3名 合計42名




中央図書館より




 区内図書館には、視覚障害者が利用しやすいような環境作りに、取り組んで頂いています。その中核である中央図書館から、谷一館長のご挨拶と、「福耳通信」をお寄せ頂きました。


 ご無沙汰しております、中央図書館の谷一です。
 新型コロナウイルス感染症防止対策の影響で、年明けから「まん延防止等重点措置」および「緊急事態宣言」が続き、図書館のご利用にも大変ご不便をおかけして参りました。  現在、新型コロナウイルス禍以前と同様の図書館のサービスを提供する事は難しい状況ではありますが、出来るだけみなさまのご要望に添うよう対応させていただきます。

 さて、アイネットの紙面をお借りして中央図書館の長期休館についてお知らせいたします。
 令和4年2月1日(火)から6月30日(木)まで、図書館システムの更新および空調機器と照明器具の交換を始めとする大規模改修工事が行われます。工事期間中はみなさまの安全確保のため、中央図書館内にお入りいただく事が出来なくなります。
 ご不便をおかけしますが、ご理解とご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

江戸川区立中央図書館 館長 谷一英夫


福耳通信

 こんにちは、中央図書館障害者サービス担当の中川です。
紅葉の秋となりました。この原稿の作成時点では、新型コロナウイルスの感染状況も落ち着きを見せており、行動制限が少しずつ緩和という雰囲気になりつつあります。感染対策をしながらの生活ということに変わりはありませんが、すこし明るい兆しが見えてきたことは今後の生活をより楽しく過ごせるような気がいたします。
図書館におきましても、今後もみなさまに安全にご利用いただけるように、対策につとめてまいります。

さっそくですが、今年度製作し完成したDAISY資料の一部をご紹介します。ボランティアの皆様のご協力のもと製作した資料です。

『新訳 メアリと魔女の花』(メアリー・スチュアート/著)は、7年に1度しか咲かない不思議な力をもつ花をみつけた、少女メアリの冒険の話です。魔法のほうき、呪文、魔法学校といったファンタジーの世界を楽しんでみませんか?

『知られざる拓北農兵隊の記録』(鵜澤希伊子/編著)は、自身が東京の空襲の罹災により一家で「拓北農兵隊」に応募し北海道に入植した方による本です。
戦災で家族や生活の基盤を失った人々が北海道の過酷な自然環境の中で開墾を行った事実を「戦争の記録」として世の中に残したいと願い、まとめられました。

 『超能力微生物』(小泉武夫/著)は、世界中の発酵食物を食してきた醸造学や発酵学が専門の著者による微生物についての本です。世界の興味深い発酵食についても触れられています。

 『下町ロケット ゴースト』『下町ロケット ヤタガラス』(池井戸潤/著)の2冊はシリーズの続巻です。ドラマ化された作品でもあり、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。DAISYでもお読みになってみませんか?

ご希望のタイトルがございましたら、中央図書館の担当までお問い合わせください。お気軽に、図書館をご活用いただければと思います。
ご利用を心よりお待ちしております。

住所 江戸川区中央3−1−3 
 電話 3656−6298〔直通〕
中央図書館の担当は私たち5名(中川 津 川原田 新洞 安井)です。




ドキドキのポニーランド乗馬体験


                            成田 貴美代


 9月26日の日曜日、午前10時集合、江戸川視障協の会員10名がさわやかな秋風の中、篠崎のポニーランドにて乗馬体験やニンジンやりに挑戦しました。

 本日はポニーランドからの、今後の課題として視覚障害者の方達にどのような接し方がよいか教えて欲しいという願いに藤原副理事長が主となり、それに応えた江視協会員の参加となりました。

 厩舎の近くの広場に集まり、冨澤副理事長の挨拶に始まり、谷田部園長さんの挨拶、そして職員の方達の自己紹介では皆さん、声に優しさがあふれており、こういう方達でないと馬の世話は出来ないのではと思いました。

 本日はリリーちゃんとごん太君の2頭が私達の相手をしてくれました。普段は小学6年生までの乗馬となっているそうで、馬車はどなたでもOKとの事でした。時間なども決まっているようで、再度来てみたいと思ったら、調べてからの方がよさそうですね。

 最初は触る事からと、恐る恐る近づき触ってみました。
「温かい体温を感じて下さい。声をかけながら触って下さいね」の言葉で、耳や顔、背中へと触って行きました。
耳がピンと立っていてとても可愛いです。鬣や尻尾は固い感じでした。「首筋をなでるととても喜びます。褒めながらなでて下さいね」とも言っていました。

 次は木馬による乗り方の練習です。本番に備え真剣に習いました。上手に教えて下さり、うまく乗れるような気になります。
 さあいよいよ体験です。ごん太君は155センチくらいの高さで、思ったより大きいです。階段を3段上り、ヘルメットをかぶり、右側から鞍に乗り込みます。さすが四つ足歩行ですから不思議な揺れ方で、今日は並足なのでゆっくりのように感じましたが、早く走ったら慣れていないと絶対落馬かなと思いました。
 職員の方達がしっかりと見守ってくれるので、安心して乗る事が出来ました。
 最初は乗らないと言っていた人も、馬に触った事で愛着が湧き、全員が乗馬体験となりました。

 興奮さめやらぬ内に、エサやり体験です。今日は特別に無料ですが、普段は購入してのエサやりと言ってました。ニンジンが大好物でご褒美としてあげるそうです。きれいに洗って細く切ったニンジンをグーの形で持ちながら口に持っていきます。パクっとくわえて、さっと持っていかれるので、ちょっとびっくりでした。

 リリーちゃんとごん太君が厩舎へ帰る時に私達の前を行ったり来たり歩いてくれました。蹄の音がポックリポックリと聞こえ不思議な感じがしました。本当におとなしく、どんなに触られても怒ったりせずに、それでも普段は大人は乗せていないので、今日はなんだか変だなという雰囲気をしてるとガイドさんが話していました。
 ありがとう、リリーちゃん、ごん太君、とても良い体験をさせて頂きました。

 他にもヤギやミニブタもいました。遊具広場や花畑コーナーもあるそうです。
 藤原副理事長の締めの挨拶で終了、それぞれ解散となり、厩舎から離れ広いポニーランドの河川敷に行き皆さんでお弁当を広げ、交流を楽しみました。
 谷田部園長様、職員の皆様、貴重な体験と楽しいひと時を有難うございました。

「コツコツと 蹄の音も さわやかに ポニーの背にて 秋を満喫」

※ 藤原副理事長が参加された皆様の一言感想を伺いましたので掲載致します。
  お楽しみください。

一言インタビュー

☆ 冨澤 豊さん:砂地だから音はしないけど結構揺れるよ。路面と違って蹄の音がしないんだ。前に乗ったことがあるんだよ。
☆ 成田貴美代さん:楽しかった。揺れに任せて、緊張すると余計に硬くなるから任せるといいよ。
☆ 柳田妙子さん:楽しかったー! 遊びに行った時に乗ったことがあるの。心地よかった!
☆ 山口冨美子さん:楽しかった! 揺れが結構あってお尻がクックとなるんだ。おしりがツルツルしたよ。美子ちゃん、ちょっとお尻触らしてね。
☆ 窪田あずささん:子供の頃に乗ったことがあります。怖かったです。今回も怖かったです。何回か落ちると思いました。
☆ 松田惠子さん:馬の足の運びの知識を知ったのは初めてでした。
☆ 伊東喜代子さん:楽しかった! 駄々をこねてもう一度乗りたかった。
☆ 星野 勇さん:うん、リズムに乗れば大丈夫。四点歩行というのかなー、揺れるよ。
☆ 今井越朗さん:初めての体験で楽しかった。
☆ 藤原美子さん:ビックリ、ルンバのリズムなのだよ。

☆ 今アさん・穴沢さん(広報):目の見えない方も、見える人も、馬に触った感覚が同じだということを知って驚きました。視覚障害者の方のことを少し勉強させて頂けました。本日はどうもありがとうございました。なお、広報えどがわ11月15日号に掲載させて頂く予定です。
☆ ポニーランド谷田部園長:皆様、初めてとは思えない。我々の方がこの対応で良かったのかと思っています。今日の感想や誘導の仕方などを教えて下されば、また今度来て下さる時の参考になります。




築地・浜離宮から遊覧船・浅草仲見世・向島百花園


日帰りバスハイクを楽しみました!


                               松本 俊吾


 秋も深まった10月31日は薄曇りでしたが、タワーホール船堀を8時過ぎに、いつものバスガイドの中蔦さんと運転手の佐藤さん、それに添乗員の土舘さんのコンビで、江戸川区役所から乗車しました8名を加え、今回のバスハイクは23名で出発しました。

 小松川ランプから首都高速道路に入り、あっという間に築地の場外市場の駐車場所に到着し、新鮮な海産物のお店が軒を連ねた場外市場は、日曜日の朝のせいでしょうか、思ったよりすいていました。
 皆さんは新鮮な海の幸を求めて買い物をする人、食堂に入り新鮮な海鮮丼を頂いて笑顔の面々。私は名物のツブ貝と新鮮なマグロのお刺身で、朝から地酒を、友人のIさんとほんのりご機嫌となりました(これは内緒ですよ…)。一度築地の場外市場を訪れたいと思った矢先でしたので、良い機会となりました。

 すぐ隣の浜離宮の恩賜庭園は、絵はがきなどで脳裏に残っている姿そのままに、これを借景にスマホのシャッターに納まりました。そして、園内の小高い丘の石段を上り、売店のお姉さんに勧められるままに名物の瓦煎餅を買い求めて、衝動買いを飽きずにまた繰り返したのでした。
 お店の石段を下り、すぐ近くの遊覧船の乗り場まではうっそうとした深緑の林が続き、桟橋に着き、休む間もなく出船時間の11時15分に間に合いました。
 遊覧船は前に乗船したときの船よりは少し小型の船でした。デッキに上り、隅田川に架かる勝鬨橋の下をまずくぐり、吾妻橋や両国橋の下を過ぎて、隅田公園そばの浅草乗船場に下船した頃から小雨がぱらつき始めました。

 昼食の麦とろ料理のお店に着いた頃は、雨は小やみなく傘をさして10分くらい歩いたでしょうか。麦とろ料理の店内はコロナ感染症の防止の仕切り板がテーブルの前に張られて向かい側に座った冨澤さんの声が小さく聞こえるほどに感じました。
 冨澤さんの司会で、私も一言挨拶をさせて頂きました。
三段重ねのお重には、煮物や酢の物と新鮮なお刺身が食欲をそそり、仲居さんがメインディッシュの麦とろを配膳する頃には、乾杯のビールの喉越しも良く、私は冷酒も頂き上機嫌でした。これだけ感染予防の整っているお店は初めてでした。
 約1時間の楽しい食事時間はあっという間に終わり、三々五々仲見世での買物と、浅草寺に参拝する者など、自由散策となりました。私は、中蔦さんに勧められ、雷門そばの名物のジャンボどら焼きをお土産に買い求めました。
 観音様にお参りの後は、すぐ脇の能楽堂で行なわれていました「懐メロ演奏」で、終戦後流行した「湯の町エレジー」や、「憧れのハワイ航路」等が次々と演奏され、60年前にタイムスリップした気分で聞き入りました。

 向島百花園では、秋の風情を楽しむことが出来ました。中でも、句碑や歌碑が花壇の中に立ち、私は石碑の文字をなぞりながら、江戸末期から明治に活躍した歌人に思いをはせる一時でもありました。30分位の時間の散策でしたが、雨は小やみなく降り続き、まさに時雨模様のまま、午後の時間は過ぎて行きました。
 日帰りのバスハイクでしたが、足元の観光地のバスハイクの楽しみ方もあることを感じながら、バスは午後4時半過ぎにタワーホール船堀に到着。早くコロナから解放され、心置きなく飲んだり歌ったりの旅行が待ち遠しい気分になったのは私一人ではないと思います。

 それでは一首、
仲見世の 賑わい懐かしく 観音を背に 老歌手の声 能舞台に聴こゆ


一言インタビュー

☆ 秋田精三さん:楽しかったよー! 麦とろ、おかわりしちゃった。
☆ 星野 勇さん:良かったよー。
☆ 冨澤 豊さん:良かった、楽しかったよ! ビールも飲んだしね。
☆ 今井越朗さん:良かったなぁ! 雨が降ってなきゃ、もっといいんだが。
☆ 松本清二さん:浜離宮も向島百花園も初めてだった。とても楽しい。麦とろご飯もおいしかったよ。




故 渡邊 登様・テイ子様ご夫妻を偲ぶ


                             松本 俊吾


 東京地方が梅雨明けの夏の土用に入った去る7月18日に、長年本会の会員としてご支援をいただいておりました北小岩の渡邊 登 様が、自宅にて病気療養中のところご逝去されました。渡邊さんは享年93歳でした。
 平成29年9月の本会主催の月例会では、ミニ講演をお引き受けいただき、貴重な軍隊時代の思い出話と、趣味のゴルフのエピソード等を、苦労話を交えお話しされました。建築関係の会社を経営されておられたとのことで、人生経験に裏打ちされた内容で、感銘深く伺うことができました。数年前までは、社交ダンスもされておられました。奥様は本会のフォークダンスのご指導を頂いており、ご夫婦で本会の活動にご尽力を下さっていました。誠に残念でなりません。

 渡邊さんのご都合をお聞きし、ご長男が在宅の7月30日午後、北小岩のご自宅を弔問、区役所にお勤めのご長男にも弔意を表した上で、奥様からお聞きしましたのですが、渡邊さんは病院を退院され、ご自宅でお子様やお孫さんに見守られて、安らかに息を引き取られ、天国に召されたとのことです。まさに大往生であったと、ご長男がお話しされておりました。

 ところが奥様のテイ子様が、ご主人の後を追うように9月29日に急逝されたのです。ご長男のお話ですと、心労が重なったことも相まって持病の間質性肺炎で体調不良となり、飯田橋の逓信病院に入院加療のところ、2ヶ月後に亡くなられたとのことで、享年87歳でした。10月4日に告別式が小岩の平安祭典でとり行なわれ、本会からもフォークダンスクラブの皆さん始め、多くの方々が弔問されました。
 謹んでご報告申し上げ、改めて渡邊ご夫妻のご冥福をお祈り申し上げます。
夫婦仲睦まじくお話しされながら、私どもの活動を見守って下さい。
 結びにアイネット39号に掲載されました短歌には、夫婦愛を垣間見ることができますので、ご紹介させていただきます。

  光るとも小石がほどの幸せを 語りていくつ夜の更けるまで
  六十年(むととし)の夢のかけらをひろいつつ 生きゆかんかなさやかにふたり
                                 合掌




月例会報告




 月例会は今年度もコロナ感染症の状況に合わせた開催となっております。6月の第1回開催後、7月16日に予定していた第2回は、感染拡大のため中止となりました。9月・10月は朗読とミニ講演のみでしたが開催できましたので、ご報告します。可能であれば、今後「えどもサロン」も開始したいと思います。

【令和3年度】
第3回月例会
 (1) 日時 … 9月24日(金) 13:30〜14:30
 (2) 会場 … タワーホール船堀 4階 研修室
 (3) 会務報告
 (4) 朗読    @ 安部龍太郎著「道中四景」  風の会:佐藤政子
         A さくらももこ著「夢が叶った悪夢」 風の会:原 尤子
 (5) ミニ講演
   「好きに生かさせてもらった私の人生」
       藤原美子(本会会員)

第4回月例会
 (1) 日時 … 10月22日(金) 13:30〜14:30
 (2) 会場 … タワーホール船堀 4階 研修室
 (3) 会務報告
 (4) ミニ講演 … 朗読 芥川龍之介著「蜘蛛の糸」  多田正見前区長
 (5) 朗読    @ 大野萌子著「言いかえ図鑑」   風の会:田中紀恵子
         A 木内 昇著「スペインタイルの家」 風の会:八幡由美子

【今後の予定】
第5回:12月17日(金)
第6回: 2月18日(金)
第7回: 3月18日(金)
※ 会場はいずれもタワーホール船堀・4階 研修室


好きに生かさせてもらった私の人生

                             藤原 美子


ご幼少のみぎり
 昭和23年4月7日、江戸川区逆井2丁目(今の平井)で生まれました。母は代々そちらの方の人で、父は栃木から出て来た人でした。私が物心ついた頃には、今のスーパーのような何でも売っている商売をやっていました。元の職業は納豆屋の卸しで、住み込みの店員が大勢いました。私が3つ4つの頃、父は湯島の坂で倒れ、運がいいことに母の同級生が先生をしている小松川の一盛病院に運ばれ、半年ほどで退院できました。病名は狭心症で治療法はなく、ぶらぶらしてイライラしない事が大事で、父はそれをしっかり守りました。父は私を連れて出歩くことが仕事のようになっていて、私は子供の頃から浅草や上野に行き、女剣劇・漫才・落語を見たり、ちょっとご褒美というと花屋敷でした。

 小学校に上がる朝、私は母のおっぱいから離れられず、おっぱいを学校に持って行きたいと言いました。母は私の手を握り、「このおっぱいはみんな美子のおっぱいだから、帰って来るまでちゃんとしまっておくよ。帰って来たら、思い切り飲めばいい」と言ってくれ、それ以後、私はおっぱいを飲まなかったと思います。

 小学校2年生の終わり頃、近所の多江子ちゃんが、「私、小松川橋の下で拾われたんだって」と言うんです。「あたしもよ」と答えると、多江子ちゃんが1軒おいて隣の「里(さと)枝(え)ちゃんもそうなんだって」と言い、「こりゃ大変だ」と3人で小松川橋のたもとまで一生懸命走りました。草ぼうぼうの土手をよじ登り、下を見ると、橋の下に縄を張って洗濯物が干してあって、その下にいたステテコ履いたおじさんが私達の方を見てニタっと笑ったの。私達がそこからどうやって家に帰ったのかわかりませんが、それ以来その話は一切していません。

 3年生になる春、一緒に遊んでいた多江子ちゃんが「お習字に行くから帰る」と言うので、「お習字って何?」と聞いたら、「ヨッコちゃんのお父ちゃんがいつも書いているあれだよ」と言います。「私も行きたい」と母に言い、近所の山口先生の所に行きました。その日からお習字が始まり、先生は途中で亡くなられて違う方になりましたが、今も続けています。そして小学校を無事に卒業しました。父の浮浪雲のような生活は私が離れても続いていました。


乙女のころ
 私は中学受験をしたんです。学校を受けに行く時に平井の駅で会った方と、今もずっとご縁があります。入学式の教室に行ったら、私の後ろに彼女がいて、それからずっと仲良しなんです。彼女は60歳の時に白血病になり、今も闘っていますが、調子のいい時には、手作りのものをポーチに一杯入れて会いに来てくれます。それをぶら下げることで、彼女が元気でいることを願っているんです。

 思春期の頃は、色々なことを思うものです。私はその頃から詩を書くことに没頭するようになりました。鉛筆を持ってノートに向かっていると、先生は熱心な子だなと思っていたようです。学校には楽しく通い、あんみつ屋さんの常連でした。受験の日に出会った優子ちゃんとは、お互い別々に遊んだあと、いつも駅前の本屋で立ち読みをしながら待ち合わせ、平井の商店街の林家という甘いもの屋さんで、最後の締めのところてんを食べてバイバイをする。そんなふうに過ごし学校を卒業しました。その後しばらくはお店を手伝っていました。


結婚
 近所のタイル屋のおじさんが、父に話があると訪ねてきて、「うちの職人の徳夫とお前の結婚まとまったぞ。徳夫がお前のことが好きで好きで、今日話を通しに来たんだ」と言います。徳ちゃんの兄弟やご両親は、出稼ぎで時々来ていたので、私も何度も会ったことがあって、あんないい人達の家族になれるならいいなと思い、お引き受けしました。「好きなように生きていいよ」と言われたので、益々徳ちゃんの所にお嫁さんに行きたいと思い、結婚しました。2人の子供を儲け、昭和51年に平井から西篠崎に越しました。主人は独立した時に人を使ってタイル業をやりたかったようですが、私が「お父さんの稼ぎで私がグルグル回してやっていくから、個人事業主になって満足して下さい」と言ったので、それでずっとやってきました。


失明
 51歳の時、春に兄が亡くなりました。私はその頃2年ぐらいずっと調子が悪くて、最終的に卵巣嚢腫と分かり手術で取りましたが、1163gもありました。その年の11月、あんまり目がチラチラするので、二本松眼科に行きました。「孤発性の色素変性症で、白内障も手術のしどき。この白内障を取ると、スッキリ見えるよ」と言われ、私は一も二もなくお願いしました。2泊3日で手術したところ、眼帯を取ったら真っ暗で、3週間通っても治りません。ある日、母が私を外に連れ出してくれた時、目の前に膜がかかり益々暗くなった感じがして、恐怖を覚え、家に連れて帰って貰いました。部屋に駆け上がり、荷物を投げ出し、うわーっとなっちゃいました。そうしたら息子が「母ちゃん、どうしたんだ」と来てくれたので、「お母さんはもうダメだ。目が見えなくなっちゃった。もう何もかもわからない」と言うと、息子がギューと抱きしめてくれて、「母ちゃん、俺たちがいるじゃないか」と言ったんです。それで私は「そうか、悪い所は目だけだ。あとは心も体もキレイ。頑張っていれば、こんな子供がいるんだから立ち直れる」と思い、頑張ってきました。今から3年ほど前、息子に「あの時、ああ言ってくれたよね」と言ったら、「俺、そんなこと言った覚え全然ない」との返事でした…。

 それから母や家族、友人に頼ってきました。戸坂美智子さんは娘の同級生のお母さんで、私が見えなくなったことを知ると、すぐに資格を取り、私のガイドをしてくれるようになったんです。本当に子は宝物だなと思いました。
 出来ることをやっている自分が一番だと思い、自分の時間をフルに使って、ピアノ、陶芸、コーラス、社交ダンスなどいろんなことをやってきました。ある時、娘が人生大学があると言うので、行ってみようと思い、国際コミュニティ学科に入りました。今、風の会にいる松村さんとは人生大学で出会い、私の本を読んでくれるようになりました。それからパソコンを習わないといけなくなり、江視協のパソコン教室に行き、そこで文化祭やアイネットに誘われ、今こういう所にいることになりました。


別れ
 私の67歳の誕生日の4月7日、主人の朝ご飯をテーブルに置いて出かけました。帰宅し、夕方娘も仕事から帰り、「あら、お父ちゃん、ご飯食べてないんじゃない」と言うんです。私は、作った朝ご飯を食べずに、また吉野家に行ったんだと思いました。娘が「それにしてもどうしたのかしら、まさか死んでるんじゃないよね」と見に行ったら、「お父さん大変、冷たくなってる」と言うんです。私は酸欠状態で、目がチカチカするような状態になっていました。救急車が来て、「お母さん、お父さんは亡くなって大分時間が経っています」と言うので、「えっ、昨日までピンピンして働いていたのに、そんなにすぐに死んじゃうものですか」と言ったんです。その後、小岩警察の方が来て、いろいろ質問に答えました。その人が帰る時に、「お母さん、生きている人が大事ですからね。しっかりして、うんと幸せになって下さい」と言い、お父さんを検死しなければならないと連れて行きました。それから色々なことが慌ただしく過ぎて行きました。息子や娘、お嫁さんやお婿さんに支えられて今があると思います。出前ボラで子供達に、「今までで一番悲しかったことは」と聞かれると、「お父さんは笑って右手を顔の所にあげて死んでいたそうだけど、その顔が見られなかったのが一番悲しい」と答えます。


これからも
 「お父さんはどんなふうにして私が生きていたら一番喜ぶのかな」と思い、今やっていることをそのまま続けることにしました。人生大学にお習字の大家がいて、目が見えなくてもやってみないかと言われ、失明してから10年やめていたお習字をまた始めました。その先生とは志が違いお別れしましたが、51歳まで習っていた昔の先生の所に戻り、今に至っています。
 今再び、人生大学のまちづくり学科に通っています。この学科や江視協の安全対策・土木部との検証会がすごいので、こういうことを全部繋げて、いつか皆さんに発表できたらいいなと思っています。皆さんも人生大学に行ってみようと思う方がいたら、絶対に素敵な世界が広がります。
 私は目が不自由になったことによって、いろんな事に挑戦したり、こんなに素晴らしい人達に出会えました。自分がもし晴眼者だったら、山本さん、美智子ちゃん、門脇さんのように人のために出来ただろうかと自問すると、出来なかったと思います。目が見えなくなったことで、ちゃんと皆さんにやって頂いていることがわかる自分に、神様・仏様が一歩近づかせてくれたと思います。
 会長も一生懸命頑張っていて、支給量交渉も命がけでやってくれています。会長あっての今の江視協に入れて貰って、色んなことを考えさせてくれているこの状況が、私には一番幸せなことと思っています。

※ ボランティアの山本国子さん、鈴木洋子さんに助けて頂き、無事に講演を終了することができました。




都盲大会&城東ブロックコンサートに行って来ました!


                             藤原 美子


☆ 第53回 東京都盲人福祉大会 ── 八王子市大会2021 ──

令和3年10月13日(水) 10:00〜16:30  J:COMホール八王子
 本会、利用者・ガイド合わせて18名の出席でした。

 第1部・式典に続き、第2部・議事、第3部が芸能コンクール。
 わが江戸川区からは関守幸男さんが「長良川艶歌」を歌い上げました。
 関守さん、ありがとう!

 第4部・西川悟平さんによるピアノコンサート? さだまさしもビックリのトーキングライブでした。7本指のピアニスト、ウィットに富んだお話に引き込まれ、アッという間のエンディング。

 来年の次期大会開催、世田谷支部のお知らせがあり、閉会の辞では、八王子にちなんで、3・3・8拍子となりました。
 朝から雨の中、ご出席の皆様、ありがとうございます。


☆ 城東地区盲協連絡協議会 令和3年度 交流演奏会  (幹事:荒川区)

令和3年10月27日(水) 13:00〜16:00  ムーブ町屋 ムーブホール
第1部  開会式
  各支部長挨拶  江戸川は松本会長がご挨拶しました。
  利用者さん、ガイドさん、合わせて15名が参加となりました。

第2部  皆で楽しむ 服部こうじ 演奏会
  三味線とギターと楽しいお話で、アッという間に時間が過ぎました。
  われわれもマスクをしながら、知っている曲を口ずさんで楽しみました。

第3部  閉会式
  次期当番区は江戸川区です。
  来年のお約束をして閉会となりました。


城東ブロック 家庭生活訓練報告

                        女性部長  住山 浩子


 コロナ禍での開催のため、参加人数に制限があり、女性部の山口さん、柳田さんと住山が全回参加し、北澤さん、成田さん、橋谷さん、松田さん達には、希望通り来て頂く事ができず、本当にすみませんでした。来年は、みんなで参加出来る事を願っています。

1.コーラス

 サンパール荒川で、津田先生のご指導で、懐かしい童謡・唱歌・歌謡曲等を、久しぶりに歌って来ました。このホールは千人も入れる大ホールでしたので、希望する方、全員参加出来ました。

 江東区・扇橋の障害者福祉センターでは、泉水先生の指導のもとで、山手線の駅名を、東京、神田と順に、鉄道唱歌のメロディで歌いました。
 この山手線の歌のCDがありますので、ご希望の方は、住山までお申し込み下さい。ちなみに「脳トレ」にいいとおっしゃっていました。



2.リズム体操

 アクロスあらかわで、神保先生の指導のもとで、3回行われました。先生はパラリンピックのお話を交えて、肩の運動の時は「クロールで」とか「背泳ぎで」などと言って、楽しく進めて下さいました。最後の回は歌に合わせ、3拍子の歌、4拍子の歌を歌いながらの運動。例えば両手で、「頭、肩、膝上、拍手」と4拍子の歌に合わせて運動しました。
 最後に3つの運動を家庭でやるように指導して下さいました。
 その1 起立姿勢で椅子に軽く手を添えて、右足を右に開き、そこに左足を付ける。また右足を右に開き、左足を右に寄せ、つま先をちょいと付ける。今度は、左足を左に開き、そこに右足をそろえ、また左足を左に開き、そこに右足のつま先を付ける。この横の動きを30回やるようにと言われました。

 その2 立って、つま先立ちと、かかとで立つことも30回やります。
 その3 いわゆるスクワット。ゆっくりとおろすように、けっして膝が足の前に出ない事が大切と教わりました。  (ご質問がありましたら、住山まで)  これらの運動を体力に合わせ行い、このコロナ禍を乗り切りましょう。




暮らしのア・ラ・カ・ル・ト




1.簡単おいしいクッキング

〔藤原美子さんのレシピ〕
電子レンジで簡単に!

◎ サツマイモカナッペ
   サツマイモ1本をよく洗って1センチ厚さの輪切りにする。
   4枚ほどお皿に並べてラップをかけ、5分ほどレンジにかけていただく。
   チーズのほかにハムなどをのせてもおいしいよ。


◎ ピザみたいなパン

材料    食パン6枚切り1枚 牛乳30〜40cc ピザ用チーズ
   食パンは軽くトーストし、一口大に切る。
   それをお皿に並べて牛乳をまんべんなく振りかける。
   その上にピザ用チーズをのせ、軽く混ぜ合わせる。
   ラップを上から軽くかけて、2分ほど電子レンジにかける。
   おいしいのよ、やってみて! パンの耳だけでもできますよ!

◎ 豚もやし
材料    豚肉薄切り200〜300g もやし1袋 ポン酢など
   大きめのお皿にもやしを乗せ、豚肉を食べやすい大きさに切って並べる。
   ラップを上から軽くかけて、3〜4分ほど電子レンジにかける。
   アツアツのところに、ポン酢でも良し、酢醤油でも良し、お好みのタレでどうぞ。


2.便利グッズの紹介  **日常生活に役立ちます**


リズム(RHYTHM) 目覚まし時計
 音声報時機能を搭載した、さまざまなシーンで活躍するトラベラータイプのデジタル電波目覚まし時計です。ボタン操作等により、音声で時刻をお知らせ(報時)します。音声での時刻お知らせ機能を最大限に活かせるように、蓋を閉じた状態でも使える配慮をしています。
   価 格  : 3,850円(税込み)
   大きさ  : 95×70×21mm(閉じた状態)
   重 さ  : 110g
   メーカー : リズム(RHYTHM)
          電話0120-557-005


〔城谷直人さん・お勧めグッズ〕

みずいろクリップ (液体の注量と色が判るスマートクリップ)

 本体上部にあるカラーセンサー部を色が知りたい対象物に押し当て、スイッチを入れることで、その対象物の色を音声にてお知らせします。判別色数は22色です。コップにお湯を注ぐ時や、鍋に水を張ったりする際、本体の下部に液体が接触するとアラーム音を鳴らしてお知らせします。インスタント食品などを調理する時に便利なタイマー機能もあります。

価格  : 6,963円(税・送料込み)
 大きさ  : (長さ)131×(幅)20×(奥行)37mm
 重さ  : 約34g

 メーカー : 株式会社Raise the Flag
        電話087-887-5373




えどもう歌壇




〈藤原 美子〉

    暑い夏 一雨降りて 秋連れて パラリンピック またいつの日か
    秋風と ススキとトンボ 靴の音 澄んだ河原に 鉄橋ひびく


〈井草 恵子〉

    一年も 月日が過ぎ去り コロナ禍で いつまで続く マスク生活
    はつらつと 地面を蹴飛ばす スケボーの コロナを忘れる 若者の汗
    争いも コロナもなくなれ 東京の 夜空に浮かぶ 大輪の花


〈和田 彰〉

    走る道 頬に伝わる 秋の風 並びて聞こゆる こおろぎの声
    燕尾服 君と踊らん 今宵また 心に楽しき 魅惑のワルツ
    歌を聞き 歌を覚えて 歌う我 心伝えん 君が心に


〈長谷川 とくよ〉

    音楽の 大好きなりし 君なりき 渡邊登氏 天におわすや
    うしろより 君の歌声 聴こえたり フルートの音の 響くホールに
    しとど降る 雨に大地も 清まりぬ ふっとばすべし コロナの菌も


〈松本 俊吾〉

    トーチの聖火 右手に掲げ 駆け足の 晩夏の薄暮 天高く燃ゆ
    仲見世の 賑わい懐かしく 観音を背に 老歌手の声 能舞台に聴こゆ


〈成田 貴美代〉

    コツコツと 蹄の音も さわやかに ポニーの背にて 秋を満喫
    柔らかき ピアノの音色 響かせて 七本指で 心伝えん
    面白き 話に笑い さりとても ピアノを弾けば 心うっとり


〈松田 惠子〉

    なじみこし フォークダンスの メロディに 偲ぶやさしさ テイ子先生
    多(さわ)さわと 咲きしあかきの 鶏頭や おどるが愛(は)しく 秋風受けて




編集後記


 秋本番、読者の皆様は、食欲の秋、スポーツの秋、どちらを楽しまれておられるでしょうか
 私も左近川や新川を散歩して日ごろの運動不足を解消しています。

 先日は初めて篠崎のポニーランドを訪ねポニーのごん太君に触らせてもらい、乗馬を体験しました。鬣にも触り、ああこれが鬣なのかと実感しました。
 皆様も体験に出かけては、いかがでしょうか?

 情報誌アイネットも第44号の発行となり、夏の区役所との意見交換会報告や、松本会長の貴重な聖火ランナーの体験談、ポニーランドの感想、日帰りバスハイクの報告、城東ブロックの行事報告などいろいろ掲載しております。
 皆さまからの投稿もお待ちしております。感想なども寄せて頂ければ幸いです。
                                 (N)

情報誌編集委員
      井草 恵子  金子 曜子  窪田あずさ  鈴木 洋子
      成田貴美代  日高真木子  藤原 美子  松本 俊吾  (50音順)




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