第19号トップ


もくじ

巻頭言

平成21年度通常総会レポート

障害者自立支援法改正の要点と視覚障害者外出支援の行方

災害時着用ジャケットの配布と防災手帳の準備進む

江戸川ガイドヘルプセンター便り

湯田中温泉と爽やか志賀高原方面徒歩訓練旅行

【クラブの窓】 コーラス部

江戸川鍼灸腹診研究会10年の軌跡

福耳通信(江戸川区立中央図書館より)

タッチ・ミー・アート

バリアフリーマップ改訂版発行

平成21年度・城東ブロック行事報告
  木曽路をたどる中山道の旅

第13回 合唱フェスティバル イン 江戸川

ブラインドダンス リードさえあれば健常者同様のびのび踊れる

【話題の広場】 福岡会員が新型の点字ブロックを披露
  ユニバーサルデザイン「黒色2本凸線誘導ブロック」

脳卒中の予防十か条

松丸善之さん、水泳2種目で優勝!!

国技館5000人の第九フロイデ(歓喜)を歌う

暮らしのア・ラ・カ・ル・ト

えどもう歌壇

“悲報”中根節子さんを偲ぶ…

編集後記




巻頭言  工藤 博史




 暦の上では、立夏から立秋までを夏に配当していますが、その時期によって初夏、梅雨、盛夏、晩夏などと呼び方が違ってきます。東洋哲学の五行思想では、四季に色を割り当てて、赤を夏に付け、夏を朱夏(しゅか)とも言います。夏を司る南方の神を中国で赤帝(せきてい)と言っていますが、まさしく夏は赤を想像させます。この情報誌・アイネット19号が皆様の手元に届くのは、梅雨明け頃でしょうか。

 さて、平成21年度がスタートいたしました。巷では大手自動車、電機、半導体メーカーでさえも赤字に転落するという、100年に一度と言われる世界的にも厳しい経済情勢の中で、人員削減も実施されています。いわゆるリストラであります。その一方で、生活に密着した、リーズナブル、いやし、健康の関連分野で、高収益を上げている企業も見受けられます。

 そこで私達、視覚障害者の就労状況はどうでしょうか。
 東京都障害者就労支援協議会の策定した「首都TOKYO・障害者就労支援行動宣言」で、「障害の有無に関わらず、働く意欲のある人が必要な支援を受け、いきいきと働ける東京の実現を目指します。」と唱って、四つの宣言を掲げてあります。これに賛同して、平成20年11月に、東京都教育委員会、東京都社会福祉協議会、東京労働局、独立行政法人・高齢障害者雇用支援機構、東京障害者職業センター、東京経営者協会、東京商工会議所、東京都中小企業団体中央会が、20の行動指針を出されました。この中で「行動8」のコラムに、平成19年3月に、全国中小企業団体中央会が実施した、中小企業における障害者雇用実態調査で、受け入れ側の障害者雇用・阻害要因として、@障害者に適した職場がない。A建物のバリアフリー化が進んでいない。B障害者雇用のノウハウが乏しい。C企業が求める知識・技能を有する障害者が少ない。が揚げられています。障害者と一口で言っても、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、発達障害、高次脳機能障害、精神障害等様々で、それぞれの障害特性にあった職場環境が求められます。

 江戸川区視覚障害者福祉協会でも、視覚障害者の自立と共生、社会参加を掲げています。自ら努力し、日々研鑽することで、周りの支援も得られると思います。

 本号では、通常総会、防災会議、ガイドヘルプセンター便り、江戸川区立図書館情報、クラブの窓、徒歩訓練旅行、えどもう歌壇、行事いろいろ、バリアフリーマップ改訂版発行、暮らしのアラカルト、ニュ−スあれこれと、盛りだくさんです。どうぞ最後まで御愛読ください。

 最後になりましたが、5月に国内で新型インフルエンザの感染が確認されましたので、会員の皆様に今後の対応をお知らせします。新型インフルエンザとは、これまでに人に感染しなかったウイルスが、人に感染するようになり、更に人から人へ感染するようになったものを言います。

 症状は、38度以上の発熱、咳、喉の痛み、くしゃみ等の呼吸器症状、頭痛、関節痛、全身倦怠感等が現われます。一般的に発症して、三日程度までが感染力が特に高く、七日程度までウイルスを排出すると言われています。
 感染経路は、飛沫感染(感染した人の咳、くしゃみ、唾などの飛沫と共に、放出されたウイルスを人が吸入することによって感染する)、接触感染(感染した人がくしゃみや、咳を手で押さえたあとや、鼻水を手でぬぐったあとに、机やドアノブ、スイッチなどに触れると、その触れた場所にウイルスが付着することがある。その付着したウイルスに手などを介して口、眼、鼻に触れることにより感染する)。

 予防方法は、帰宅後に十分な手洗い、石鹸を使い、最低15秒位、洗顔を日常的に行うこと、感染者の2メートル以内に近づかないようにする、人ごみや繁華街への不要不急な外出を控える。通勤もラッシュ時間帯を避ける。十分に休養を取り、体力や抵抗力を高め、日頃からバランスよく栄養を取り、規則的な生活をし、感染しにくい状態を保って、お体をご自愛下さいますようお願い申し上げて、私の巻頭言を終わらせていただきます。有難うございました。




平成21年度通常総会レポート  小林 智恵子




 事業所開設5周年を迎えたNPO法人 江戸川区視覚障害者福祉協会の通常総会が、去る5月23日(土)の午後1時20分から3時50分まで、タワーホール船堀・401号室にて開催されました。晴れて蒸し暑い陽気の中、45名の正会員と、付き添いのご家族やガイドヘルパーなど、多くの方が集まりました。

 まず、司会の小野塚さんによる定足数の確認が行われ、新会員2名の自己紹介がありました。また当日は、本会顧問の田島和明先生(都議会議員)、須賀清次先生(区議会議員)がご公務の合間に駆けつけてくださり、お二方から心温まるご挨拶をいただきました。

 さて、伊藤茂副会長の開会の辞の後、松本俊吾会長の挨拶がありました。その中で「事業所開設5周年、本会創立30年、また、今年は文化祭が25回目を迎えます。この節目の平成21年度を無事に乗り切れるように願っています」と話されました。続いて千歳事務局長から、職員の吉川さん、古海さん、鈴木さん、増田さんが紹介されました。

 議長に冨澤豊さん、議事録署名人に松本さんと北澤さんが選任され、議事が進行しました。


【第一号議案】 事業所開設5周年・創立30年記念 第41回東京都盲人福祉大会及び記念祝賀会開催の件

 松本会長から、平成21年11月14日(土)、第41回東京都盲人福祉大会を午前10時〜午後4時10分、江戸川区・タワーホール船堀で行うこと、また、同日、事業所開設5周年・創立30年記念祝賀会(第25回文化祭を兼ねる)を午後5時〜7時30分に行うこと、そして、内容の詳細や記念品のことについては、これから役員会で決定することが提案・説明されました。


【第二号議案】 平成20年度事業報告並びに決算承認の件

 * 事業報告 : 以下、松本会長からの報告です。

 1. 特定非営利活動に係る事業

  @ 公的機関発行の録音物等の発受事業
  A 障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業
  B 障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業
  C ガイドヘルパーのための研修会等開催事業

 2. 本会の運営委員会が実施する諸事業及び活動

  @ 第41回東京都盲人福祉大会開催に向けての準備活動 :第41回東京都盲人福祉大会、事業所開設5周年・創立30年記念祝賀会開催等
  A 視覚障害者の自立と社会参加及びバリアフリー化のための諸活動 :
    視覚障害者の福祉向上のための懇談会(福祉部、土木部、図書館、広報、その他の課)、バリアフリーマップ(SPコード付き)の作成、防災ベスト・防災手帳の配布など
  B 5大行事の開催 : 徒歩訓練旅行(月岡温泉)、バスハイク(茨城方面)、納涼懇談カラオケ大会、第24回文化祭、平成21年新年会
  C 城東ブロック行事への参加による親睦交流(足立区が当番)
  D 本会の組織強化に繋がる諸活動の積極的な取り組み : 区民祭りバザー事業実施、クラブ活動への参加、ボランティア団体による協力など
  E 区内の友好諸団体との交流
  F 区内の障害者団体・上部団体との連絡調整と行事に対する協力
 * 現在の会員数 : 正会員83名、賛助会員29名、会員総数112名
 * 小野塚耕吉総務部長より、通常総会を平成20年5月17日(土)にコミュニティプラザ一之江4F集会室にて開催したこと、役員会は、理事運営委員合同会議を4回、理事会を3回、三役会を3回開催したことが報告されました。
  続いて、毎月発行されている情報連絡テープの内容が、田名後浩子総務から説明されました。
 * 女性、熟年、文化、体育、職業、企画、広報、安全対策の各部長、都盲協担当者の挨拶がありました。
 * 平成20年度 決算報告 :  千歳事務局長から、収支計算書、貸借対照表、財産目録、特別会計等が報告されました。その後、`島三郎監事より、事業内容・収支見通し、正味財産の推移等を含め詳しい監査報告がありました。


【第三号議案】 役員改選の件

 永井宏選挙管理委員長から、立候補を募った結果、松本会長が再選されたことの報告がありました。
 松本会長から、今まで三役会としていた理事会を、常任理事会制に変えることが発表され、理事9名・監事1名と運営委員18名(新役員3名を含む)のメンバーの紹介がありました。


【第四号議案】 平成21年度事業計画並びに収支予算承認の件

 事業計画の中で、松本会長から、節目の第41回東京都盲人福祉大会を成功させるためにも、会員の協力をお願いしたいということと、一人一人の思いや行動の積み重ねによって、視覚障害者の福祉向上・増進に繋げて行きたいというお話がありました。続いて、千歳事務局長から、予算案が発表されました。


【第五号議案】 その他として、松本会長から次のような提案・説明がありました。

 1. 障害者自立支援法見直し問題について : 現在の地域生活支援事業の移動支援が、1年半後に自立支援給付の同行援護に移行すること。それによって、国の施策や指導に多少の不安があること。また3年後に、障害程度区分の見直しがあること。
 2. 記念旅行積立貯金について : 平成23年に実施予定の本会記念旅行に向けて、一口5千円を15回積み立てる(一括納入も認める)ので、参加される方は、8月までに事務所に申し込みをすること。
 3. 賛助会員入会について : 会場の皆さんも含めて、一人でも多くの方にご協力いただきたいという呼びかけ。


 議事は、特に大きな意見・質問はなくスムーズに進行し、第一号議案から第五号議案まで、全て拍手をもって承認されました。
 アイフレンズ代表の鈴木泰子さんの挨拶の後、北澤とみゑ副会長の「役員も、会員も、お互いに協力しあって、良い会にしていきましょう」という言葉で閉会となりました。

 現在、いろいろな課題が山積している状態ですが、障害者自立支援法の見直しを機会に、障害者が暮らしやすい社会になることを強く願っています。




障害者自立支援法改正の要点と視覚障害者外出支援の行方  松本 俊吾




 障害者自立支援法(以下自立支援法と略)が平成18年4月に施行され3年を経過し、国は法律の一部改正を視野に見直しを検討している。本稿では自立支援法のうち特に視覚障害者の外出支援に関わる項目を抜き出し、移動支援事業を主とする制度の変化に、私達がどのように対応していったら良いかを考えてみたい。

 さて、日本は本格的な高齢化社会を迎え、伝統的に日本独自に培われた医療保険制度を軸とする高齢者の介護や障害者の通院・外出は、家族の支えを受けながら行われて来た。また高齢者・障害者が、地域社会の中で自助・共助に育まれて個々の生活を営んで来たことは今更言うまでもない。

 ところが医療と介護を分離し効率的な制度改革の名のもとに、平成12年4月に介護保険制度が施行され、高齢者福祉の増進を目途に新たな制度が見切り発車した。この制度は財源を税金と保険料の2本立てでまかない、利用料の一割負担を採り入れ北欧型の制度を目指したとされており、制度を支える主体を戦前から堅持してきた家族から介護を専門とする人々に委ね、社会全般で支える方式に大きく転換したのである。国は介護スタッフとして専門職である介護福祉士・ホームヘルパー等を養成すると共に、あわせて民間事業者を育成した上で、利用者の個々のニーズに対応して介護現場にスタッフを派遣する新たな制度をスタートさせた。これは正に180度従来から行われてきた高齢者介護のシステムが様変わりすることになった。この介護保険制度は現在施行後9年を経過し、広く国民から受け入れられる制度として定着してきたのである。

 一方、日本の障害者施策を振り返ってみると、平成15年4月の「支援費制度」の導入により、「措置から契約」へとやはり大きな制度変革がなされた。しかし3年後に支援費制度は財源不足から行き詰まり、厚生労働省は障害者自立支援法を施行し、利用者負担(応能負担から定率一割負担)を導入したのである。この自立支援法により、区市町村に於ける支給量のバラツキなどサービス内容の格差が生じる事となり、同時に「障害者の生きる権利を侵害している」と、この制度の見直しを求める運動が全国の障害者団体から起こった。中でも支援費制度では視覚障害者の外出支援は移動介護と呼称され、随時に支給量が利用者のニーズに対応して出されていた。これが自立支援法では地域生活支援事業としての移動支援サービスに内容が変更され、支給量が全国一律ではなく、この点で不公平感が広がってきたことは否めない。この事は福祉制度の公平化の観点からも施行後3年の本年、国が制度の見直しを行う要因の一つになっていた事は間違いなさそうである。

国会の動勢に左右され成り行きが不透明ではあるが、法律改正がなされれば、視覚障害者にとって自由な外出を保障する移動支援事業が、1年半後の平成22年10月に「同行援護」という新たなサービスとして個別給付に移り、居宅介護事業に移行することになる。では、厚生労働省資料から移動支援事業を含め関連する制度の今後の見通しを探ってみよう。


《 障害者自立支援法の改正に伴う視覚障害者の移動支援事業について 》

※ 平成21年4月22日の日盲連「移動支援等連絡会」総会で配布された厚生労働省 障害保健福祉部企画課自立支援振興室長補佐 前田省三氏の資料より抜粋。

1.障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要(抜粋)
@ 利用者負担の見直し
 ・利用者負担について、応能負担を原則に
 ・障害福祉サービスと補装具の利用者負担を合算し負担を軽減
A 障害者の範囲及び障害程度区分の見直し
 ・障害程度区分の名称と定義の見直し(※障害程度区分そのものについても障害の多様な特性を踏まえて抜本的に見直し。平成24年4月1日施行)
B 相談支援の充実
 ・相談支援体制の強化(「自立支援協議会」を法律上位置付け)
 ・支給決定プロセスの見直し(サービス利用計画案を勘案)、サービス利用計画作成の対象者の大幅な拡大
C 地域における自立した生活のための支援の充実
 ・重度の視覚障害者の移動を支援するサービスの創設(個別給付化)等
2.移動支援事業(地域生活支援事業)の個別給付化
【現状】 移動支援について、重度の肢体不自由者や知的障害者及び精神障害者については、自立支援給付とされているが、重度の視覚障害者については、地域生活支援事業(補助金)の中で行われているのみ。
【課題】 地域生活支援事業は、全国一律の基準や利用料で障害者個人に対して給付を行う自立支援給付とは異なり、各自治体が地域の特性や利用者の状況に応じて、サービス形態や利用方法等を柔軟に設定するものである。その実施形態等が各地方自治体の判断に委ねられていることが地域間格差を生む原因となっており、全国的な均てん化を図らなくてはならない。また、その事業量が着実に増加しており、今後とも、持続可能な制度を維持する必要がある。


【改正の方針】

@ 重度の視覚障害者の移動支援についても、地域での暮らしを支援する観点から、自立支援給付の対象とする。
A 視覚障害者の移動を支援する障害福祉サービスとして、新たに「同行援護」を設ける。(同行援護:視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の省令で定める便宜を供与。)

 以上の資料から、この改正法が施行されれば、1年半後の平成22年10月には、現在の地域生活支援事業に含まれている移動支援事業は、「同行援護」という新たなメニューとして自立支援(個別)給付に組み入れられるが、現在のサービス全てを包含するかどうかは不透明である。また4月1日から移動支援の報酬単価が引き上げられたが、ガイド報酬の引き上げを見送っている区市町村も見られる。これは、移動支援事業が義務的経費でなく、補助金の範疇である裁量的経費とされている所に大きな問題がある。導入される同行援護は、視覚障害者の外出をサポートする制度として、既存の通院介助と共に個別給付としての位置付けが確かなものにならなければならない。これに加え、利用者負担の激変緩和措置を継続し、課税世帯の負担額の上限設定額の引き下げを国に要請する事が肝要であろう。

 また現在の移動支援支給量の区市町村間の格差解消には、当然個別給付となるので、利用者が、必要に応じて無制限に自由な外出を保障されなければならない。私達は、一年半後の「同行援護」の位置付けを確かなものにするための運動を、早期に始めなければならない。中央では日盲連が国に、東京都や区市町村の行政窓口に対しては、地域に於ける視覚障害者団体が歩調を合わせて「外出権」の確保のための運動を粘り強く行う必要があることを付記し、この稿の結びとする。




災害時着用ジャケットの配布と防災手帳の準備進む  安全対策部




 区内に於ける視覚障害者の災害時の情報提供や避難誘導などの取り組みについては、従前から多田区長さん宛要望書を提出し、話し合いを継続してきました。特に、障害者福祉課・土木部防災課との意見交換会を加速させ、視覚障害者であることが、一般区民でも一目でわかるような防災ベスト(ジャケット)が、この度江戸川区より本会会員に対し配布されることが本決まりとなりました。また平成21年度中の防災手帳の配布についても、記載内容の詰めの話が進んでいます。
本欄ではその経過と内容を報告しましょう。
 さて、視覚障害者の災害時対策について、区担当者定例懇談会を昨年度後半に4回(11月4日(火)・12月9日(火)・1月22日(木)・3月17日(火))開き、一人暮らしの視覚障害者の名簿による確認や、震災避難時の誘導がスムーズに行われることを目標に、避難場所で着用するベスト及び各自が所持する防災手帳については、平成21年度中の配布に向けて協議を重ねて来ました。
 その結果、5月11日(月)に視覚障害者マーク(青色)が左胸部と背部中央に付けられた萌黄色のジャケット(M〜EL)を本会役員に提示、去る5月23日(土)・タワーホール船堀401号室で開催された通常総会時に、出席者によるサイズを決めるための試着が行われました。このジャケットのデザインや配色は概ね好評で、8月の納涼懇談カラオケ大会には、会員に個々に配布されることになっています。総会に欠席しました会員の皆様には事務所からサイズの確認をさせて頂きました。本会ではこれにあわせ「災害用ホイッスル」の配布も検討しています。
 なお、防災手帳の大きさや記載事項について、現在会員の皆様のご意見や要望を募っています。そして、江戸川区と具体的な話し合いを行い、今年度中にお手元に届くようにしたいと考えています。これとは別に、会員の皆様の地域町会・自治会での防災訓練には積極的に参加して頂き、視覚障害者と地域の人達との人間関係を築くためのコミュニケーション活動にも是非ご協力下さるようお願いし、安全対策部からの報告とします。




江戸川ガイドヘルプセンター便り




── 平成21年 第1号 ──

 平成16年4月に「江戸川ガイドヘルプセンター」が開設して満5年を迎え、移動支援と通院介助を含めたガイドヘルパー派遣実績が、本年4月には月換算で2000時間を越えるまでになりました。そして、障害者自立支援法が見直しされ、ガイドヘルパーさんの報酬単価が引き上げられ、これらの状況変化に対応するために、事務局では新たに2名の職員を雇用することになりました。
 既に5月23日(土)・タワーホール船堀で行われた通常総会では、鈴木真智子さん、増田美智子さんの新職員のご紹介をさせて頂きました。
 現在の登録ガイドヘルパーは82名、利用契約者数はやはり97名となり、開業当初より20%増となっています。
 江戸川区という土壤に育まれ、ボランティア精神旺盛なガイドヘルパーさんにご協力を頂き、視覚障害者の安心安全の外出を支える態勢が、益々しっかりとした形で整備されつつあることを実感できます。
 また、あわせて「声の広報えどがわ」・「声の区議会便り」のCD発受も軌道に乗り、3月には江戸川区より新たにCDコピー機の整備がなされ、事務所内での作業の効率化が図られてきております。さらに5月からは、「みんなともだち」のカセットテープの一部がCDに切り替えられ、発送が始まりました。
 別稿でも触れましたが、「障害者自立支援法」の改正により1年半後の来年10月から「移動支援」の一部が「同行援護」に移行し、当事業所でもサービス提供責任者を複数配置しなければならなくなります。幸い鈴木さんと増田さんは介護福祉士の資格が有りますので、今後の事務局運営は制度改革に対応できる態勢を整備できる状況にあります。当センターは、視覚障害者の社会参加活動を引き続き支援し、皆様に信頼される事業所として、千歳事務局長、サービス提供責任者の吉川さんをはじめ職員の皆さんが、毎日電話の応対や、来所するお客様の相談業務に当たっています。
 業務に関わることや本会の活動等、不明な点はご遠慮なく事務所までお問い合わせ下さい。

e-mail:edomo@hyper.ocn.ne.jp
      問い合わせ先  … 電話(FAX) 03-3877-0089 まで




湯田中温泉と爽やか志賀高原方面徒歩訓練旅行  小島 利一




 会員の皆様、いかがお過ごしでしょうか。このたびの徒歩訓練旅行のご報告をさせていただきます。NPO法人江戸川区視覚障害者福祉協会の平成21年度徒歩訓練旅行が、6月7日(日)・8日(月)に行われ、会員・家族・ガイドヘルパー等参加者46名で、楽しく行ってまいりました。尚、今回旅先にて、4名の会員さん、関係の方々に、突撃インタビューがありますので、お楽しみに。

さぁ出発!
江戸盲号、長野県にいこう!
 天候にも恵まれ、一路長野県を目指し関越道を下り、渋川・伊香保休憩、昼食をとり、今日の注目、志賀高原の横手山スカイレーター・リフトに! なんとスカイレーターが点検・整備のために、予定を変更しリフトに乗車(二人乗り)し、パノラマを一望のはずでしたが、あいにく雲がでてしまい、あまり景色を見る事はかないませんでしたが、思えばここの標高は2300メートルを超えていまして、冷蔵庫の中にいるような寒さでしたが、山の空気を体感しつつ、雄大な白根山を望み、残雪を左右に見て、野生の鹿の歓迎もあり、バスは山道を下り、丸池・蓮池の美しさを鑑賞、散策、自然の“臭い”も感じつつ一日目を終え、湯田中温泉美湯の宿「一茶のこみち」へ。おまちかねの温泉三昧で身も心も癒やされ、指先はシワシワ、何回はいったか! 美湯三昧でした。

二日目のレポートにまいりましょう。
 「一茶のこみち」美湯の宿を後にして、小布施の町並みを散策、おみやげなどを買い求め、おいしい甘味やソフトクリームを食べたりし、バスは上信越道へ。次に来たのは、別所温泉街。北向観音を見学・散策をして、レストラン深山にて昼食をすませ、上田菅平IC近くの会長おまちかねのマンズワインに到着、見学、色々なワインに舌つづみ、いやいや皆さん、頬をほんのりワイン色に、一路、小諸IC〜関越から外環道、首都高へと旅の日程を終わりとしました。
 二日間、ケガや事故もなく楽しく旅を終えることができました。この場をお借りしまして、日頃からお世話になっています、事務局・ガイドヘルパーさんに、感謝を申し上げます。
ありがとうございました。


   【4人の突撃インタビュー】

 @ 工藤 博史さん
Q:工藤さん、今回の湯田中温泉徒歩訓練のご感想をお聞かせ下さい。
A:皆さんの日頃の行いが良く、好天に恵まれ信州の良い旅が出来たと思います。
Q:横手山はいかがでしたか?
A:2300mは東京と温度差があり、ジャケットを着てもかなり寒かったです。
Q:リフトに乗ったと言うことは奥様と二人ででしょうか?
A:二人で乗りました。久しぶりですね(テレ笑い)。信州は空気が美味しくて、都会と違って清々しい気分で、日頃の疲れがとれたようです。
Q:今日(二日目)の観光のお目当ては如何でしょうか?
A:別所温泉の北向観音が善光寺と向き合っていると言うことで是非見たいと思います。そして最後は「マンズワイン」で美味しいワインを戴きます。


 A 坂本 幸枝さん

Q:二日間旅行を振り返って良かったなあと言うことは有りましたか?
A:料理ですが、昨日の昼食、宴会、そして朝食も全体に美味しかったです。
Q:宴会は如何だったでしょうか?
A:みんな歌が上手で素晴らしかったと思います。私は何時も家に一人でいるので、ああいう賑やかで活気の満ちた所で楽しめたことはとっても幸せでした。
Q:坂本さん、お歌がとても上手でしたね。
A:松尾和子さんの「再会」を歌いましたが、私はあの頃の歌しか知らないんです。
Q:周りの人も本当に上手だと褒めていましたよ。
A:有り難うございます。いっぱいお酒を飲んで、ビールを飲んで、普段は出来ない楽しい思い出を残すことができました。
Q:今日はこの小布施で何か買いますか?
A:栗ようかんとか栗の「ラクガン」、そういうのをお土産に買おうと思います。
Q:今日は一日楽しんでください。


 B 植木 清枝さん

Q:アイスクリームを食べているんですね。
A:そうです。栗とみそとブルーベリーが入っていて美味しいですよ。ここ(小布施)では、栗ようかんと鹿の子をお土産に買いました。
Q:昨日の宴会では何を歌いましたか?
A:「恋する大阪」を歌いました。
Q:いい歌だったですね。昨日は何か面白いことがありましたでしょうか?
A:横手山のリフトに乗って、寒くって早く頂上に着かないかと思いました。
Q:協会に入ってどれくらいですか?
A:一年です。
Q:私と一緒ですね。今まで行事に参加しなかったのですが、この間のお花見から私は参加し、楽しくやらせて頂いています。
A:私も入会して行事に参加し楽しく過ごしています。今日一日楽しんで、また明日から頑張ります。


 C 小林 文雄さん(NPO法人八王子視覚障害者福祉協会会長)

Q:思い出に残ることや美味しい味など有りましたか?
A:夕べの宴会はとても楽しかったですよ。僕のガイドさんが、「歌に合わせてバックで踊っていたのにとても感激した!!」と言っていました。芸人が揃っていますね(笑い)。
Q:池田さんと田名後さんのペアですね。小林会長の歌も上手でしたよ。相当月謝をお払いになったんでしょうね?
A:下手の横好きですかね(笑い)。
Q:今回は3回目の参加ですかね。
A:松本さんと親しくさせて頂いている関係で、毎回旅行に誘って頂いて、毎回何か学んで帰りますので、何かしら得るところがあってとても助かってます。
Q:今日の予定は如何でしょうか、お土産などは買いましたか?
A:この小布施で栗ようかんを買い、結構色々買いましたね。
Q:やはり最後はワインでしょうか?
A:そうですね、(笑い)、甘党辛党の両刀遣いですから!


 【横手山ルポ】          松本 俊吾

 今回の湯田中方面徒歩訓練旅行の第1日目の午後、志賀高原を一望する横手山のリフトに乗り、深緑が映え鶯やカッコウの鳴き声を聞きながら、スリルを味わった模様を、手許のメモで再現してみましょう。
 午後1時半過ぎに、一行は横手山に到着。早速スカイレーター・リフト(志賀高原のパノラマ眺望)に挑戦。これは私にとって大変感動的なひと時であった。
 まずリフトに乗るときの瞬間は果たしてちゃんと乗り込めるか家内と不安の中で、係員の素早い動作で、私たちは二人乗りのリフトに難なく乗せられて、ロープにぶら下がったリフト上の人となった。「ビューンビュン」と音をたてながらリフトは頂上に向かって動いている。左から高原の爽やか(寒いくらい)の風を受けて、カッコウの声が聞こえてきた。この瞬間は正に高山に来ている実感である。風が吹く毎に「ゾクゾク」と震えるような寒さと共に揺れるスリルは、これまた恐怖があったものの、感動的であった。
 すぐ前には小野塚さんが職員の鈴木さんとペアで乗っている。また二つくらい後方のリフト座席には田名後さんとガイドの小川さんが続いて来ていた。私は大声で「聞こえますか、ヤッホー!」と声をかけたら、田名後さんから、高音の澄んだ声で「聞こえますよ、ヤッホー!」との声が木霊と共に返ってきた。終点でリフトがUターンする前に、私たちは頂上で待っている担当者によって無事着地した。石段を上りレストハウスで、ジャスミン入りの紅茶を飲み干し冷えた身体を温めて、再度下りのリフトに乗り駐車場のある麓に下った。「外気は15度を下回っていますよ」と、添乗員の松浦さんが応えてくれた。風が冷たいので体感温度は5度くらい寒い感じがする。左側から鶯の鳴き声が聞こえてきた。家内が蕗の薹がでていると教えてくれた。盲人にとってはこのリフトによる上り下りのスリルは、冷気も相まって旅行の醍醐味を体験できたひと時であった。


    【レポーター小島の一口メモ】

 この度、安全対策部を担当することになりました、南篠崎在住の小島です。
 今回初の徒歩訓練旅行参加ですが、なぜか不安もなく、と言うのも、私は盲導犬と一緒に参加し、ガイドさんもお願いして、ダブルガイドで安心・安全。
 旅行記に合わせて、少し盲導犬のお話を聞いて下さい。
 私と盲導犬は昨年の10月1日から1ヶ月間の歩行訓練を終了し、見極めに合格し、晴れてパートナーとなり早7ヶ月です。色々なところにでかけています。
(色々なところ:盲導犬はナビガイドはできません。日頃から目的の場所までの歩行訓練が必要で、繰り返し訓練をして、はじめて目的場所への到着を成功し、盲導犬と歩行するルートを増やしていきます。) 「失敗は成功の元」と言いますが、失敗をし、練習して、成功する繰り返しです。失敗を恐れず前進あるのみで、今年の夏は家族で海に行こうと計画をしています。
 盲導犬イルフィは私の目となって危険物などを回避し、毎日互いに協力して仕事に、日常生活を楽しんでいます。
 我が家には、娘3人いますが、なんと! 一番ゆうことを聞くのは、盲導犬イルフィですね。指示は英語で20語ほどです。何故かというと、英語は男女の区別がないからだそうです。
 盲導犬の世話はすべて私がします。大変と思った事は一度もありません。
 現在盲導犬の貸与を待っている方は、全国で8000人います。一日も早く盲導犬と歩行できますよう、盲導犬育成・普及活動に協力していきます。

湯田中温泉美湯の宿「一茶のこみち」 http://www.yudanakaview.co.jp/




クラブの窓  コーラス部  井草 恵子




 前号までのクラブ紹介に引き続き、本号から各クラブ・同好会の活動を、より詳しく会員の皆様に紹介します。
 コーラス部は、毎月第1・第3木曜日に東部フレンドホールにて、午前10〜12時まで行っています。主な活動内容は、毎年11月の文化祭へ向けての練習です。代表の藤田さんを中心に、毎回熱のこもった練習が繰り広げられています。部員の1人でもある私自身、思わず感心してしまうほど・・・。その真剣な眼差しは、目を見張るものと言えましょう。レパートリーが増えるたび、部員達の喜ぶ顔が目に浮かびます。私自身、普段聞く事が少ない童謡、唱歌に触れる事が出来、とても嬉しいです。本格的な発声練習と歌の練習で手厳しい指導を受け、それでも文化祭で拍手を浴びると、それが励みとなります。何しろ、声を出すことは、「脳ミソ」にも大変良いのですから・・・。案外、一度文化祭で歌った歌は覚えているもので、自然と2部合唱で歌えるのです。それが小学校唱歌だったら、なおさらな事・・・。
 現在、「もみじ」、「故郷を離るる歌」、「浜千鳥」の3曲を、11月の本番に向け、部員一同、四苦八苦しながら、猛特訓中です。
 部員の感想は、
◇ 知らない歌を覚えるのが楽しい。(Kさん)
◆ 皆さんの声が聞けて、楽しい。(Hさん)
◇ 来るのが楽しく、心待ちにしている。(Uさん)
 と、それぞれ、満面な笑みを浮かべながら、嬉しい答えが、返って来ました。部員一同、気分は最高です。
 どうぞ、会員の皆さんも一緒に、この体験を味わってみませんか?

  * コーラス 活動日 : 毎月第1、第3木曜  AM10〜12時
         場所 : 東部フレンドホール




江戸川鍼灸腹診研究会10年の軌跡  松本 俊吾




 時の過ぎるのは早いものです。江戸川区に区民が集い多目的に利用できる総合区民ホール(現タワーホール船堀)が桜花爛漫のまっただ中、平成11年3月に開館したことは周知の通りです。そして江戸川区の心温まるご配慮により、同3階の障害者協議室に会員が待ちに待った本会の事務所が開設し、6月の第4木曜日には標記研究会が開講し、あっという間の夢のような10年が過ぎました。そして去る5月21日(木)にタワーホール船堀404号室で行われました研究会で、節目の開講100回目の「伝統鍼灸」の講義をめでたく終えることが出来ました。
 さて、10年前の研究会を立ち上げた時のことを思い起こしますと、視覚障害者の唯一の職業的自立の手段と言われてきました「鍼灸療法」を江戸川区内で継続して指導して頂ける先生を捜したのですが、希望にかなった方がなかなか見つからないことから、当時本会役員の数人の同業者に相談してみました。私が新宿で「鍼灸経絡研究紘鍼会」を主催していたことから、「それじゃあ、やってみましょうか」とまだまだ浅学非才の身ではありましたが、手探りで鍼灸古典文献や、それに関する医学書などを参考に原稿づくりに取りかかりました。そして第1回目の講義が確か「骨粗鬆症」であったと思います。また工藤職業部長がアイネット17号の「研究会紹介」で報告した通り、現在生活習慣病シリーズで糖尿病、痛風、そして100回目で「バセドウ病 その2」を皆さんと勉強したのでした。
 「まあ私としては、精一杯実技を含めて出来るだけかみ砕いてお話ししているんですよ」そして「手から手への手作りの刺鍼法を施してきましたが、果たして充分にできたかどうかは忸怩たる思いなんです。」 そして5月21日に会員受講者とお手伝いのボランティアの方々と共に、記念のセレモニーと夕食会を工藤職業部長のご配慮により催すことができました。
 鍼灸マッサージ業界は今や過当競争の時代に入り、毎年5000人を越える新たな免許資格者が誕生し、視覚障害者の適職と言われてきたこの仕事も、しっかりとした技術を身につけなければ競争に負けてしまうことになります。地域に於いて微力ではありますが、仲間の皆様と共に、これからもこの研究会をもり立て発展させるよう努力したいものです。




福耳通信




 今年の関東地方の梅雨入りは、アジサイが色鮮やかに咲きそろった6月10日でしたが、当日は傘のお世話になることもなく、実感はあまりなかったですね。
 実際に雨が落ちてこなくても、“どんより”“じめじめ”という日が続くと気分もスッキリしません。
湿気は、カセットデッキやカセットテープにも良くありません。
 カセットデッキは、湿気やほこりが音質低下・音量不足・回転むらをおこしたり、火災・感電の原因にもなります。また、長時間の使用でヘッドが汚れると、高音が下がったり、ノイズが発生します。湿気やほこりから守るだけでなく、定期的にクリーニングテープ等を使って、良い状態で長く使いたいものです。カセットテープが頻繁に絡んでお困りの方にも定期的にヘッドをクリーニングすることをお勧めします。
 カセットテープは、カビが発生したり変質してしまうこともありますので、湿気の少ないところに保管し、時々空送りするなど空気を通すことも必要です。
 ところで、最近録音雑誌のDAISY化が進んでいます。カセットからDAISY図書へ利用の移行をお考えの方や、すでにプレクストークなどのDAISY機器をお持ちの方で使い方に不安のある方は、是非中央図書館へご相談ください。DAISY図書は専用の機械(プレクストーク等)を使えば簡単な操作で聞くことができます。
 中央図書館にもプレクストーク(PTR-1,PTR-2)をご用意しております。事前にご連絡いただければ、基本的な操作説明を行い、実際に操作を体験していただけます。既に使われている方からは、「読書がより身近になった」「覚えてしまえばカセットより便利」「取り替えや裏返す必要がなくなり、寝る時も手放せない」「カセットと違い、絡む心配がなく安心して録音図書を聞ける」等の声が寄せられています。
 リクエスト等ございましたらお気軽に担当までご相談ください。

       住所  江戸川区中央3−1−3
 電話 3656−6211〔代表〕
中央図書館の担当は私たち3名(秋山 藤村 高津)です。

江戸川図書館 https://www.library.city.edogawa.tokyo.jp/




タッチ・ミー・アート  田名後 浩子




 今年も恒例になりました、第二松江小学校5年生の「タッチ・ミー・アート」の作品を3月2日・16日(月)の両日、グリーンパレスに持ってきてくださいました。
 指導してくださった広瀬幸枝先生は美術の先生ですが、4年生の時には「命」の大切さを、5年生では「視覚障害」について子供達を指導し、5年生最後の作品に視覚障害者にもわかる手で触る「絵」を作り、実際に視覚障害者である私達に披露してくれます。
 布・砂・ラップ・ベニヤ板・綿・フェルトetc、様々な素材を使って「好きなこと」をテーマに作られています。サッカー選手・野球選手・パティシエ・パーマ屋さん・ペットトリマー・ゲーム、読書の好きな子は点字の本を作って張り付けてありました。
 子供達の「夢」を描いた作品はどれも力作で苦心したあとが伺えます。初めは、緊張した面持ちで、「右利きですか?左利きですか?」から始まり、利き手を優しくとって作品を触らせてくれます。
 好きなものや、熱中しているもの、苦労した所などを聞いていると、子供達が熱心に作品を作っている姿が浮かびます。説明を終え、緊張もほぐれて雑談していると終了時間。「えーっ、もう終わり? もっとお話していたいのに。これから、いいとこなのに。」との子供達の無邪気な声。楽しい時間はあっという間に経ってしまいます。
 「ベニヤ板を触った時にトゲが刺さらないように、サンドペーパーでツルツルに仕上げました。」と、言う子供達の相手を慮る優しい気持ちをいつまでも忘れずにいてほしいと願います。
 来年はどんな作品を持って来てくれるのか、とても楽しみです。広瀬先生、もう6年生になった第二松江小のみなさん、ありがとうございました。
 ※ なお同日、リズム運動も並行して行いました。

 広瀬先生は4月に第四葛西小学校に転勤され、視覚障害に関する指導を続けられています。読売新聞に取り上げられた記事を次に掲載します。


児童が学ぶ視覚障害
江戸川・第四葛西小 年間テーマに

 江戸川区立第四葛西小の5年生児童が、4月から視覚障害に理解を深める学習に取り組んでいる。図工や音楽などの授業で、点字の名刺を作ったり、全盲のピアニストとして知られる梯剛之さんのCDを鑑賞したりする予定だ。区教委によると、年間を通して視覚障害をテーマにしたカリキュラムを組む小学校は珍しいという。14日には、視力をほとんど失いながら子育てをしてきた区内の主婦を招き、体験談に耳を傾けた。
 同校は、小学校では都内に9校しかない弱視学級の設置校。健常者の児童が視覚障害を抱える児童と交流を図る機会もある。こうした特色を踏まえ、5年生の児童133人が今年度、音楽や図工、道徳などの授業で、視覚障害について学ぶことになった。企画した広瀬幸枝教諭は、「視覚障害者について、つい目をそらしてしまう児童もいる」としたうえで、「障害を通じて命の大切さを考えたい」と語る。4月の図工の授業では、視覚障害者の気持ちを想像するため、アイマスクをした状態で様々な物に触ったという。
 この日は、妊娠中のストレスなどが原因で緑内障にかかり、ほぼ視力を失った主婦田名後浩子さん(北葛西)を招いた。離乳食をあげる時などに苦労したことや、電車で座っていて「年寄りが立っているのに」とどなられるなど、つらい思いをしたことを打ち明けたが、点字を習得して「世界が広がった」という。現在は、視覚障害者にパソコンを教えるボランティア活動にもかかわる。
 「点字ブロックの上で立ち話はやめてね」。自身の体験を語った後、田名後さんがそう呼びかけると、児童たちは真剣な表情でうなずいた。視覚障害者用のそろばんや音声付きの電卓などが紹介された時には、「すごい」と驚いていた。
 今後は、点字の絵本や、通常より大きなサイズの活字を載せた「大活字本」など視覚障害関連の図書を読んだり、社会的に活躍する視覚障害者について学んだりする。夏休みの宿題として、障害の有無などにかかわらず、誰もが使いやすいように工夫されている「ユニバーサルデザイン」の標識などを街中で発見することにも取り組む。広瀬教諭は「障害者から教えられることも多いということを、子どもたちに知ってもらいたい」と話している。(2009年5月15日 読売新聞より)




バリアフリーマップ 改訂版発行




 「ひろげようバリアフリーのわ!」をテーマに、平成16年4月に江戸川区で初めて発行された「バリアフリーマップ」の改訂版が、この4月に完成しました。
 今回の改訂版は、「駅周辺案内図の掲載範囲の拡大」「やさしいお店・施設の内容充実(写真掲載)」などの特長があり、より使いやすくまとめられています。
 作製された5000部のうち視覚障害者に配布される500部は、音声読み上げ対応のSPコード付で、しっかりした用紙で発行されました。初版の時には紙が弱く、このコードを何回か読み上げさせると使用不能になってしまうといった問題点がありましたが、その点も改善され、長い間使うことが出来そうです。
 前回に引き続きこの改訂版発行に際しても、本会の会員が利用者の立場から「やさしいお店」の紹介などの情報提供や実地調査で協力し、小岩エリアのサンサール(インド・ネパール料理レストラン)、葛西エリアの美容室カスカータなどが、新たに掲載されました。
 このマップを活用して「やさしいお店」に出かけたり、大いに外出をお楽しみ下さい。実際に「バリアフリーマップ」を使ってみた編集委員の成田貴美代さんの感想を以下にご紹介します。

  「バリアフリーマップ改訂版をスピーチオで聞いた感想」  成田貴美代

 改訂版では500部程、紙質を厚くして頂き、スピーチオで挟んで聞くにも使いやすくなりました。また男性音と女性音をそれぞれに使い分け、とても聞きやすくなっています。エリア別に分かれていて、駅や施設・やさしいお店などと探すのもとても便利になりました。
 よく利用する西葛西駅を出して聞いてみました。北口・南口について、それぞれのエスカレーターやエレベーターの所在を示し、車いすトイレの場所や都バスの行き先などが詳しく案内されており、外出時には安心かなと思いました。
 バリアフリーマップですから、色々な障害に対して配慮は当然ですが、晴眼者の方が見てもカラフルに出来ており見やすいという事でした。
 出来るならばA4サイズではなくB5サイズで、持ち歩きたいというのが希望です。江戸川区役所・都市開発部の職員の皆様、有り難うございました。

バリアフリーマップ:http://www.city.edogawa.tokyo.jp/16_barri/index.html




平成21年度 城東ブロック行事報告




 平成21年度・城東ブロック行事が荒川区視力障害者福祉協会(高橋悦子会長)の幹事にて実施されています。まず女性部を中心に「家庭生活訓練事業」のリズム体操がアクロスあらかわ(荒川区荒川2-57-8)で、5月・6月・7月・9月(第2・第4火曜日)の8回開かれています。
 7月2日(木)には、鍼灸マッサージ業会員のための「三療研修会」が同じくアクロスあらかわで行われました。
 また、去る6月15日(月)〜16日(火)に実施されました「長野県昼神温泉と木曽路宿場巡りの旅」には、江戸川視障協から介助者を含め7名が参加しました。この親睦旅行のリポートを成田貴美代さんが楽しくまとめてくれましたので、本欄で読者の皆様にご報告しましょう。
 なお、後期行事(盲人卓球・カラオケ大会)等については、アイネット第20号にて取り上げることとします。


木曽路をたどる中山道の旅  成田 貴美代

 梅雨の合間の二日間、城東ブロックの親睦旅行会に参加し中山道の旅を満喫して来ました。雨もやんだ6月15日の朝、太田道灌の銅像に迎えられ日暮里駅前に集合、一路長野を目指し期待を胸にバスがスタートして行きました。今回の幹事は荒川区、準備もさぞ大変だったろうと察せられます。来年は江戸川区の担当ですから人ごとではないのかもしれません。
 和気藹々の自己紹介も終わり、中央高速へと入り、南アルプスを臨みながら、バスは快調に走り続け、車内ではとんちクイズが出題され皆さんが“よーし”という感じで、張り切って答えようとしています。例題として、「車へんに穴ではなんですか?」の問いに、すかさず「パンク」と声が出ました。皆さん頭が柔らかいです。賞品は5000円の商品券ならぬ5000円と表示された瓦せんべいでした。「車へんに亀を付けると何でしょう?」の問いに、私は「ノロノロ運転」と答え見事正解、賞品をゲットしました。その後、カラオケも始まり、次々と歌われる昔の曲を聞きながら、なんて情緒があるのだろうと感じずにはいられませんでした。誰でもワンコーラスくらいは歌えそうです。皆さんお上手で、相当歌い込んでる感じです。
 バスは諏訪湖を通り、駒ヶ岳の側にある最初の見学となる養命酒の駒ヶ根工場を訪ねました。自然の生薬を配合された養命酒は世界中の人に愛され、皆様の健康の促進に役立っているという事でした。また敷地の70%を利用して、記念館や家族との触れあいの場を設け、カフェテラスもオープンされており、健康の森では散策も楽しめるようになっていました。養命酒の会社名はどこかなと思ったら、そのままで、株式会社・養命酒との事に一つ利口になりました。
 再びバスは走り、菅野台で昼食となりましたが、店前で干しぶどうの売り込みをしている元お姉さんの見事な売りさばきに引かれ、次々とお客さんが買ってしまう様子に見とれ熱心に見学してしまい、これはとても面白い光景でした。
 光前寺では光苔や三重の塔を見学、参道からずっと両側に光苔が植えられて、岩の下に隠れているところは、ぼおっと光っているようで「あ!あそこで光ってる」と指さす人たちがいました。夜などにこれが光っていたら明かりがなくても参道を歩けて便利ではないかなどと想像していました。霊気というのでしょうか、空気がぴりっとして、心地よく汗が引きました。高速を降り一般道に入ると、「ようこそりんごの町へ」と看板が出ており、周りは果樹園が多く、一年を通して果物狩りが盛んに行われているそうです。
 水引工芸館では職人さんが実際に説明しながら腕前を披露してくれました。材料は松の葉っぱを利用して、加工して何枚かよじりながら、ノリを使い水引になるようです。ピンと張ってしっかりと結び、あっという間に鶴の形に出来上がり、熟練された腕前が素晴らしいです。心を結ぶ・輪を結ぶ・縁を結ぶとして心を込めて仕上げるのだと話してくれました。水引というので、お祝いで使うものと認識していましたが、店には値段的にピンからキリまであり、帆掛け船や夫婦鶴に花束など色々飾られ、何百万もする天竜川の竜などもありました。名古屋城をモデルに造った物が飾られていましたが触れないのが残念です。天守閣やしゃちほこに触ってみたかったです。
 いよいよ昼神温泉に到着、ホテル阿智川に落ち着き、早速温泉を楽しみました。この温泉はヌルッとしていて、肌がつるつるになり、気持ちがよかったです。日頃の忙しさも忘れ、しばしの休息となりました。夕食に続き宴会では皆さん自慢のカラオケで交流ですが、バスの中でも感じましたが、何と皆さんのカラオケのうまさにはびっくりです。食事の世話をしている仲居さんが、感心したように「うまいうまい、色々聞いてるけど、ここの人たち、すごくうまい」と言って料理を運びながら拍手したりかけ声をかけたりと、この仲居さんはなかなか面白い人でした。10月に行われる城東ブロックのカラオケ交流会が今から楽しみです。

 次の日は、朝早く散歩に繰り出し、川のせせらぎを横目にぶらぶらと歩いていたら、朝市を開いているところがあり、地元の方達がそれぞれ、自慢のものを色々と並べていました。みょうがを買いましたがこれは竹のようになっていて、初めて見ました。みじん切りにして薬味にすると良いという事です。
 ホテルを8時半に出発、清内路で漬け物屋さんに寄り野沢菜を始めいろいろな漬け物を試食しました。バスは清内トンネルを抜け、妻籠宿に到着、本陣跡やお店などを見学して回りながら、しばし昔にタイムスリップ、歩いて旅をする人たちに思いをはせました。カゴや馬を利用しての旅が今は車ですから、さぞ驚く事でしょう。次の馬籠宿では文豪島崎藤村の生家があり、記念館もありました。これを機会に帰ったらまた著作を読んでみましょうか。馬籠宿での昼食は念願のソバが出され、これはソバを少しずつすくって食べるのではなく大きな椀の中に全部入っていて具もたくさん入り、食べやすくとてもおいしかったです。
 さあ一杯のおみやげを手に東京へ向け、バスは戻って行きます。諏訪湖サービスエリアではハイウエイ温泉があり入浴料は595円と出てました。時間があったら入りたかったです。
 最後に石和の近くのワイナリーを見学、変わったところで、玉露入りワインや牛乳入りワインというのがあり、飲みやすく私はおいしいと思いましたが、ワインの好きな方にとっては邪道でしょうか? 荷物が重くなるのもいとわず、ワイナリーの売り上げに皆さん協力していました。この辺から少し雨が降り出し東京はどうだろうかと心配になります。
 19時頃、日暮里駅に到着、挨拶をして皆さんとお別れをしました。二日を通してよく歩いたなと言う印象ですが元気で帰って来られたのが何よりです。幹事の荒川の皆さんに感謝しつつ家路をたどり、中山道への旅は終わりとなりました。

ホテル阿智川 http://www.hotel-achigawa.jp/


第13回 合唱フェスティバル イン 江戸川  工藤 博史




 去る、4月11日、午後2時より江戸川総合文化センター 大ホールにおいて、「第13回 合唱フェスティバル イン 江戸川」が開かれました。
 当日、受付に行きプログラムを受け取ると、係りの人に誘導されて座席まで案内していただきました。全席自由席にも関わらず、私達、視覚障害者の為に、座席が確保されていまして、お陰様で一階の前席で合唱を聴くことが出来ました。江戸川ホームステイクラブ、並びに、主催者の方々に厚く感謝申し上げる次第です。
 今回は、国内より、同志社混声合唱団、磯辺女声コーラス、女声合唱団さえら、浦安男声合唱団の4団体と、外国からは、遠く北欧の国、フィンランドから女声合唱団・ヴァンターン・ナイスラウラヤの皆様がステージ一杯に素晴らしいハーモニーを披露していただきました。
 音楽という媒体を通して、世界の国々と文化交流が出来るということは、大変意義のあることで、私自身、少年時代、合唱部、合奏部、ブラスバンドと、音楽に携わって来た関係で、言葉は分からなくても、共鳴するところがあります。現に、フィンランド、エストニア、ハンガリーの民謡を聴いて、ノスタルジックに浸ってしまいました。音楽って、本当にいいですね。
 前日にフィンランドから、成田空港に着いたとのことで、疲れた様子も見せないで、最後に全員で日本の代表的な歌、「さくら」を合唱して下さり、素晴らしいハーモニーで感動を呼びました。
 今年は、3月に桜の開花宣言があってから寒い日が続いたせいで、合唱フェスティバル当日まで桜の花も咲いてたみたいで、フィンランドの皆様にも美しい桜が堪能出来たことでしょう。




ブラインドダンス


リードさえあれば健常者同様のびのび踊れる

           『ダンスタイム』(講談社)
            いきいき障害者ダンス探訪記 より

 視覚障害者と健常者、もしくは視覚障害者同士がペアになって踊るブラインドダンス。書けば簡単だが、健常者が想像すると、相当に難しそう。そこで、早速ブラインドダンス歴3年の田名後浩子さんのレッスンを見学するため、東京・新小岩の伊藤金四郎ダンススタジオを訪問した。フロアでは、健常者を含め、3カップルが踊っていたのだが、どこに田名後さんがいるのか分からない。そう、ブラインドダンスの達人は、健常者と同じようにのびのびと踊れてしまうのだ。
 しかし、周りが見えない状態で踊るのは怖くはないのだろうか? そんな疑問に、「相手のリードが正しければ、安心して動けるものなんですよ」と答えてくれたのは、田名後さんのリーダーである池田定道さん。池田さん自身は弱視で、物の輪郭や人の気配は分かるのだという。また、目に障害が現れる前から、趣味でダンスを楽しんでいたのだとか。一方、田名後さんがダンスを始めたのは、失明してから。しかし、目が見えない状態で、どうやってダンスを覚えていったのか?
 「通常は、目で見て覚えることを、私の場合は、言葉で聞いて学びます。たとえばルンバの手の表現について、『指先をキツネの形にして』などと伝えてもらっています。また、実際に、先生のボディ・ストレッチを感じ、ポーズをイメージするようにもしています」
 ここまで踊れるようになるには、相当なレッスンが必要だったのでは? 「週に3回2時間、レッスンしています。池田さんは厳しいリーダーで、5ヵ月間で9キロもやせましたよ(笑)」
 その努力の甲斐あって、2008年に行われた第3回全日本ブラインドダンス選手権大会(日本ブラインドダンス協会主催)では、見事、優勝した。
 田名後さんは、失明してからダンスと出会うまでの約20年、思い切り身体を動かすことがなかったという。
 「だから、のびのび身体を動かせることが、本当に楽しいんですよ」




話題の広場




福岡会員が新型の点字ブロックを披露

 去る5月23日(土)に開催された通常総会の終了後、午後3時40分からタワーホール船堀401号室に於いて、福岡明夫会員が、「黒色2本凸線誘導ブロック」を披露し、当日の参加者に説明を行いました。
 福岡さんは、長年にわたり視覚障害者の安全歩行に欠かせない点字ブロックの研究開発を手がけており、全国各地域にも出かけてPR活動を続けているとのことです。
 本欄では、当日配布された資料を掲載し、新型誘導ブロックの利便性について、情報提供することになりました。読者の皆様と共に、福岡さんの視覚障害者の安全歩行に掛けた思いを少しでも理解し、検証してみたいと思います。


ユニバーサルデザイン「黒色2本凸線誘導ブロック」  福岡 明夫

 従来の基本型(30cm角)誘導ブロックは表面に4本の凸線を持つのに対して、このブロック(長さ45cm)は、黒色の長方形凸線2本にしたことで4つの特徴を持ちます。

(1) 全盲者の多くは、ブロック面に白杖をスライドさせながら歩行しますが、その杖の石づきは、30cm毎の目地に引っかかって、スムーズな歩行リズムがとれません。たとえば9mの距離に、従来型のを敷設するには、30個のブロックを要し、ブロック間の目地数は31箇所となりますが、2本凸線ブロックなら20個、したがって目地数も21箇所に減るので、車椅子使用者にも、前車輪が目地を踏む振動による不快感が軽減できます。
(2) 2本の凸線間が広いので全盲者は、凸線の間に片足を入れて歩行すれば、靴底の親指側あるいは子指側が、2本凸線のどちらかに触れることで、直進方向が維持できるほか、足の弱い者も、歩道面の切石やレンガ舗装の細かな目地につまずきかねない不安感を持たず、2本凸線間の平らな面に片足をおきながらの安心歩行ができます。また、ベビーカーや車椅子でこのブロックを横切ろうとする際も、4本凸線ブロックよりも抵抗感が和らぎます。
(3) 2本凸線ブロックならびに警告用凸点ブロックは、歩行実験を重ねた結果、どちらも突起部の高さを5mm、上面の幅を22mmとしたので、利用者がその踏み変わりをさらに識別しやすいよう、長方形にした2本凸線の先端部を、警告用凸点の谷間と向き合う配置にしたことで、2本凸線および警告用凸点すべてが、白杖や靴底で、鮮明な足触りのコントラストとして、踏み変わりが確実に識別できます。
(4) 医術や医薬品の進歩によって、全盲者数は激減していても、色変など遺伝子レベルを含む多くの弱視者から「2本凸線の黒色は、色模様とりどりの歩道面との色彩的コントラストが、鮮明なので、誘導ブロックとしてのわかりやすさ、歩きやすさは画期的な発想だ」と、高齢者や車椅子使用者からも絶賛されています。

 黒色2本凸線誘導ブロックの考案者は、自身が全盲のうえ、弱った脚力なので、当事者ならではの日常生活実経験に基づいて試作を重ねた模型を使って、多数の視覚障害者や、高齢者を含む一般通行者ら、のべ370名以上のボランティア協力によるアイディアは、安全性、識別性において、極めて完成度の高いユニバーサルデザインとして、まさにJIS規格にふさわしい設備だといえましょう。




脳卒中の予防十か条  星野 勇




 生活習慣病の標語として、1に運動、2に食事、睡眠、しっかり禁煙、最後に薬がある。これをもっと具体的に示したものに社団法人日本脳卒中協会が作った十か条というのがあります。なお脳卒中の予防対策の一部は癌やアルツハイマー予防にもなります。
 ここに是非実行したい十か条をメモします。

1.「手始めに 高血圧から 治しましょう」 … 高血圧は1日6グラム未満の塩分制限などの食事療法や運動療法を心掛け、それでも下がらないと薬物療法に移ります。若い人の高血圧は要注意です。
2.「糖尿病 放っておいたら 悔い残る」 … 日本人は太ると糖尿病になりやすいと言われています。脳梗塞を治療していると糖尿病が一番問題だと思うようになりました。心臓、腎臓、大血管、末梢神経や目の障害を起こして来るからです。
3.「不整脈 見つかり次第 すぐ受診」 … 不整脈とは心臓の収縮が不規則に起こり、脈が乱れることです。でもすべての不整脈が脳卒中を起こすわけではなく、その一つである心房細動が原因となります。腕の脈を触って、脈拍の間隔がバラバラになっている方は、かかりつけ医で心電図を撮ってみて貰って下さい。動悸が時々起こる方で心電図に異常のない場合は24時間心電図を撮って貰うのも良いと思います。
4.「予防には タバコを止める 意志を持て」 … タバコは脳梗塞とくも膜下出血の原因になります。タバコは完全に止めることです。患者さんに禁煙を勧めると、よく「半分に減らします」と言われます。喫煙はニコチン依存症という病気なので、本数を半分に減らしても、その分最後(根元)までしっかり吸われるために、減らしても意味がないと思います。禁煙は一気にやるしかありません。どうしても出来ない場合は、現在は一定の基準をみたせば、保険診療で禁煙への治療を受けることが出来ます。
5.「アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒」 … アルコールは多量で脳出血は増加します。脳梗塞は多量飲酒で増えますが、少量飲酒では飲まない場合よりも、脳梗塞の発症は少ないと言われています。少量と言うのは1日当たりアルコール量が20グラムほど。清酒なら1合、ビールは中瓶1本程度と言われています。但し、お酒を全く受けつけない体質の人が無理に飲んだほうが体に良いと言うのではありません。念のために…。
6.「高すぎる コレステロールも 見逃すな」 … 最近は悪玉・LDLコレステロールが高い、善玉・HDLコレステロールが低いことが、脳卒中の原因になると言われています。
7.「お食事の 塩分・脂肪 控えめに」 … 高血圧や脂質異常症にならないように、塩分・脂肪を控える必要があります。塩分は1日6グラムにすることが推奨されています。脂肪は特に動物性脂肪を控えなければなりません。アメリカでは野菜・くだもの、1日5種類以上摂取するよう勧めています。日本の厚生労働省が作った健康プラン「健康日本21」では、「野菜1日350グラム摂取」を推奨しています。くだものはカロリーが多いので「食べ過ぎないように」が大切です。
8.「体力に 合った運動 続けよう」 … 運動は必要です。まず散歩が一番良いと思います。「健康日本21」では日常生活の歩数目標値として、成人は男性9200歩、女性8300歩、65歳以上高齢者は男性6700歩、女性5900歩余を推奨しています。歩数計を付けて歩いてみましょう。但し、心臓病の方は主治医と相談して下さい。
9.「万病の 引き金になる 太りすぎ」 … 生活習慣病予防の基本は適正体重値です。これが実は一番重要となります。3ヶ月で3キロの減量を行って、3センチの腹囲減少をまず目指してみましょう。これは皆さん出来るようです。
10.「脳卒中 起きたらすぐに 病院へ」 … 出来たらすぐに専門病院へ行き、治療を早く受けることが必要です。治療をどれだけ早く始められるかが、その後の快復に大きく影響して来ます。
番外編 「お薬は 勝手に止めずに 相談を」の標語があります。生活習慣病が進行したら、生活習慣の改善のみでは、脳卒中や寝たきりは予防出来なくなります。あるステージになったら薬による治療が必要です。薬は最後の砦と思っております。


まとめ  脳卒中予防の基本は適正体重維持と禁煙が基本で、まずこれから実践して下さい。

  復習 十か条まとめ
1.「手始めに 高血圧から 治しましょう」
2.「糖尿病 放っておいたら 悔い残る」
3.「不整脈 見つかり次第 すぐ受診」
4.「予防には タバコを止める 意志を持て」
5.「アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒」
6.「高すぎる コレステロールも 見逃すな」
7.「お食事の 塩分・脂肪 控えめに」
8.「体力に 合った運動 続けよう」
9.「万病の 引き金になる 太りすぎ」
10.「脳卒中 起きたらすぐに 病院へ」
以上 2009年 春
(NHKラジオ第1放送・健康ライフより)

コメント
 脳卒中とは主に脳血管が破れたり(脳出血・脳溢血・くも膜下出血)、詰まったり(脳梗塞)して、突然にまたは徐々に、転倒、意識、運動感覚の障害をきたす病気などいろいろの症状を発する。




松丸善之さん、水泳2種目で優勝!!




 去る5月30日(土)に王子障害者スポーツセンターで行われました東京都障害者スポーツ大会の水泳2種目で、小岩の松丸善之さんが優勝されました。
 松丸さん、おめでとうございます!! 今後のご活躍を期待しています。




国技館5000人の第九フロイデ(歓喜)を歌う  和田 彰




 平成21年2月22日、第25回国技館5000人の第九コンサートが、両国の国技館で行われた。国技館の内部を説明しますと、東西を結ぶ線を真ん中にして、正面側が客席、向正面側が合唱団となる。1階中央の土俵の場所がオーケストラと指揮者や、ソリスト・独唱者の位置となります。合唱団の服装は、男性は白ワイシャツに黒の蝶ネクタイ、黒のスーツと黒靴、女性は白のブラウスに黒のロングスカートと黒靴です。
 25回記念として、指揮者はドイツから女性指揮者のケルスティン・ベーンケさん、ソプラノ佐藤しのぶさん、メゾソプラノ坂本朱さん、テノール・ドイツから来たローレンス・バクストさん、バリトンが福島明也さんです。そして合唱団員は総数5179人で、声も高らかにベートーベンの第九交響曲が演奏された。指揮者のケルスティン・ベーンケさんは、若くて美人で、上手な日本語でメッセージを与えてくれた。タイト風の紫色のドレスで指揮台に立っていた。私は今回で11回目の出演で、盲人は私一人である。いつもながら歌うたびに新たな感動を覚える。
 私と第九の関わりは、平成2年から毎年12月になると第九の演奏会に招待され、サントリーホール、NHKホール、池袋の芸術劇場や上野文化会館で聞いて感動し、これを歌える側に立って歌えれば、なおさらにすばらしいのではないかと思い、怖いもの知らずで近所迷惑も顧みず、平成6年の第10回目のコンサートから出て歌うようになった。初めてのドイツ語の発音やバスの歌を、テープで聞きながら勉強した。練習会にも、昨年10月から今年の2月まで16回参加した。やっと最近になって自信が出て歌えるようになった。平成11年(1999年)12月31日、ドイツのボンで第九を歌うツアーで参加し、ドイツ人と共に歌った。この第九の歓喜の意味は、人類の平和と友好を高めることである。

  タクト振る指揮者を心に描きつつ 声高らかに第九を歌う




暮らしのア・ラ・カ・ル・ト




1.簡単おいしいクッキング

  野菜コーンスープ
材料   冷蔵庫に残っている野菜 コーン(粒状) 卵 生姜 ニンニク少々
作り方(1) 鍋に水を入れ、大根、人参などは太めの千切りにし、固いものから順に入れる。
   (2) やわらかくなったらコーンを入れ、コンソメ・塩で味を整え、好みで片栗粉を入れる。
   (3) 最後に生姜、ニンニク(好みで)、卵をときほぐして入れ、箸でサッと混ぜ、火を止めフタをして出来上がり。


  キムチ・豆腐ステーキ
材料   豆腐1丁 キムチ(市販のもの)
     しょう油・みりん・酒各大1
作り方(1) 豆腐を横半分に切り、水気を切り、軽く片栗粉をまぶしておく。
   (2) フライパンに油をしき、中火で豆腐の両面を焼き、調味料をかける。
   (3) ひっくり返してキムチをのせて出来上がり。


  一口 ぎょうざ
材料   むきエビ じゃがいも 人参 チーズ 玉ねぎ しいたけ類(好みで)
     餃子の皮(大判)
作り方   (1) 一口大に切り、水で合わせ包む。
      (2) フライパンに油をしき、餃子を並べ、お湯を入れフタをする。
      (3) 焼けたら皿に盛り、ポン酢等で召し上がれ。


2.便利グッズの紹介

  簡単皮むきグローブ ムッキー
 この手袋は表面に細かい突起がたくさん付いているので、手にはめてゴシゴシこするだけで、ジャガイモやニンジンの皮むきが簡単にできます。
 包丁やピーラーを使わないので手を切る心配がありません。
サトイモやヤマイモなどヌルヌルした野菜も滑らず、安全に使えます。しかも、皮を薄くむくことができるので捨てる部分が少なく、とても経済的。魚のうろこ取りにも便利です。
 価 格    : 1,280円
 サイズ    : 全長28cm(フリーサイズ)
 お問い合わせ : 東急ハンズ新宿店 03-5361-3111

東急ハンズ新宿店 http://shinjuku.tokyu-hands.co.jp/


  携帯拡大読書器「サファイア」
 有限会社エクストラは、携帯拡大読書器「サファイア」を3月16日に発売しました。7インチの大きな画面を搭載し、拡大率は3.4倍から16倍まで切り替え可能。オートフォーカス機能により、拡大率を変更しても、ピント合わせ不要。23種類の文字色・背景設定が可能。静止画撮影機能により、撮影してからゆっくり確認することができます。
 また、ビデオケーブルでテレビとの接続も可能。21インチのテレビに接続した場合、48倍まで拡大できます。
 電池は充電式リチウムイオン電池。充電時間4時間。連続使用時間4時間。
  サイズ : 4.6×13.7×20.3cm
  重 さ : 879g
  価 格 : 198,000円(日常生活用具給付該当商品)
  お問い合わせ : 有限会社エクストラ 054-264-8608

エクストラ http://www.extra.co.jp/


  アカパックンお風呂用(浴槽の湯垢を吸着)
 「アカパックンお風呂用」は、浴槽に浮かべるだけで湯垢汚れの元になる皮脂などを吸着するグッズです。球体で、とぼけた表情のカッパの顔になっています。この内部には、石油タンカー事故の油回収にも使われるポリプロピレン不織布がつめられています。その働きで皮脂や石鹸かすが吸着されます。
 浴槽に汚れがつきにくくなるので、掃除の手間が軽減できます。
 使用開始は浴槽に湯を入れた時で、入浴中も入れておきます。浴槽から出る時に湯を何回か混ぜると、皮脂の吸着性が高まります。本体の汚れが目立って来たら中性洗剤で洗ってください。東急ハンズなどに置いてあります。
   使用期間   : 約200日
   大きさ    : 直径約9cm
   価 格    : 1,260円
   お問い合わせ : 恵川商事株式会社
   電 話    : 052-721-7578


  天使の耳かき
 天使の耳かきは、ソフトな感触のナイロンブラシを採用した耳かきです。回しながら耳穴に入れると、耳穴の内側にぴったりと密着して、耳垢を綺麗に除去できます。汚れたら水で洗う事も可能です。携帯に便利なケースが付いています。
 ドラッグストア・コンビニエンスストアなどに置いてあります。
    大きさ    : 長さ6cm
    価 格    : 315円
    お問い合わせ : 小林製薬
    電 話    : 06-6203-3625




えどもう歌壇




〈工藤 博史〉
     春雨にけむる湖面や瀬戸浜名 さざなみ立ちて水鳥去りぬ
     学び舎に向かう親子の晴れ姿 弥生の空にこぶし花咲く


〈福岡 明夫〉
     ヘルパーのかろき歩調に誘われて 10キロ制覇古稀近し我
     冬枯れて川岸の土手風強し 群れて鳥達なについばむや


〈長谷川 とくよ〉
     薫風のそよぎ愛(メ)でゆく花の道 友と踊らん一人の手など
     菖蒲湯のしょうぶ一本頭(ズ)にまけば 香気したたる前頭葉に


〈和田 彰〉
     さくら咲く時を待たずに友はゆく 花見の宴も一人酒飲む


〈松本 俊吾〉
     ビューンビュンとリフトは鳴って横手山 カッコウの声抜き頂きはそこに


〈渡邊 登〉
     コーヒーの豆挽く香りせつなくも 心にふれて蘇(ヨミガ)へるあり
     息子(コ)と孫の遠乗り自転車かへり来る ビニール袋は泥鰌とめだか




“悲報”中根 節子さんを偲ぶ…  松本 俊吾


 今から10数年前、深緑が映え、クチナシの甘い香りが漂う梅雨入り前の6月初め頃だと記憶しています。静岡県から船堀の団地に引っ越してきたばかりの中根さんからお電話を頂き、江戸川に転居した経緯についてお話を伺い、あの「べらんめえ調」の早口のしゃべり言葉で、会話したことを昨日のように思い出します。このことがきっかけとなって、今日までの細く長いおつき合いが続いてきました。特に静岡で火災にあって九死に一生を得たお話は余りにも強烈で、今も私の胸の中に刻み込まれて忘れることはありません。数年前までは、本会の徒歩訓練旅行の都度にガイドヘルパーさんを捜して欲しいとの依頼があり、色々とお世話をさせて頂きました。皆様ご存じのように、小柄な中根さんは力のある高い声で接し、会うたびに握手をして、お互いの健康を確かめ合ったものでした。
 ところで、船堀在住の江澤さん、金子さんは、中根さんを気遣い、介助をされてこられたことは周知の通りです。そして陰に陽にお世話されておられたお二人から、5月26日に亡くなられた前後のご様子をお伺いし、ぐっと胸が熱くなる思いでした。また今年の6月7日(日)・8日(月)の故郷長野方面の徒歩訓練旅行には、3月頃から私の所に参加したいとのお電話を頂いておりましたが、直前に体調不良を理由にキャンセルの申し出が事務所にあったようです。誠に残念でなりません。
 5月29日に葛西会館でご親戚の方と団地の自治会長さんで密葬が行われ、その後ご親戚との連絡がとれ、故郷の地で告別式が行われ、中根さんはご両親の眠られている墓所に埋葬されたとのことです。今頃は天国でご両親と笑顔で人生談義に花を咲かせておられることでしょう。
 会員の皆様と共に謹んで中根さんのご冥福をお祈りしたいと思います。“合掌”

  中根節子さんのご冥福を祈り             小野塚 耕吉
     幾星霜苦労の果ての孤独死か… 安らかにあれ涙で送る
     節ちゃんのソプラノの声素敵だよ デュエットも楽し直恵さんとの
 なお、平成20年11月11日に南篠崎の立沢一夫会員、本年2月12日に平井の鈴木 健会員が相次いでご逝去されました。謹んでご報告申し上げます。




編集後記


 皆様、こんにちは。アイネット19号を最後までお読み頂き、有り難うございました。
 6月には久しぶりに江戸川視協の徒歩訓練旅行に参加して、会員の皆さんとの交流を楽しんで来ました。横手山スキー場では片道10分という長さの二人用リフトに乗り、冬を思わせるような寒さの中、野鳥の鳴き声や空気の澄んだ爽やかさなどを満喫し、ホテルでは温泉にも入り、鋭気も養われたようです。
 現実に戻れば私たち障害者を取り巻く環境は、決して住みよいとは言えませんが、少しでもアイネットを通して情報などを流して行ければと思っています。
 本号では、総会報告や支援費制度の見直しに関する情報・タッチミーアートを通じての小学生との触れあいや徒歩訓練旅行記など、お楽しみ頂けたと思います。
 次号は記念号として20冊目を迎えます。11月には船堀のタワーホールで福祉大会も行われ、どのような原稿が集まるか楽しみにしています。皆様のご期待に添えるよう精一杯努めて行きますので、これからも原稿をお寄せ頂けますようお願い申し上げます。
 しっとりと紫陽花を愛でるうちに梅雨も終わり、暑い夏がやって来ます。花火大会や蛍狩りなどと夏には夏の楽しみもありますが、皆様のご予定はいかがなものでしょうか?
 暑さにめげず元気に過ごしたいものです。             (N)




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