第6号トップ

  目次

出会い 支えられ

新たな自立のための活動を!

支援費制度

パソコン講習会

体育部報告

【話題の広場】 初めてのタンデム

ふれあいの活動 −夏から秋へ−

微笑みの国・タイへの旅

長友公一さん  大活躍

暮らしのア・ラ・カ・ル・ト
  1.簡単おいしいクッキング
  2.便利グッズの紹介

ストレッチで運動不足解消

えどもう歌壇

都盲協便り

編集後記




出会い 支えられ  北澤とみゑ




 木々の葉も色づき、今年も文化祭の季節がめぐって来ました。盲人福祉協会に入会して15年、会員数も3倍近くとなりました。入会した方の中には、だんだんに衰える視力や不安と闘いながら、気持ちが落ち込み、家に閉じこもりがちになり、それを心配する家族や友人に励まされて、相談に来てから会に入り仲間となった方が何人もいます。

 私が婦人部を任されたのが平成3年です。その時の私達に何が必要かとみんなで話し合い、身体を動かすことがよいとの結論がでました。ちょうどその頃、障害者福祉課からリズム運動の猿田先生を紹介されました。先生はマイク1本で私達が動きやすいように指導してくださいます。それに3人の先生の友人が加わって楽しく続けております。

 また、5年前から始めた民謡は、美しい声と唄の上手な上野先生が何回も繰り返し、根気よく教えてくださいます。民謡は生活の中から生まれ、唄い継がれたもので日本人の原点を思い起こさせてくれました。このお二人の先生の豊かな経験と素晴らしい指導力、多くのお弟子さんに慕われている姿に出会えたことに感謝しています。それに、これらの活動を手伝ってくださるボランティアの方々、ガイドヘルパーの皆さんを忘れてはなりません。

 視力を失うかも、と宣告を受けてたどり着いたのが日本点字図書館でした。点字の「アイウエオ」と「数字」の読み書きを習いました。メモをとったり、手紙を書く時に役にたっています。以前は一人で歩いた道を歩行訓練を終え、今は白杖を持ち、風・音・香りを頼りに電車に乗って目的地へ多くの人に助けられて行っています。手元に届いてからしばらくは使わなかった白杖も今では大活躍しています。

 春にはパソコン講習をうけました。ローマ字入力に挑戦して中学生で学んだローマ字と再びめぐり会えました。パソコンと出会えたことで懐かしい思い出に浸っています。5月に全国盲人福祉大会で出会えた山口の方、三鷹の方とはメールのやりとりをして情報交換を続け、今ではメールを書くこと、読むことの楽しみを充分味わっています。

 これまで多くの人たちに出会え助けていただいて来ました。これからも出会いを大切にたくさんの人のご理解とご協力のもとに支えていただきたいと思います。




新たな自立のための活動を!  松本俊吾




☆平成14年度 本会と江戸川区各部との懇談会報告

 日本中の人々が、W杯サッカーで燃え上がりこの熱気が天に届いたかどうかは定かではありませんが、梅雨明けと同時に厳しい暑さが続きました。この間、7月から8月にかけて平成14年度、本会と江戸川区各部との懇談会が例年通り開かれました。

 本年は、二つの視点を想定し話し合いに臨みました。その一つは、支援費制度がスタートする前年でありこれらを含めた障害者施策が大きく変わることから会員の不安感を払拭すること。二つに、地域で視覚障害者が終生安心して生活でき、安全・健康・情報提供等を含む諸施策の充実が計られることなどを視野に、新たに防災課との話し合いが持たれ、相互に熱のこもった意見交換となりました。

 本号では、多田区長宛4項目の要望事項を基に、各部との意見交換の内容を要約し、会員の皆様に御報告することにします。


福祉部との懇談会

 日時・会場 7月24日(水) 午後3時〜4時 江戸川区役所会議室
 出席者 坂本福祉部長ほか 本会 松本・小松・北沢・小野塚対応

内容
 坂本福祉部長・田中障害者福祉課長・小林障害者複合施設担当課長ほか担当職員にご出席頂き、区内の視覚障害者の福祉に関わる問題や今後の取り組について話し合いました。 なかでも、平成15年から障害者施策の一部が、支援費制度に移行することから会員の生活に直結する、ホームヘルパー・ガイドヘルパーの派遣・区内の特別養護老人ホームや新たに計画されている障害者複合施設・ケアハウスへの入所問題等を含め意見交換を行いました。

 坂本部長からは「現在のガイドヘルパー制度を平成15年以降も現状のレベルを落とさないよう維持しながら、江戸川区が事業主体となり、引き続き行いたい」と、力強い回答がありました。また支援費制度そのものが「民間団体を地域に於いて育成すること」を目的の一つにしている事から、田中課長は「近い将来、この制度を事業として運営する民間組織が育った段階では、事業主体を区から委譲することも検討課題になります」と、明言され、この制度の将来像が明らかとなりました。

 支援費制度の諸手続きは本年10月中旬から始まり、視覚障害者一人一人に対し面談方式で個々の現状を聞き、来年2月末頃までに準備を完了し、受給証が配布される予定とのことです。

 二つ目の高齢者の区内での生活支援問題については、坂本部長から「平成16〜17年を目標に、特別養護老人ホームより緩やかな入所基準の、ケアハウスを想定しながら計画準備の段階に有ります」と、正に理想の計画が示されました。これは食事・入浴・排泄等の介助は勿論、日常生活での外出等も比較的自由に出来る施設で、視覚障害者も入所出来るようこれから要請することになります。

 一方、葛西に来春誕生する障害者支援センターを兼ねる複合施設について、小林課長から詳しい説明が有りました。現状では、重度視覚障害者の施設利用と相談機能及びデイケアが対象のようです。

 本会では、今後共支援費制度に関わるガイドヘルパー制度や高齢者の施設入所について、話し合いの機会を多く設けて頂き区内に於ける障害者福祉の一層の向上に繋がるよう要望して行きたいと考えています。


A 土木部との懇談会

 日時・会場 8月7日(水) 午後1時30分〜3時
 江戸川区第2庁舎会議室
 出席者 高橋土木部長他 本会 伊藤・坂本・松本・北沢・小野塚・藤田対応

内容
 「道との触れあい月間」に合わせ、毎年土木部の各担当者・多数の職員の皆さんにご出席頂き、点・線ブロック・音声誘導装置等、視覚障害者の外出時の安全施策について有意義な意見交換が本年も行われました。伊藤安全対策部長の司会で意見交換は進行し、高橋部長からは、「視覚障害者の歩行時の安全確保を第一に皆さんの意見を反映した区内の安全施策が前進するよう考えたい」と心のこもった内容の挨拶がありました。

 冒頭に本会から、「区内に縦横に走る、国・都・区道について区別無く点・線ブロックの敷設を進めてほしい」と要望。高井計画課長からは、「今後は区の予算を出来るだけ活用して努力したい」との回答を頂きました。また歩車道間の斜面ブロック・バス停のグリーンゾーンについては、「予算の許す限り整備を進め、バス停について来年中に整備したい」との話がありました。

 更に音声誘導装置は、「昨年度の8カ所に引き続き、今年もアーバンプラザの他、数カ所に設ける」との回答でした。また、「適用を広げ郵便局周辺についても区施設案内を合わせ検討したい」とのことでした。

 このほか駅前周辺の放置自転車の取り締まりについて、駐輪課の担当者から、「瑞江・一之江駅の地下駐輪場の整備を進め、収容台数を確保した上で取り締まりについても万全を期し努力している」と詳細な説明が有りました。その他、区内を走る鉄道駅構内エレベーターの整備についても、「江戸川区から働きかけをしたい」とのお話でした。

 土木部の職員の方々には、熱心にメモを取って頂き、具体的に会員から指摘された危険箇所の改善について、問題点を個々に詳しく聞き取って頂き、早期に改良や補修整備を図る約束をして下さいました。最後に、江戸川区の「川サミット」のイベントとして、小岩菖蒲園のサイクリングロードで「タンデムのデモンストレーション」を実施したいとの話が出され、区の努力に対し感謝の意を伝えました。
 (この模様は「初めてのタンデム」でご紹介します。)


B 防災課懇談会

 日時・会場  8月7日(水) 午後3時〜3時40分 会場Aに同じ
 出席者  石出防災課長ほか1名と土木部職員
 本会出席者Aに同じ

内容
 土木部との懇談後、引き続き約40分間意見交換が行われました。冒頭に石出課長から「向こう3年位をメドに、視覚障害者の防災に関わる具体的事項を出し合い、話を煮詰めたい」と挨拶があり、本会から出された三つの事項について、松本が主旨説明を行いました。要望事項は次の三つでした。

 1.災害時の避難誘導マニュアルの早期作成
 2.避難時に視覚障害者であることを確認できる腕章・帽子等について検討
 3.視覚障害者用防災手帳の配布

 本会では、8月24日(土)の懇談テーマに防災問題を取りあげており、会員の意見集約を行い、話し合いを継続することとしました。


C広報課懇談会

 日時・会場 8月21日(水) 午後1時30分〜2時15分
 江戸川区役所会議室
 出席者 岩瀬編集係長ほか
 本会 松本・小松・北沢・小野塚対応

内容
 本会事務所にて平成11年から発受を行って来ました、「声の広報えどがわ」のダビング発受作業の現況を説明し、本会が受託後に新たに46名の視覚障害者のテープ発送申込みが有った事や、ダビング機器のメンテナンスの必要性等について、昨年に引き続き説明し今後の支援を要請しました。

 これに対し、岩瀬係長からは、「障害者福祉課と調整したい」との回答がありました。この他、「声の便り」・「みんな友だち」の発送を本会に全面委託して頂くよう要請しました。またネームシールの添付等収録内容についても意見を述べました。更に点字広報の内容や公共施設周辺の点字地図の作成、選挙公報の点・音訳化について、作成を要望しました。広報課との意見交換は、相互の意見がかみ合わない点があり、今後とも話し合いを継続したいと考えています。


D 教育委員会・区図書館懇談会

 日時・会場  8月21日(水) 午後2時15分〜3時 会場Cに同じ
 出席者  長田学習スポーツ振興課長・市川中央図書館長他 本会Cに同じ

内容
 【1】図書館関係 市川中央図書館長から
    「対面朗読室にIT機器を整備し、本年度予算で
    音声ソフトや付属機器の整備を行う予定です」
    との大変有り難い回答がありこれについて会に持ち帰り
    本会の要望備品を文書で提出することにしました。
 (9月に備品見積りを提出。11月に対面朗読室にIT機器対応の新型録音再生機能を持つプレクストーク等が整備されました。)
その他、区内各図書館での視覚障害者に対するサービスの向上を要請しました。

 【2】スポーツ施設関係
    江戸川区のご配慮により、グリーンパレス4F・ホールに
    盲人卓球台が整備されて2年目を迎え、月1〜2回の練習を行い
    多数の会員が、卓球に親しみ楽しんでいることを報告しました。
    9月19日(木)の第2回卓球大会に長田課長の出席を要請しました。
    またスティックボール用具の整備については
    「職員が一度試合を見た上で備品購入を検討してみたい」とのお話でした。
    この他、会員が区内の小・中学校の総合学習の時間に
    「出前ボランティア」等で生徒との交流が行われている現況等を報告
    長田課長からは担当者に伝えると約束して頂き、意見交換は終了しました。

 尚、同日障害者福祉課に立ち寄り、広報課と図書館懇談会の報告を行い、特にテープ・プリンターの使用状況から、メンテナンスを含め機器整備の必要性を同課も確認、後日広報課と調整して頂く事になりましたので併せ報告しておきます。




支援費制度




−9月18日(木)区民ホール4階研修室において−

 江戸川区福祉部障害者施設開設準備担当小林孝雄課長から、複合施設の概要が報告されました。中葛西2丁目にある、東京都福祉局の持ち物であった常磐寮を3億2千万円で買い取り、同じくらいの金額を掛けて中をリフォームし、障害者のデイサービス・ショートステイ・生活寮・自立生活支援センターという機能を持つ複合施設を来年4月にオープンする。

 デイサービスとショートステイは身体及び知的障害者、生活寮は知的障害者が使える。施設を利用できる年齢は18歳以上で、介護保険を利用出来ない方を対象としている。

@ デイサービス
この施設は以下の5つの基本事業を柱としている
 1)リハビリや社会適用訓練IT・会話・手話・点字
    介護の仕方、介護相談、スポーツなどのレクレーション
 2)創作的活動事業手芸、木工、音楽、カラオケなど趣味的なもの
 3)入浴サービス
 4)給食)送迎のサービスデイサービスの活用も朝9時から夜7時までとしたい
☆この運営は社会福祉法人にまかせる
  1日の利用者定員は身体障害者は15名程度、知的障害者は8名


ショートステイ

 ☆家族が急な用事で介護ができなくなった場合や
   介護のリフレッシュのためのレスパイトとして使用。
   レスパイトとしては、3ヶ月前から予約を受付、始めは5日間からとしたい。
   ベット数は14床(身体障害者4床、知的障害者10床)


  B 体験型生活寮(グループホーム)
 

東京都のモデル事業として、知的障害者が自立して生活できるように、最長3年間の訓練を受けられる。


  C 自立支援センターの開設

 障害者福祉サービス全般の福祉窓口として、次のような相談を受けます。
  ・ホームヘルパーやデイサービス、ショートステイ利用の援助
    授産施設や福祉工場、作業所の紹介
    福祉機器の利用   ・ピュアカウンセリングなど
 これは区直営のものですが、利用者みんなで育てて良い自立支援センターにしていきたい。

視覚障害者の在宅サービスについて
 在宅サービス原野節子係長から支援費制度のお話がありました。来年4月から、行政の措置制度となっていた福祉サービスが、障害者がサービスを選択して事業者と契約を結ぶ支援費制度となります。

 介護保険との違いは、介護保険は民間のケアマネージャーがケアプランを立てて契約するが、障害者の支援費制度には民間のケアマネージャーがいないため、暫くは区の職員が行います。区職員が障害者宅へ調査に伺い、支援の量・種類を相談しながら決めていきます。

  @ 支援費の役割
  国 :基準作り、制度全体枠作り、予算など
  都道府県 :市区町村の支援業者の指定及び事業者の指導監督など
  市区町村 :サービス提供体制の整備
    支援費支給決定事業、斡旋、調整、情報の提供など

  A 支援費制度の仕組み
 市区町村の窓口で相談し、サービスの希望を申請する。
 申請を受け、区職員(担当者)が調査に伺い審査をして支給を決定
 支給が決定されると受給者証が発行される
 受給者証を事業者に見せて契約する
 利用者は事業者に決められた負担額を支払う
 事業者はサービス提供後に市区町村に残りの支援費を請求し精算する


  B 支援費に移行される事業

 ホームヘルプ・ガイドヘルプ・デイサービス介護保険を利用している方は介護保険を優先する。ただしガイドヘルプは除く。
 江戸川区としては、今までホームヘルプやガイドヘルプを利用していた方たちは、区の担当者が10月中旬から年内に訪問調査に行くので、区の窓口にいかなくてもよいとのこと。

  C 聞き取り調査の内容
 障害の種類・程度.介護を行う者の状況.他に居宅支援費の受給状況
  エ.福祉サービスの利用状況.環境状況
  カ.本人からの利用に対する具体的な内容
  キ.提供体制の整備状況
  A.支給期間は1年間とし、1年ごとに見直しをする
  B.支給量は月ごとに時間を決める
  C.利用者負担額はまだ未確定だが、所得税額によって異なる。
    20歳以上の方は本人、配偶者のいる方は配偶者の所得による。
    20歳未満の方は親の所得による。

ガイドヘルパーの利用について
 *講座・講習などわかっている時は、早めにガイドヘルプの申し込みをしてほしい
 *ガイドヘルパーの交通費については、片送りやお迎えだけの場合は
   利用者が 目的地までの往復の交通費を支払うこと
 *食事については、かかった分をそれぞれで支払う
 *ガイドヘルパーは何かあった時のために、両手をあけておいてほしいので
   荷物は自分たちで持つ。
   買い物はホームヘルパーの役割なので
   原則として、ガイドヘルパーとの買い物はしない

◇ Q&A ◇
 Qどの事業者を利用しても負担額は同じですか?
 A支援費に関しては同じです

 Q来年4月からは支援費になるので自己負担があるということですが?
 A所得額によって異なる応能負担になります

 Q行政が支払う負担額と本人が支払う負担額を時間単位で解る程度教えて欲しい
 A住民税が非課税の方は負担額はありません。
   その次は50円、100円となります。
   厚生労働省の骨格が非常に細かく分かれています

 Q国民保険料や介護保険料のような支援費に関する保険料はあるのですか?
 A支援費は、保険ではなく全額公費です

 Q月に決められた時間外に緊急時には、ガイドヘルパーを利用できますか?
 A相談に応じます

 Q申請書を送るとき、点字の文書も同封してほしい
 A要望があったということで伝えておきます

 Q行政はガイドヘルプサービスをどの程度民間及びNPOに任せたいのですか?
 A今、区がガイドヘルプサービスから手を引くと
  基盤がなくなる可能性が高いので、区が事業所となって行っているだけです。
   そのうち民間などが引き受けてくれるといつでもバトンタッチします。

 多様な機能を持つ複合施設は大いに利用し、交流が広がるといいと思います。さらに、来年度から始まる支援費制度は私たちの生活にとって大変重要な問題です。今回の講演では、まだ未確定なところが多かったようですが、みなさん活発に質問していました。



パソコン講習会




 4月からパソコン講習会が始まり、7月までに9人の方が体験コースを終え、10月からは2人の方が受講されています。文章を書くのが好きな人・辞書を調べるのが好きな人・お友達とメールで楽しんでいる人・インターネットでいろいろな所を検索している人、使い方はその人それぞれ、いろいろです。

 パソコンは一人で楽しむものと思いがちですが、メールは特に友達の輪が広がり、地球の裏側の人とだってメールをすることが出来るんですから不思議なものです。人類の通信手段は手紙から電話そしてメールと変わりつつありますが、この先どんなコミュニケーションがとられて行くのか楽しみな時代ですね。さて、今回パソコン講習会を受けられ実際に購入されました星野勇さんに、その後の感想などを書いて頂きました。興味をもたれた方は随時受け付けておりますので連絡いただけたらと思います。

 本会からの要望により、本年11月に、中央図書館の対面朗読室に視覚障害者に対応するIT機器が整備されました。事務所のパソコン同様、ウインドーズ音声化ソフトにより、文書の作成、辞書検索、スキャナーを使っての本や書類の読み上げなどが可能です。インターネットへの接続はもう少し先になりそうですが、最新のプレクストークも置かれますので、体験してみたい方は中央図書館まで足を伸ばしてみてはいかがですか。
      (中央図書館 : 3656-6211)

   江戸川区図書館


パソコンを購入した

 私はよく荒川の河川敷スーパー堤防を付き添いを頂いて歩いている。今年の夏は大汗をかいた。いつしか時は流れてすすきが満開になっている。でも、どうしたことか葉っぱだけなのだ。コオロギはあっちこっち昼間でも歌っている。

 さて、この夏にパソコンを一揃え設置した。Kさん、Hさん、Nさん、Tさんなど多くの皆々様のお力添えを頂いて購入出来たのだ。まず、ラックの組立からはじまった。ドライバーやねじまわしで組み立てた。これは座布団用で引き出しもついている。このラックは今、大邸宅のでなく都営住宅のすみっこにおいてある。

 コンピューターはNECメイトデスクトップ。その上に液晶ディスプレイがのっている。どちらもスリムでスマートだ。横にマイリードが置いてある。上の棚にはプリンターがのっている。が、まだ眠っている。その両側にステレオのミニスピーカーが置いてある。マイリードは普通の字を読む。読まないのもある。

 ところで音声ソフトはとっても高いのですよ。CD版1枚が8万も9万もするのがあるんですよ。安いのもあります。ここに新しいプレクストークのパンフレットがある。これはほどほどに読んでくれた。が、10万円するんですよ。また、日本銀行券をいれたら読まなかった。小さいのだから読まなかったのかなあ。でも、大きいのはパソコンで支払ってしまってもうないのだ。貧乏になったもんだ。

 それからフロッピーはテキスト、これは良く聞こえる。辞書・辞典はおもしろい。宇宙のこと、世界のこと、法律や医学のことなど、私にとっては楽しい。書くのはローマ字と点字の二本立てでのんびりやっている。

 この前はじめて音楽CDを入れてみた。たえなる美しい音楽がステレオで聞こえてきたのだ。うれしかったなあ。だけど止まらないのだ。あわててNさんに連絡をとってそれで止められた。再び動かしたら今度はごちゃごちゃになって、それでもやっと止められた。今この終了に奮戦中である。

 最近ボランティア編集者のうら若き、いや、うらがわかき乙女達から「メールをやりなさいよ」とやさしく命令されているが、どうしようかなあ。まだ早いかなあ。

平成14年9月中秋の名月の頃  星野 勇





体育部報告   冨澤 豊




●第2回江戸川区視覚障害者卓球大会

 去る9月19日金曜日、午後1時半よりグリーンパレス4階ホールにおいて、第2回江戸川区視覚障害者卓球大会を開催しました。開会式には来賓で江戸川区役所の学習スポーツ振興課及び障害者福祉課の方の挨拶を頂き、始球式も行って頂きました。

 本年の4月より、盲人卓球はルールや使用球の改正が行われ、名称もサウンドテーブルテニスと改められました。試合は11点制3セットゲームで行い、準々決勝で坂本対冨澤という昨年の決勝の組み合わせとなり、2−0のストレートで坂本芳夫さんが勝ち抜き、北沢とみえさんと松本盲協会長の健闘が光りました。

 大会は順調に進み、昨年に続き坂本芳夫さんの優勝となり、準優勝は成田貴美代さんでした。坂本さんは「みんな去年より強くなっていたので優勝できてとてもうれしい」と話していました。優勝者には優勝カップと金メダルが、準優勝者には銀メダルがそれぞれ授与されました。


●平成14年度水泳教室

 平成14年度後期の水泳教室が、9月28日から菅原橋の総合体育館温水プールで始まりました。当日の参加者は9名で、4名と5名の2グループに別れてとても楽しみながら指導を受けました。コーチ2名でしかも少人数なので、全く泳げなかった方もたちまち泳げるようになってしまいます。あるいは、膝等が悪い方でも水の中では浮力により負荷が軽減されるのでとても良い運動になります。
 しかも、プールの中は貸し切りになりますから、他の利用者と交錯する心配もありません。泳げる方も泳げない方もぜひ参加して頂けるよう宜しくお願いします。



【話題の広場】 初めてのタンデム  成田貴美代




 9月5日(木)、小岩菖蒲園サイクリングコースにて江戸川区主催タンデムデモンストレーションが開催されました。タンデムとは2人乗り自転車のことです。7台用意されていて、前をこいで下さるのは江戸川区役所土木課の方々です。

 お天気にも恵まれ、河川敷は広々としてとてもいい気持ち。会員の参加は16人で、8人ずつ交代で乗ります。一組が乗っている時、残りの一組は菖蒲園の中を見学です。

 職員の方の「自転車通勤の者を選んで来ました。安心して任せて下さい」との力強い言葉がありましたが、きっと最初は私達を乗せて走るのは不安だったと思います。「よろしくお願いします」とお互いに挨拶。でもちょっと緊張です。2人乗り自転車に初めて乗る私はもっと頑丈な自転車を想像していましたが、そうでもないのでこれで大丈夫かなと少し不安になります。ドキドキしながら初体験です。

 7年ぶりくらいに乗った自転車は忘れていた爽快感を思い出させ、うれしくなってしまいます。コースは風もさわやかで、ヘルメットをかぶっていても暑さを感じさせません。ペダルも軽やかに歌でも口ずさみたいくらい。自転車はやっぱりいいなというのが感想。気分がいいので、自然に笑顔が出てしまいます。

 すぐそばを京成電車が走り、時々私たちの会話の邪魔をします。下の方から野球の試合をしている人達の元気な声も聞こえて来ます。タンデムのいいところは、前と後ろで思うように話が出来る事。こういうことでもないと、土木課の方とはお話する機会などなかったのですから、すごく楽しい。

 走っていると、岡畠さんご夫妻が猛スピードで「お先に」と声をかけながら追い越して行きました。自転車でも暴走族ありですか? 息が合ってますね。私も慣れたらもう少し早く走れるようになるでしょう。楽しい時の時間の速さ、もっと乗りたかったです。

 菖蒲園は3分咲き程度のコスモスで、周りにはマリーゴールドや他の花々が咲いていました。春に咲くパンジーなどは鳩が食べてしまいますが、マリーゴールドは匂いが強いため鳩も寄ってこないそうです。小さな水車のゴトゴトという音に誘われて触ってみたら、水ごけでヌルヌルしていました。今度は菖蒲の咲く頃にまた来たいですね。土木課の職員の皆様、お世話になりました。次回もよろしくお願い致します。


参加された会員の皆様にも一言感想などをお聞きしました。

岡畠信子さん
 タンデムは、都盲の方にたまに出かけて乗っております。町の中でなく、こういう川風に吹かれて乗ったのは初めてです。昔見える時に、子供を前後に乗せて走ったことがありますが今日は主人と、その時よりもずっとスピードを出して風を切って走りましたので本当に楽しかったです。また江戸川区でタンデムの自転車など買って頂けましたら乗れる機会が多くなりますので、どうぞよろしくお願い致します。

北沢とみえさん
 こんないい企画をして頂いて有難かったです。これからも続けて頂けたらうれしいと思います。岡畠さんと同じで草の香り、電車の音を聞きながら楽しませて頂きました。続けてこれからも、重ねてお願いします。

小野塚耕吉さん
 今日は本当に楽しい一時を有難うございました。私は2人乗り自転車は初めてですが後ろに乗ってるとハンドルに膝がぶつかりそうになってそんなに足は長くないのですが、もう少しサドルが後ろになっていればいいなという感じは受けました。本当に楽しかったです。

小松栄次さん
 今日の日を楽しみにゆうべ飲みすぎましてすっかり汗で流しまして気持ちよかったです。どうも有難うございました。

宮地昭雄さん
 タンデムという名前はよく聞いていたのですが触ったことも乗ったこともないので、とにかく経験してみたいと思って参りました。ところが本当に快適な感じでした。昔10代の頃によく乗ったのですが、その感覚を思い出して本当に楽しかったです。またこれからも機会があれば、乗せて頂きたいと思います。今日は皆さん有難うございました。

花見とみ子さん
 今日は長谷川さんにお世話になりました。有難うございました。重かったと思いますけど、私も頑張りました。今後もよろしくお願い致します。

松田恵子さん
 今日は有難うございました。この自転車は一人ずつ乗るのでなく、前と後ろで話しが出来るのでコミュニケーションにとてもいい乗り物だなと思いました。区の職員の方とも色々お話が出来てとてもうれしかったです。

橋谷道子さん
 私も花見さんと変わりないので、長谷川さんにお世話になりました。有難うございました。電車の音と川の風で最高によかったと思います。またこういう機会がありましたら、是非よろしくお願い致します。

村井伊都子さん
 今日はどうも有難うございました。私はこの自転車が初めてだったものですから涼しい風とおしゃべりでとても気持ちよかったです。こういう一緒に乗っていける自転車があって普通の道でも乗れたら買い物にいく時にも、もっと気分がよく便利じゃないかなと思いました。

長谷川とくよさん
 4年ぶりでハンドルが握れました。新婚の時、主人の後ろに乗った時以上に、今日はとても幸せでした。有難うございました。これからもよろしくお願い致します。

松本俊吾さん
 デモンストレーションという形ですが皆さんと一緒に楽しく自転車に乗る事が出来てよかったなと思います。個人的には何回かタンデムに乗った記憶があるのですが時速が10キロから15キロというこのスピード感で爽快な気持ちが味わえました。今日は有難うございました。

冨澤 豊さん
 10年ぶりくらいに自転車に乗りましたがやっぱり風を切って気持ちがよくてよかったです。一家に一台タンデムがあってもいいんじゃないかと思います。歩いて買い物に行ったりしなくても、タンデムに乗って行けたらいいと思います。役所の方々、お世話になりました。

坂本芳夫さん
 2往復しただけで足が疲れてしまいました。普段の運動不足を痛感しました。こういうことを常時やって頂ければ体力的にもいいような気がします。有難うございました。

星野 勇さん
 みんなしゃべっちゃったから、たいして何も言う事がございません。有難うございました。何かまだ物足りないですけどまた次回企画して頂きたいと思います。よろしくお願いします。

工藤博史さん
 5、6年前くらいまでこの土手で乗ってたんですけどやっぱり秋風を切りながら乗る自転車は最高でした。有難うございました。

 タンデムのデモンストレーションに参加された長谷川とくよさんから、次のような短歌が寄せられましたのでご紹介します。

    「風切りてタンデムを漕ぐ愉しさよ頼もしき背な若きとともに」

  尚、長谷川とくよさんは、本年7月15日に、歌集「朝の光」(白そうび舎・生活ジャーナル社発行)を出版されました。ご覧になりたい方は、直接長谷川さん(3679-0408)にお問い合わせ下さい。


第11回川サミットin江戸川」

 10月12日(土)総合区民ホールにて、第11回全国川サミットin江戸川が開催されました。この日の区民ホールは川サミット一色でした。いろいろなグループの人たちが集まり、「川を利用してどんなことが出来るか」を分科会ごとに分かれて話し合いを持ちました。

 私たちは、バリアフリーとして「みんな親しみやすい川作り」を題材に6グループに分かれて、水色で川を作った模造紙の上に“川の周りをどのように利用したら楽しくなるか”を話し合いながら、毛糸、折り紙、又いろいろな素材の紙を折ったり、切ったりして貼り付け紙の上に表現しました。

 木・花・鳥・魚・花畑・障害者のための音声誘導装置やスロープ、点字ブロック、また障害者が使いやすいトイレなど、夢はどんどん広がります。すっかり子供の頃に返ったようでした。

 障害者が気軽に川を利用できるように表現された模造紙は、6グループつなぎ合わされると夢の河川敷が出来上がりました。最後にそれぞれのグループの思いを発表して、私たちの分科会は終わりました。

 午後からは、各分科会に参加された方々が一堂に会し成果を発表し合いました。今後、私達が描いたバリアフリーの川が少しでも実現される事を期待しています。




ふれあいの活動 −夏から秋へ−




納涼懇談カラオケ大会リポート  伊藤 茂

 恒例となりました納涼懇談カラオケ大会が、去る8月24日(土)に総合文化センター2階研修室で盛大に開催されました。当日は会員をはじめご来賓やボランティアの方々、付き添いのご家族など、大変多くの皆様にご参加して頂きました。

 小野塚総務部長の総合司会により、はじめに小松副会長による開会の辞、続いて松本会長の挨拶とボランティアの皆様や準備をして下さいました方々に感謝の言葉が述べられました。続きましてご来賓、及び各ボランティアグループの代表の方々からお言葉を頂きました。一連のセレモニーが終わり懇談会となりました。

 今年度の懇談テーマは「災害時における視覚障害者の安全確保について」と言う事で意見交換が行われました。今年度の江戸川区への要望書の中に、災害時における視覚障害者の安全確保に関する事項を、以下の3項目加えました。

  (1)視覚障害者の避難誘導のための防災マニュアルの作成について。
  (2)避難時や避難場所等で視覚障害者である事の目印となる物(例、腕章)の作成。
  (3)視覚障害者専用防災手帳の作成について。

 はじめに松本会長より要望の趣旨説明がありました。その後、主に(2)の項目について活発な意見交換が行われました。個人レベルで準備した方が良い物、区に要望して統一的に準備した方が良い物が提案されました。

 例えば、緊急ボタン(一人暮らしのみ貸与)、人を呼ぶ時の笛など音の出る物、懐中電灯等の光を発する物、目立つ硬めの帽子(ヘルメット)、ラジオ、太めの白杖、等々が提案されました。これらの要望事項をまとめ江戸川区盲人福祉協会として要望して行く事と致しました。防災課と何度か話し合いをもってよりよい方向に進んで行きたいと考えております。貴重なご意見・ご提案、有難うございました。

 続いてお待ちかねのカラオケ競演となりました。司会進行は岡畠さん、柏谷さん、藤田さんでした。それぞれ自分の持ち歌を自信?を持ってご披露しておりました。カラオケあり、アカペラあり、シンセサイザーのバック演奏あり、で例年にも増して賑やかなカラオケ競演となりました。

 皆様それぞれ大いに楽しんで頂きました。来年は若い会員の皆様にも積極的に参加して頂きたいと期待しております。


第25回 区民祭りのバザー模様  小野塚 耕吉

 10月13日(日)午前5時30分、薄明かりの中を会長宅へ歩いて向かう。この頃のわたしは、夜型朝寝坊派、早朝の冷気に驚く。秋を実感する。会長宅に着いた時には、ボランティアの森山さんと岡畠さんが、すでに、荷物を車に積み込んでいる最中。いつもの事ながら、ありがたいことです。積み込みも終わり、森山さんの車に乗せていただき、会場の都立篠崎公園に出発。走る車の前方に、キラキラと太陽が顔を出す。今日は快晴だ。

 会場に入ると、そこかしこで準備に忙しい人々が賑やかだ。我々の売り場はライフアップ広場の21番テント。人の流れが二つに分かれる分岐点に位置し、よく目立つ所だ。一之江から荷物を運んで来た北沢さんの車が着いている。先ずは、3台の荷物を降ろし、商品の陳列に取りかかる。雑貨類は地面に並べ、衣類はハンガーに掛けてロープに吊るす。

 間もなく、会長の車も到着。恒例の作業にかかる会長、段ボール箱を使っての休憩用のテーブル作りと、洋服の空箱で作るメガホン。これは大活躍する。テントのパイプに会の旗を張って、準備完了。午前8時過ぎには、スタッフ25名(ご家族・ボランティアの方々16名、会員9名)全員集合。会員は、主に「金庫番」と「呼び込み」を行う。ご家族・ボランティアの方々には、「売り子」や「商品整理」などを担当していただく。

 午前9時を回る頃には、人の流れも多くなり、あちらこちらで、「呼び込み」の声がする。我らも負けじと「いらっしゃいませ」を連呼する。今年も鶴東さんは、雑貨品の中央に陣取り、お客さんの対応に忙しい。商品の薦め方など、なかなかの商売上手。午前10時、祭典が始まり、賑やかな音楽が聞こえてくる。人の往来も絶え間なく、「呼び込み」に一層力が入る。

 店には人だかりも出来る。真面目なスタッフの皆さんは、水も飲まずに働く。11時半から交代で昼食にする。オニギリ3個戴く。正午を回って人出はピーク。主な雑貨は売り尽くし、残りは叩き売り状態。3時頃、区長さんが各テントを激励にみえる。3時45分店じまい。

  (追記)   50件を越える個人・団体の皆様から戴いた品物は、衣類を除き完売しました。品物をご提供いただいた皆様、また10月6日(日)、物品の収集・値付けにご協力いただきました16名の皆様、並びにバザー当日のスタッフの皆様、ご支援・ご協力、誠に有難うございました。




微笑みの国・タイへの旅  岡畠信子




 私は弱視です。タイへの旅行は娘の念願だったので、私・娘・息子の3人で行く計画をしました。12月はタイは乾期と言う事で、昼間の気温と朝晩の気温が大分違います。それでもタイに着いた時には、汗ばむほどすごい暑さでした。バンコクは日本と2時間、時差があります。迎えの添乗員の人と町並をバスで走っている時に、夕日が沈む時間になりました。日本では見られない真っ赤に燃えるような太陽がはっきり見えました。

 この町は車がもの凄く多く、排気ガスで鼻の中が真っ黒になるくらいでした。ホテルに到着する間、お寺が沢山ありました。添乗員の人がバンコクのお寺は金ピカリンのお寺が多い事、そしてお坊さんの衣もオレンジと教えてくれました。とても派手な色なので私にも分かりました。夕日が沈む頃、ホテルマリオットに到着しました。

 川のほとりにあるとてもひろーい南国のホテル。出迎えてくれたのはタイの音楽と蘭の花で飾られたロビー。水に浮かべた豪華な蘭の花が、店内・部屋・いろいろな所に飾られていました。部屋に入るなりビックリした事は、3人のベッドの上に歓迎の意味の蘭の花のブーケが置いてあった事。次の日にはまた蘭の花が3つ。また次の日も蘭の花が3つ。花瓶には蘭の花が一杯に飾られていました。

 夕食は川のほとりでバーベキューでした。民族衣装を着たタイの踊りは、バックの燃えさかる火のように激しいものでした。熱い音楽と情熱的な踊り。酔いしれて心地よい風に吹かれながらの楽しい会話。いろんなお国の人が沢山来ていました。ここのホテルは西洋人が多くてとてもスマートな雰囲気。初老の御夫婦が川のほとりのベンチで優雅に過ごしている風景。プールサイドで足を組みながら素敵なドレスに身を包んだ御婦人方。とても憧れの光景でした。

 次の日はツアーの人とまたあちこち見学しました。そして息子が留学の時にお友達になったタイの女性、ノイさんと言う方。もう一人はタマラさんと言うとても可愛い女性。ノイさんは日本の政府の官僚、タマラさんは大学の教授です。タマラさんの方は陽気で活発な女の子、ノイさんは物静かで知的な女性。その2人にあちこち案内して頂き、タマラさんの家に招待されました。

 お父さんと3匹のワンちゃん、広いお庭。タイの家は床貼りです。チョコレート色のひろーい部屋、玄関がなくて外で靴を脱いでから部屋に入るそうです。お父さんが迎えて下さり、冷えたマンゴーがとても美味しかったです。とても広い家、日本の高級住宅街のような感じで、庭にはバナナの木とマンゴーの木、それともう一つ名前の分からない木。何処の家もそういう庭に咲いている木をおやつにして、優雅な生活をしているようです。

 その後、タマラさんのご家族に食事に連れて行って頂きました。見た事もないような料理ばかりで、辛いものが多かったように思います。バンコクの「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」の挨拶は「サワディーカー」、「有難うございます」は「コップンカー」。挨拶で「サワディーカー」と言う時には、鼻の上で両手を合わせます。「サワディーカー」と言うと、鼻の上で手を合わせた方が「サワディーカー」と、にこっと笑って挨拶をしてくれ、ただ挨拶するよりとても心が和んだように思いました。

 お寺ではジャスミンの花で作った日本の数珠みたいな形をしたものが沢山置いてあったようです。右手に3つその数珠を掛けて、願い事を言う時には一つ一つ、お地蔵様・仏像にその花輪を掛けてお祈りをしました。


3日目、3人でバンコクの町を歩き回りました。バンコクは象をとても大事にしていて、至る所で象の置き物を見かけ、ホテル内でも象の彫り物がありました。それからあらゆる所に象を使っています。ブレスレット・ネックレス・キーホルダー・クッションカバー、色々あって、もう目移りしてしまいそうでした。またタイはシルクがとても有名な所だそうです。私は真っ赤な象のヌイグルミを買ってしまいました。

 タイは暑い国なのでビアガーデンがとても広く、夕方になるとサラリーマン・OL・勤め帰りの人などなど、たくさんビアガーデンに集まって来ていました。ビックリしたのはトイレバスと言う物があってみんなビールを沢山飲む事。車が多くて片側6車線くらいあることや、信号があるのに信号を無視して人々が渡って行くこと。そして、大分歩いて駅に向かい電車に乗る事となりましたが、とても階段が多くて50段くらい上って、またホームに出るのにまた上がって、エスカレーターなどはない国でした。

 歩いている時には32〜33℃あるのに、電車に乗るとものすごく冷房が効いていました。ドアの閉る音にもまたビックリ、ガス漏れ警報機のように鳴るので大笑いしてしまいました。電車を5つほど乗り継いで、ホテルに向かうマリオット専用の船が到着するのを待っておりましたら、突然、川の上から菊の花を散らしたように色様々な花火が打ち上げられてまたビックリ。橋の上から眺めておりましたら、日本の花火とは全く違う色で目が覚めるようでした。とてもいい物を見て一人で感激。

 船が到着するのを待っておりましたところ、西洋人が息子に声を掛けました。「マリオット行きの船は何処から出ますか?」と。私達はビックリしてしまいました。息子は韓国に居た時も現地人に間違えられ、タイに来てまでタイ人に間違がえられるほど直ぐ馴染んでしまうタイプです。それからタイは野良犬がとても多くいて、皮膚病にかかっているので触ったらいけないと言う事。またホームレスがあちこちに居ました。それから高速を走っている時に王様の写真がとても大きくライトアップされて、あちこちに飾られておりました。タイの国民は王様をとても尊敬し、また敬っていました。仏教の国なのでそういう所は日本では見受けられないのでちょっと感動したり、とても優しい人々だったので嬉しかったです。

 4日目。アユタヤという世界遺産の所に連れていってくれるとの事。ノイさんが迎えに来てくれました。船で10分ほど行ってから電車に乗り継ぎ、タマラさんと待ち合わせてアユタヤに向かいました。1時間半くらい車で行くとの事。途中タマラさんが先生をしている大学に寄り、休憩しながら向かう事となりました。大学はものすごく広く蘭の花が咲き乱れ、サッカー場・ラグビー場などなどとても広くて、爽やかな風が吹き抜けておりました。

韓国の先生を一人紹介され、日本語で「初めまして」とご挨拶をして下さいました。お別れをしアユタヤに向かいました。アユタヤではノイさんの妹さんが待ちうけて下さって、アユタヤにしかないクレープの皮でシルクのようなお砂糖をくるんで食べるお菓子を御馳走になり、お土産に沢山頂いて帰って来ました。ノイさんの妹さんは博士だそうです。とても奇麗な方で心配して下さっていました。そこで皆さんで川のそばで食事をし、いろんな会話をして過ごしました。その川で取れた海老のスープ、お魚をみじん切りにして空揚げにしココナッツのタレを掛けて食べるお料理は、とても美味しくておかわりをしたほどです。

 そこからノイさんの妹さんと別れて、象を見に連れて行ってくれるとの事。動物園では見た事がありましたが、触らせてもらった時には毛がバリバリでした。子供の象は目がとても可愛くて、私の腕に突然鼻を巻き付けた時にはビックリして声をあげて逃げてしまったほどです。そこで頂いたココナッツの生のジュース、生れて初めて飲むあまーい香りのとても美味しいジュースでした。飲み終った後はスプーンでココナッツの実をすくって食べましたが、これもまた美味しくてゼリーのようでした。

 子供達とノイさん、タマラさんは象に20分ほど乗りました。私も乗せてくれると言っていましたけど、危ないのでやめる事にしました。象はとても可愛いらしくて、手も大きくて感激しました。そこからまた車に乗りアユタヤを後にしました。ホテルに着き、プールサイドで最後のお茶を楽しみながら別れが辛くなって来ました。7時半にツアーの方が迎えに来るまで息子とノイさん、タマラさんはバイクの3人乗りのタクシーで町へ繰り出して行きました。

 バイクのタクシーという物があって、日本では見られない面白い物を見せてもらいました。バイクの後ろに椅子が3つあって、3人乗れるようになっています。私と娘は最後にホテルの館内を歩き回り、椰子の木の下やベンチで風に吹かれました。「帰りたくないな」「もう少しお金を貯めてゆっくり今度来ようね」と名残惜しく川辺でお茶を飲みながら7時半まで過ごしました。

 7時半に迎えのバスが到着。お別れをしている間に胸が一杯になって来ました。私が白い杖を持って歩いていると、そばに居る人が優しく手を差しのべて微笑んでくれました。いよいよお別れの時が来てしまいました。ノイさん、タマラさん、私達は代わる代わる抱き合ってお別れをしましたが、タマラさんが「このまま日本に行ってしまいたい」と泣き出してしまい、私も「この子を日本に連れて帰りたい」と言いながら、別れがとても辛くてバスに乗り込む事が出来なかったのです。

 添乗員の方の「もうよろしいですか」と言う声に、私達も振り切るようにバスに乗り込み一路空港に向かいました。夜の空港は寂しく、思い出が胸に込み上げて来て3人とも無口になってしまい、「また絶対来ようね」と約束しながら飛行機に乗り込みました。今年の10月にはもう一度家族でタイに行くつもりでおります。




長友公一さん  大活躍 田名後浩子




〔ピアノコンサート〕

 10月19日(土)総合区民ホールにて、当会員である長友さんのピアノコンサートが開催されました。第1部は、長友さんのピアノによるクラシック演奏とバリトン歌手の佐藤光政さんの声量ある声で懐かしい曲を熱唱されました。第2部では、長友さんのあまいソフトな声でシャンソンなどの弾き語りが披露されました。


第1部
  ショパン作曲   幻想即興曲・三つのポロネーズ・三つのマズルカ
  モーツァルト   幻想曲ほか
  佐藤光政さん   宵待ち草・赤とんぼ・大きな古時計 ほか


第2部 弾き語り
  鶴・レロンレロン・青いカナリア・よいとまけの歌 ほか

コンサート後に長友さんからお話をお聞きしました。
 「いつも暖かいお客様に支えられて、コンサートが出来るということが大変な喜びです。来ていただいている客層がとても良いので、ステージとお客様とが一体になれるので感謝しています。今回はゲスト出演もあり、長時間になってしまいました。時間が経っているのに気づかず反省しています。時間配分を含めて第1部と第2部をどのように構成していくかが、これからの課題です。これから、どんどんピアノのオーディションを受けて技術を高め、クラッシックだけのピアノコンサートをするのが夢です。」

 初めは、レストランなどで弾き語りをしていた長友さんですが、またピアノを聴きたいというファンも増え、友人達に「色々な方に聴いてもらえる場を作ったらどうだろう」と薦められ、コンサートを開催するようになったそうです。第2部では、長友さんの伴奏で観客みんなで「小さな木の実」・「もみじ」・「四季の歌」などを歌いステージと観客席が一体になり、長友さんの人情味あふれるコンサートとなりました。多彩な才能をお持ちの長友さんの今後のご活躍に期待します。




暮らしのア・ラ・カ・ル・ト




1.簡単おいしいクッキング

◎ サツマイモのバター焼き  〔大野文江さんのレシピ〕

材料  サツマイモ バター(マーガリン)

作り方
 (1)サツマイモを1cm位の輪切りにする。
 (2)フライパンにバターかマーガリンを入れて
    輪切りにしたサツマイモを並べて焼く。
 (3)焼けたら味塩をイモ全体によくからめて出来上がり。
   おやつにどうぞ。


◎ 鶏手羽のカレースープ   〔村井伊都子さんのレシピ〕
(簡単で低価格でありながら、タンパク質、お野菜などしっかり食べられて、ボリュームがあって、ご飯に、パンにとどちらにもよく合う一品です。これからやってくる寒い日などにお試し下さい。分量などは人数に合わせて調整ができます。)

材料(4人分
  鶏手羽元8本、カブ1把、生しいたけ8枚、カレー粉適宜
  コンソメの素(固形)1個、酒大さじ2杯、塩・コショウ・醤油少々

作り方
 (1)カブは1個を半分にし、さらに3等分に切ります。
    葉っぱは3、4cmぐらいに切ります。生しいたけは1枚を2等分にします。
    (えのきだけでも美味しくいただけます。)
 (2)カレーやシチューなどを作る深鍋にオイルをしき
    鶏手羽元の両面を焼いてこげ目をつけます。
 (3)手羽先の鍋に水3、4杯とコンソメの素、カレー粉大さじ2杯ほど
    塩こしょう、酒を入れて鶏を少し煮ます。
 (4)手羽先の鍋にカブとその葉、生しいたけを入れます。
 (5)カブがやわらかくなったころに味をみて、カレー粉などをいれて
    好みの辛さにして下さい。カレー粉で少しとろみがつきます。
    最後に、隠し味程度に醤油をたらして下さい。熱いうちにどうぞ。


油揚げ料理 2品》

◎ 油揚げの袋焼き   〔村井伊都子さんのレシピ〕
(これは、油揚げの袋の中に削り節と葱を詰め込んで焼いたものです。お酒のおつまみにも合いますし、もう一品何かほしい時に役立ちます。たくさん作っておいて冷凍しておくと助かります。そのときには、焼かない前の状態で保存したらいいと思います。)

材料  油揚げ、葱、削り節、大根、酒、醤油

作り方
 (1)油揚げは最初に油ぬきをして、2等分して袋にします。
    最初から袋のものを買ってきてもいいでしょう。
 (2)ボールに小口切りにした葱1本分と、削り節2パックと
    酒と醤油少々をいれ、ややしっとりして扱いやすくなるようにします。
 (3)油揚げの袋の中に葱と削り節と酒を混ぜたものを詰め込みます。
    口を止めなくても乱暴に取り扱わないかぎり、中身は出てきません。
 (4)詰め物をした油揚げを網焼きします。
    (私はオーブントースターで両面をかりっと焼きます。)
 (5)焼きあがったら1枚を三角に切り、大根おろしをのせ
    醤油を少しかけて食べて下さい。温かいうちにどうぞ。


◎ 油揚げの包み焼き   〔冨澤洋子さんのレシピ〕

材料(3人分)
  油揚げ3枚 キャベツ・生椎茸・長ネギ適量 玉子1個 塩

作り方
 (1) 油揚げは半分に切り、中を開いておきます。
 (2) キャベツ・生椎茸・長ネギ適量をせん切りにしておきます。
 (3) ボールに、キャベツと椎茸と長ネギの混ぜたものを入れ
    玉子と塩を加え混ぜ合わせます。油揚げの中に具を入れ、先をようじでとめます。
 (4) フライパンに油揚げを入れ、片面1分ぐらいずつ焼きます。
     おろし生姜と醤油で食べます。


◎ キャベツと豚肩ロース肉の重ね煮  〔冨澤洋子さんのレシピ〕

材料(4人分)
  豚肩ロース300g キャベツ1個 トマト1個
  塩小さじ1杯 黒コショウ バター大さじ2杯 白ワイン1/4カップ

作り方
 (1)肩ロースは薄切りにし、塩・コショウをまんべんなくして
    1時間ぐらいそのままにしておきます。
 (2)キャベツはざく切りにして、軽く塩・コショウをしておきます。
 (3)トマトは湯むきをして薄切りにします。
 (4)鍋にバターをぬり、キャベツ1/4を入れ
    その上に肉1/3、トマト1/3、バター1/3を順に重ねて入れます。
 (5)その繰り返しで重ねていき、最後にキャベツを入れピッタリとしたふたをします。
 (6)中火で沸騰したら白ワインを入れ、弱火で20〜30分煮ます。
    付け合せは、ガーリックトーストがあいます。
    ガーリックトーストの作り方は、パンににんにくの切り口をこすりつけ
    オリーブオイルをたらしパセリをのせて、トースターでカリカリになるまで焼き    ます。)


2.便利グッズの紹介


◎ プレクストークポータブルレコーダ

 従来のデジタル録音図書の再生に、録音・編集などの機能が加わりました。
 録音機能(CDへダイレクトに録音可能。挿入・上書きも出来る。)
 編集機能(見出しごとの分割、ページ情報付加、コピー・貼り付け等。)
 音声(各種操作の他、録音図書の経過時間等の音声ガイダンス。)
 検索機能(任意ページ・見出しへの移動等。)
 拡張性(パソコンと接続しCD-R/RWドライブとして使用可能。)
 大きさ : (幅)180×(高さ)150×(奥行き)38mm
 重さ : 約860g(キャリングケース付き)
 価格 : 95,000円(税別)
問い合わせ : 社会福祉法人 桜雲会  電話03-5337-7866

  桜雲会ホームページ

(中央図書館に設置され、本会でも講習会を計画しています。)


◎ スピーチオ
(点字拡大読書器・録音テープに代わる、新たなコミニュケーションツール)
 スピーチオは、高齢者や視覚障害者に向けて開発されたSPコード専用読取機です。紙に添付されているSPコードを読み取る事で、記録されている情報を音声で、また点字プリンターと接続すれば点字で、PCに接続すればテキストで出力する事ができます。
 大きさ : (幅)100×(奥行き)142×(高さ)140mm
 重さ  : 約600g(バッテリー含まず)
 価格  : 128,000円(税別)
 問い合わせ : 株式会社 廣済堂 電話03-5484-8827(代)

スピーチオホームページ
(現在、本会事務所に見本がありますので、お試し下さい。)




ストレッチで運動不足解消




 東京都盲人福祉協会の生活訓練で、ストレッチを教わってきました。その順序を書いてみますので皆さんで試してみてください。椅子に座ったままの姿勢で運動をします。慣れてきたら1つの動作を30秒ぐらい続けます。1から16までが1セットです。


  1、右手のひらを上に向けまっすぐ前に伸ばす。息を吐きながらゆっくりと、左手で上から押して、指先を下に向け体の方に引き寄せる。左も同じようにする。

  2、右手のひらを下に向け、まっすぐ前に伸ばし、息を吐きながら左手で右手の上から押して指先を自分の方に引きつける。左も同じようにする。

  3、右手の甲をお尻の後ろに持っていき、右手首を左手でつかみ、左の方に引きそのまま息を吐きながら、左側に頭を倒していく。左も同じようにする。

  4、頭の後ろで両手を組み、背筋を伸ばし、息を吐きながらあごを引いてうつむいていく。背中は丸めずに手を乗せるだけで力を抜く。

  5、右手をお尻の後ろに回し、そのままの状態で息を吐きながら左側から後ろを向くように首だけ回していく。肩は持っていかないように。左も同じようにする。

  6、肩をほぐします。両肩を耳の所まで上げ、一時止め、一気に下へ落とす。これを3回繰り返す。

  7.右手を万歳し、頭の後ろへ倒し左手で右ひじをつかみ左の方へ脇腹を伸ばしていく。左も同じようにする。

  8、右手を伸ばし、手のひらを左肩の方に持っていき力を抜く。左手を下から   回し、右ひじを押さえながら左胸の方に引いていく。左も同じようにする。

  9、椅子に深く腰を掛け、背もたれの後ろで両手を組み息を吐きながらゆっくりと持ち上げていく。

 10、浅めに腰を掛ける。組んだ手をまっすぐ前に出す。組んだ手のひらは、自分の方に向け、息を吐きながらあごを引いて両手の中に頭を入れていく。

 11、浅めに腰を掛けたまま、肩巾より広く足を開く。右手を万歳し左手で右手首をつかみ、そのまま息を吐きながら左に方に倒していく。足でしっかりとバランスをとる。左も同じようにする。

 12、椅子に少し深く腰を掛ける。左足の上に右足を深く組む。左手で右膝を   押さえ、左の方に膝を引き付けながら体は右側から後ろを向いていく。左も同じようにする。

 13、左足の太ももの上に、右足の足首を乗せる。息を吐きながら、おへそから前に体を倒していく。背筋を伸ばしたままで体を折り曲げる。

 14、椅子の背もたれの後ろに立つ。背もたれを軽く両手でつかみ、両足を前後に開き息を吐きながら前の足の膝だけを曲げる。後ろ足のかかとはしっかりと床に押し付け、床から浮かないようにする。つま先は前に向ける。そのままの姿勢で後ろ足の膝を曲げていく。足を前後反対にして同じようにする。アキレス腱の運動です。

 15、背もたれに右手を置き、左手で左の足首を持ち上げ、息を吐きながらかかとをお尻に押し付けていく。右も同じようにする。

 16、鼻から息を吸い、口から吐く。腹式呼吸を1分間ほどする。




えどもう歌壇




       選評:短歌会「冬潮」主幹 松原信孝先生
                    (掲載順不同)


〈和田 彰さんの短歌〉
  原作  「秋深し虫の音淋し君恋し夜長を如何に過ごしておわす」
  添削  「秋深み虫の音寂しきこの夜長恋しき君は如何に過ごすや」
  「秋深み虫の音寂しきこの夜長君恋うこころ如何に過ごさむ」
(評)一首の中に作者の真摯な姿勢が感じられ、好感のもてる作品であるが、「し」の音感が上句では働き過ぎているように思いました。一応、「添削」を二種類提示しましたが、前者は「君」の現在を推察する形で作品化し、後者は、作者自身の思いを投げ掛けて「君恋うこころ」としてみました。両者ともよい作品で捨てがたいものがあり、良いと思っています。


〈延原光子さんの短歌〉
  原作  「盲会にいで行く我に一才のひ孫は言葉にならぬ声あぐ」
  添削  「盲人会に行く吾を見送り一歳の曾孫は言葉にならぬ声あぐ」
(評)一首の纏まりのよい作品とも言えますが、「盲会にいで行く」といいますのにやや表現の粗さが見られました。この初句から二句については、「盲人会に行くわれを見送り」と丁寧な表現にすることで、内容が屹立するようになると私なりに思っています。

〈宮地昭雄さんの短歌〉
  原作  「ふるさとの空の予報になに思うあるじなき家山里の秋」
  添削  「ふるさとの天気予報に思いたり主なき家と山里の秋を」
(評)「空の予報」と言いますのは「天気予報」のことだと思い、二句目と三句目は「天気予報に思いたり」としますと良く、一首が味わい深い作品になると思いました。また、下句も「主なき家と」「山里の秋を」としてみました。よいでしょう。何かにつけて故郷を偲ばれる作者の優しさがにじんでいる作品です。


〈有馬妙子さんの短歌〉
  原作  「盲人の会に入って早や五年聞こえる耳に感謝する日々」
  添削  「盲人会の会員となり五年経ぬ聞こえる耳に日々を感謝す」
(評)作品的に上句で「盲人の会に入って」と日常性そのままに表現していますのが気になりますので、この初句と二句目では「盲人会の会員となり」としますとよいでしょう。下句では、目が見えなくても耳の聞こえることに、毎日感謝していることが作品を成立させていると言っても過言ではありません。


〈成田貴美代さんの短歌〉
  原作  「軽やかに走るタンデムペダル踏む仲間と遊ぶコスモスの道」
  添削  「タンデムのペダルを踏みて軽やかに友とコスモスの道を走りぬ」
(評)原作では「軽やかに走る」と最初に歌い起していますが、作品の主体であります「タンデム」は、元は、縦並びの二頭の馬やその馬車の意味で、二人乗り用自転車ですから、作品的に上句では「タンデムのペダルを踏みて」と歌い、それから「軽やかに友と」としますとよいでしょう。爽やかな一首になると思います。


〈小野塚耕吉さんの短歌〉
  原作  「フィレンツェの露店のオヤジがこんにちは我等をジャパンマネーと見たり」
  添削  「マネーと我等を見しかフィレンツェの 露店の親父が「は」と言う」
(評)初句に置かれてある「フィレンツェ」は花の都という意味の、イタリア中部の都市である。風光明媚でルネサンス文化の中心地だけに、露店もひしめいてあるのでしょう。その露店の「親父」が人なつこい日本語で呼び掛けてきたというのが味わい深い作品にしている。佳吟。

えどもう歌壇では皆様の投稿をお待ちしております。




都盲協便り




平成14年11月−  松本俊吾

 本号より、上部団体の東京都盲人福祉協会関連情報覧を設けることとしました。  平成14年度4月の第1回理事会に於きまして、笹川都盲協会長より、私が常任理事(広報部長)、北沢副会長が理事(福祉部次長)を委嘱されました。北沢副会長は、理事会2回、都盲協の諮問機関であります福祉職業委員会に2回出席し、視覚障害者の福祉全般と職業的自立のための方策を、他のブロック代表の方々と項目別に審議し、第34回都盲大会の宣言・決議の草案作りや、次年度の活動方針等の、諮問案をまとめる作業を行って来ました。

 一方、私は、幹事として広報部会(2回)を開き、「点字東京」7・9・11月号記事の編集と、「声の東京」7月〜11月の収録内容のチェック他を行ってきました。また来年度の創立100年記念事業の実施計画を常任理事会に於いて他の役員と共に検討し、実施要綱をまとめました。記念事業の主な内容は次の通りです。

  @ 記念大会の開催(平成15年11月1日を予定)
  A 記念誌の発行(広報部が担当)
  B 欧州旅行(ドイツ・スイス・フランス、平成15年6月4日から6泊8日)
  C 社会福祉法人の取得、等
 尚、本会からは上記2名の他、小松副会長・藤田熟年部長が代議員として年2回の代議員会に出席しています。

 ところで、10月16日に、北区王子の北とぴあ・さくらホールで開催されました、第34回東京都盲人福祉大会の芸能コンクールに於きまして、本会より柏谷幸司(秋田船方節)・大嶋潤子(愛の賛歌)の両会員が出演し、当日会場に集まった1千名から大きな応援の拍手を受け、素晴らしい熱唱でした。その結果、柏谷文化部長が見事第3位に入賞され表彰されました。大島さんも最終選考に残ったのですが、わずかの差で入賞に届かず残念でした。次の機会には是非頑張ってほしいと思います。本会から参加された42名の会員の皆様、ご苦労様でした。




編集後記




 みなさん、こんにちは。山々が紅葉しはじめ秋深き季節になってまいりました。最近の出来事としては日朝国交正常化交渉開始など歴史に残ることもあり、また、北朝鮮拉致被害者の方々が帰国されましたが、5人の思いはどんなものだったのでしょうか?24年前と言えば私は12才でした。そう考えると月日の重さを感じずにはいられません。今後の対応も見守って行きたいと思います。

 ところでみなさんはどんな秋をおすごしでしょうか?食欲・読書・スポーツの秋といろいろありますが、私はなんと言っても食欲の秋でしょうか?今しか食べられない栗ご飯や松茸ご飯など、香りを楽しみたいですね。さて、今回のアイネットは来年4月から障害者福祉サービスが支援費制度に変わることや、秋にふさわしくタンデムや卓球、そして恒例の文化祭などを取り上げてみました。文化祭には戸田陽先生のお話や朗読が予定され、またリズムやコーラス・民謡では日頃の成果を発揮していただけたらと思います。では、文化祭でお会いしましょう。                (Y)



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